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INTERVIEW

Japanese

バンドハラスメント

2017年10月号掲載

バンドハラスメント

Member:井深(Vo) ワタさん(Gt) はっこー(Ba) 斉本 佳朗(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

名古屋発の4ピース、バンドハラスメントが2ndシングル『解剖傑作』をリリースする。以前想っていた人が少しずつ遠くなっていく感覚を、エモーショナルな井深のヴォーカルと、疾走感溢れるギター・サウンドで描き、想いを叩きつけるような楽曲だ。誰かの好みに合わせて髪を切ったのなら、それ似合ってないよと言うのはずいぶんとわがままな言い分かもしれない。でも皮肉っぽくひねくれてみせることで、自分の想いに決着をつける感じもあってと、どちらの意味合いにも解釈できるような内容だ。物語が浮かび上がってくるようなこの曲が、どんなふうにして生まれたのか4人に訊いた。

-2ndシングルの表題曲「解剖傑作」は実際の手紙がもとになったということですが、どういう感じで曲になっていったんですか。

斉本:前作のミニ・アルバム『エンドロール』(2017年5月リリースの1stミニ・アルバム)の最後に「9月4日」という曲があって、それと結びついた曲になっているんです。MVの公開日を9月4日にしたんですけど、その日に、当時付き合っていた方に送るつもりだった手紙を音楽にして、メッセージを送るというものになっています。なので、メロディ先行ではなく歌詞先行でできた曲ですね。

-歌詞先行というのは、曲の書き方としてはやりやすさはあるんですか。

斉本:初めてのパターンだったんです。もともと、曲作りはすべてメロディ先行で書いていく形だったので、大変ではあったんですけど。あとは今回楽器のこだわりが強く入っている部分があって、アレンジの時間は長くとりました。苦戦した曲ではありますね。

-歌詞を書いた時点で、ぼんやりとでもどんな感じのサウンドの曲にするかというのは描いていたんですか。

斉本:だいたいのイメージを先に固めないと、良くない作品になってしまったり、自分で納得がいかないものになったりするので、イメージの段階でまずメンバーで共有するんです。こういう感じの曲で、ラストはこういう感じで終わって、サビは何回やりたいとか。Aメロからサビにいって、またAメロで、次にBメロが初めて出てきて、サビで間奏にいくとか。そういっただいたいの流れはあらかじめ決めていることが多いですね。

-そこからの細かいフレーズやアレンジは、各自に任せているところですか。

斉本:知識がないのに僕が作詞作曲をやっているんです。ギターやベースが弾けなかったりとか。なので、口で説明したりするんです。このバンドになってからは2年経ってないですけど、中学くらいから一緒にいるメンバーなので、1言えば全部わかる感じで、そこらへんはスムーズにできることが多いですね。イントロやサビのギターは、"トゥルルルルル、トゥルルルルルの6連で、ピロピロしたのが欲しい"、だったり。あとは各々で、というところですかね。歌詞を書いてメロディを作った時点で、ドラムのイメージが決まっているので、そこにバシッと合わせてもらう感じになります。

-ワタさんのイントロのフレーズは印象的ですが、その"ピロピロしたやつ"でだいたい伝わる感じですか。

ワタさん:そうですね。あとは、ど頭でインパクトのある場所なので、つまらないものを弾いても微妙な感じになるなと思って、多少攻めたフレーズになったかなと思いますね。

-ちょっとディレイがかかったような、不思議な連符ですよね。

ワタさん:エフェクトは全然かけてないんです。フレーズで、ちょっと変な感じに聞こえるようにしているんです。

斉本:6連符だよね?

ワタさん:ずっと6連符じゃなくて、途中で違うのを入れているんですよね。そこがいい感じになったかなと思います。

-はっこーさんはどんな味つけを?

はっこー:「解剖傑作」に関しては、ドラムとギターとヴォーカルができた状態から、ベースをつけた感じでしたね。この曲は、どんどんアレンジが変わっていったんです。作ってる段階で、ベースをつけてもすぐにアレンジが変わったりしていたから、最終的にベースをつけたのは、レコーディング直前くらいだったんです。

斉本:全体で30パターンくらいのアレンジがあって、どれを選ぶか? ってドラムとギターだけの状態でワタさんとふたりで話していて。これだと思って、ベース・ラインをつけてもらっても、また変わっちゃうという。後付けだったから、難しかったと思うんですけど。