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INTERVIEW

Japanese

ポタリ

2016年11月号掲載

ポタリ

Member:鈴木 奈津美(Vo) 中西 詠美(Gt) 内田 愛子(Ba) 茄子川(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-「SOS」は歌詞も茄子川さん発信だったりするんですか?

鈴木:そうです。もともと茄子川が書いてくれてた歌詞のイメージは、もっと現実的な感じだったんです。それで、"どうしてこんな気持ちの歌詞を書いたの?"って聞きながら、茄子川が持っていったストーリーを呑み込んだうえで喩えを使いながら書きました。

-外で降ってる雨と、心の中で降ってる雨がリンクしてる感じがいいですね。

鈴木:こうやって対比させる方が書きやすいんです。

茄子川:天気に喩えた途端にかっこよくなったから、すごいなと思いましたね。

-Track.4「あいまい」はラヴ・バラードですね。

鈴木:バラードで恋愛ソングを書きたいと前から思っていたので、念願が叶いました。そういう曲は、それこそ20歳になるときに出したミニ・アルバム(2010年リリースの1stミニ・アルバム『パプリカ』)に入れたぐらいで。最近はバラードって言っても、誰かを応援するとか、自分たちの夢に関する曲ばっかりだったんです。自分たちも夢を追っているなかで、頑張ってる誰かの胸に響く曲を作りたいっていう気持ちの方が高まっていたんですよね。恋愛がテーマの曲はロックな曲でも作っていたので、わざわざバラードで作ろうとも思ってなかったんですよ。それが今回のシングルでは他の3曲が勢いのある感じだったので、"ここだ!"と思ったんです。

-このバラードも一発録りなんですか?

内田:そうです。やっぱり勢いだけじゃないものを共有するのは大変でした。練習でもどう捉えるか何回も話し合いながら、お互いに録って聴いて、"もっとこうじゃない?"って詰めていって。他の3曲に負けないぐらいグルーヴについて話し合いました。

鈴木:楽器隊の3人に一発録りをしてもらうために、ヴォーカルの仮歌を流して、それに合わせて弾いてもらうんですけど、仮歌を作る段階からしっかり表現しなきゃ、という気持ちが他の曲よりもありました。そうしないと、みんな迷っちゃうだろうから。これもまたライヴでどう聴かせられるかが楽しみな曲です。

-さっきから楽曲の話が必ずライヴの話に繋がるのがポタリらしいですね。

鈴木:常にライヴのことを考えてるから、そうなっちゃうんです(笑)。

-前回のシングルは、明るくて、ちょっと捻くれてて、でも一生懸命な女の子っていうのが表現された1枚だったと思いますけど、今回はまた別の表情も出せたんじゃないですか?

鈴木:今回は心の奥深いところとか、人には言いたくても言えない、隠したいような部分も掘り出せたかなっていうのはありますね。弱い部分にスポットを当てて。私は人に弱く見られたくなくて、ずっと強がってるところを書いちゃうし、言っちゃうんですけど、そうじゃないところに良さがあるというか。弱いところを認めることで、より世界が広がるんじゃないかっていうのは感じるようになりました。

-弱い部分も出すことで、より人間味が増した気がします。

茄子川:そうですよね、わかります。今までのナツ(鈴木)の詞も良かったんですけど、前はわりと誰にでも捉えられるように書いてたのが、今回は(歌詞に出てくる)人と人との関係性がわかりやすくなってて。"あ、こういう関係性の人物を描いてるんだ"っていうのが、すごくよくわかるんですよ。だから成長してるんだなぁって思いました。

-鈴木さんのソングライターとしての成長も大きいけれど、バンドとしての成長もちゃんと刻まれたシングルだと思いますよ。

内田:ロックについて考えたからできた1枚なんだと思います。それはこれからも考え続けていくと思うんですけど。「ナイショ ナイショ」の歌詞がポップでかわいかったり、「SOS」がロックでドロドロしてたりするのも、曲が完成していくと、なんでナツがこの歌詞を選んだのかっていうのがよくわかるんですよ。歌になったときにナツに似合うし、良い曲だなと思うので。やっぱりお互いを信じてやって良かったなと思ってます。

鈴木:愛子は冷静にメンバーを見てくれてますね(笑)。

-そんな『ナイショ ナイショ』を引っ提げたツアー"ポタリing TOUR 2016-2017 ~ナイショにしないでショータイム!~"が11月9日から始まります。ファイナル・シリーズとして東名阪のワンマンも控えていますが、どんなライヴをしていきたいですか?

鈴木:強がったり、かっこつけちゃったりするより、素直に言葉にすることを目標にしたいです。そのためにメンバーをもっと信用して、助けてもらうって言うと変ですけど、支えてもらいながら、言葉を伝えていく。そんなツアーにしたいなと思います。

茄子川:さっき、詠美の母校でライヴをしてきたんです(※取材日は10月4日)。それがすごく良いライヴだったんですよ。若い子のエネルギーが溢れるところで何か刺激になるようなライヴをしたいなと思って。

鈴木:"私たちのライヴを見て何か変わった"とか、一生の思い出になるようなバンドになりたいです。ついさっき若い子たちの前でそういう気持ちでライヴができたから、余計にそう思います。みんなの青春を色づけたい、という気持ちですね。