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INTERVIEW

Japanese

ポタリ

2016年11月号掲載

ポタリ

Member:鈴木 奈津美(Vo) 中西 詠美(Gt) 内田 愛子(Ba) 茄子川(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-ロック・バンドとしてのかっこよさを突き詰めるっていうのと、女の子のかわいさを伝えたいっていう思いが共存するのがポタリなんですね。

内田:それは、『君とアワー』のリリース・ツアーでかっこよさを突き詰めた結果、気づいた良さなんですよ。"あ、うちらの良さって、こういう明るい女の子な部分だったんだ"みたいな。自分たちの"好き"だけを突き詰めちゃうと、やっぱりロックなものではあるんです。でも、ポタリを象徴するならポップで明るいものだって最近気づいたんです。

茄子川:今までも「JUST!」(2014年リリースの2ndシングル表題曲)とか「GOOD LUCK」(2015年リリースの4thシングル表題曲)みたいな明るい曲がポタリの代表曲としてあるんですけど、ライヴで何回もやって、時を経てから"あれって良い曲だよね"ってなっていくから、曲が完成する前からポタリらしいとか、わかってたわけじゃなかったと思うんですよね。でも、今は冷静に自分たちについて考えてる時期でもあって、そういうことも少しずつわかるようになったなと思いますね。

-サウンド的にはライヴで盛り上がりそうなポップでキャッチーな曲ですけど、今回のレコーディングで新しくチャレンジしたことはありますか?

茄子川:『君とアワー』では1曲(「明日へ」)だけ一発録りだったんですけど、今回は全曲一発録りでレコーディングしました。凝ったことをしないで、よりシンプルなロックにしたいなっていうイメージがあって。

鈴木:それを前提にアレンジも考えたよね。一発録りの勢いとかグルーヴ、ノリを大事にできるように。無理をしないで、かっこいいアレンジを追求しました。

中西:勢いで演奏したものを録ってるからテンポを無視してるところもあるんですけど、あえて直してないんです。

鈴木:それもバンドらしさだよね。

-じゃあ、録る前にかなり練習したんですか?

鈴木:練習は相当したね。「ナイショ ナイショ」以外の曲はレコーディング前にライヴでもやってないので。

中西:猛特訓ですよ。

茄子川:ヘッドフォン・アンプっていう機材を新しく導入したんです。今までは個人個人で練習してからレコーディングするっていう感じだったんですけど、その機材を導入してからみんなで練習できるようになって。それでレコーディングに向けて練習できたのは良かったですね。

中西:今回はジャンプできる曲を作りたいねっていうイメージが最初にあったので、それが実現できたかなと思ってます。ライヴではみんなが跳んでくれたら嬉しいです。

-表題曲と同じくらい、カップリングが濃くて面白いのがポタリですけども、Track.2「Escape」とTrack.3「SOS」は少しシリアスな曲になりましたね。

鈴木:逃げの曲ですよね(笑)。

-どうしてこういう曲ができたんですか?

鈴木:この曲で書いてるような部分は自分の中に絶対あるんですよ。「Escape」の歌詞を書きながら、こういうふうにはなりたくないと思うし、それを避けるように日々戦ってるんです。こういう曲を書くのも、"こんなふうになってたまるか!"みたいな、自分自身を奮い立たせる部分がありますね。

-「Escape」はオルタナティヴなアプローチの曲で、途中で拍子が変わるところとか、今までにないチャレンジがあったんじゃないですか?

茄子川:たしかに、譜面に起こしたら4分の3(拍子)からのサビだけ4分の4(拍子)になりますね。

鈴木:あんまりそういうことを考えてないな。

内田:全然意識してなかったね。

-ポタリの曲作りは鈴木さんが曲の原型を作ってくることが多いですけど、「Escape」に関してはどういうふうに作り始めたんですか?

中西:この曲は楽器からですね。もともと楽器を弾いて作り始めたところに、スタジオで適当にメロディをつけて、さらに家に持ち帰って作ってもらいました。

鈴木:たまにこういう作り方をするときもあるんですよ。

中西:地味に凝った曲ですね。

鈴木:今まであんまりやってこなかったタイプの曲なので、セットリストを組むときにどこに入れようかなって今から考えてます。

-そんな「Escape」に対し、「SOS」はエモーショナルなギター・ロックですね。

鈴木:この曲は、最初に茄子川が"こんな曲を作ってみたい"って持ってきた元ネタを、みんなで揉みながら作っていった曲ですね。そういう曲が採用されたのは初めてだと思います。

中西:茄子川がパッと聴いてイメージがわかる曲をMIDIで仕上げてきたんです。

鈴木:最初はもっと重たくてゴリゴリの曲だったよね。そこから歌寄りになりましたけど、サビのメロディとか一番強いところはちゃんと残ってるんです。

茄子川:この曲は、"ギター・ソロはこういうのがいい"とか、"ベース・ラインはこうがいい"とか、結構細かく言うようにしたんです。今までは思ってることを口に出すのって、やっぱりお互いのパートを尊重し合うからできないと思ってたんですけど、自分で曲を持っていったときに全部が思いどおりになると、すごく気持ちがいいんですよ。最後のギター・ソロも尺が違って、ちょっと変な感じで終わっていくのがいいとか。そういうのも全部叶えてもらえたので、こういう作り方もいいなって思いましたね。

中西:この曲は、最初に持ってきてくれたときから"めっちゃいいじゃん"って思ったし、初めて茄子川が持ってきたのもあって、なるべくイメージに寄せてあげたいなっていう気持ちがあったんです。いっぱい意見を聞けて、逆に楽しかったです。でも、昔だったら"え? それよりこっちの方がいい"っていうのがあったと思うんですけど、この曲が持ってるものがかっこよかったから、茄子川の言うことを聞こうと思いました(笑)。