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INTERVIEW

Japanese

コレサワ

2016年10月号掲載

コレサワ

Interviewer:松井 恵梨菜

-素敵なお話ですね。「ショートカットに憧れて」はとてもガーリーな楽曲ですが、Track.4の「シンデレラ」も同じ女性目線ではありつつアダルトな内容で、振り幅がすごいですね(笑)。

そうなんですよ(笑)。歌詞だけ見たらかなりアダルトなんですけど、「シンデレラ」はバンド・メンバーのサウンドをかっこよく見せたくて作った曲で、ソロまわしがあったりするので、ライヴではメンバー紹介のときにやる曲なんですね。だから歌詞が過激でも、みんなそんなに気にして聞いてないと思うんです。曲がすごくかっこいいので、そこに注目してほしいです。この曲は4年前くらいからあったんですけど、今までライヴでしかやってこなくて。でも、お客さんに"あの曲が好き"って言ってもらうことが多かったので、今回ついにCDに入れました。

-こういうロック・テイストな楽曲が音源に入ると、コレサワさんのイメージがまた良い意味で変わりますね。

一番ライヴっぽく演奏しているので、ライヴによく来てくれてる人は聴き慣れてると思うんですけど、ライヴにあまり来たことがない人はこの曲を聴くとびっくりしちゃうと思います。ライヴのときの、クリック音とかに忠実じゃない、感情で演奏する感じを再現しているので。

-今作のアクセントになっている曲だと思います。最後のTrack.5「おやじ」はご自身の父親について書かれた曲なんでしょうか?

はい。携帯電話の登録名を、"お父さん"ではなく"おやじ"にしていて。両親は私が小学生のときに離婚して、それからお父さんは一緒に住んでいないので、友達でも家族でもない、でも血は繋がっている、不思議な絆がある存在なんです。お父さんは心配性で、よく電話をかけてくるんですよ。そういうところが嫌いなんですけど、年齢を重ねると、電話に出てあげなきゃかわいそうだなって思うようになるんですね。それで、"お父さん"じゃなくて"おやじ"って登録してあった方が、電話に出てあげようっていう気持ちになるんですよ。お父さんはどうしようもない人で、呆れた事件があって書いた曲なんですけど、すごく前向きな曲なんで笑って聴いてください(笑)。

-でも、どうしようもない人だけど"ありがとう"って、素直に言いたくない気持ちを言葉にできたのは、ちょっと大人になったからなのかなと思いました。

やっぱり、お父さんがいたから私が産まれたので、それ自体は嬉しいし、"ありがとう"っていうのは裏のテーマとしてあるから、それがうまくお父さんに伝わったらいいですね。今、親が私を産んだ歳になったんですけど、そう考えたときに、この歳で子供を産んだらやりたいこともできなくなっちゃうし大変だなって思って。それでも育ててくれたことへのありがたみを、この歳になってしみじみ感じたんです。

-今だから書けた曲なんですね。

10代のころはこんなこと思わなかったですね。でも、親だっていついなくなっちゃうかわからないから。そのときに、親孝行しておけばよかったって後悔したくないんですよね。私が今できる親孝行は、CDを出して音楽活動を頑張るってことだと思うので、今回は曲にしました。

-"くだらない世界を見せてくれた"という表現もリアルですね。

"くだらない"って言ってるのに、"見せてくれた"なんですよね。"ありがとう"っていう気持ちがあるから"くれた"って思う、そこに気づいてもらえたのは嬉しいです。

-でも、矛盾しているからこそ等身大なんだと思います。

感情なんて矛盾ばっかりじゃないですか。確かな答えを持ってないけど、それでいいんだよっていうのを言いたかったのもあります。

-今回のEPは、ご自分ではどんな作品になったと思いますか?

まず、ジャケットがすごく気に入っていて! めっちゃかわいいんですよね。今回もウチボリさんが描いてくださったんですけど、れ子ちゃんをちょっと成長させたいってお願いして。そんなジャケットも、さっき話したMVもお気に入りだし。このEPはバラエティに富んでると思う方もいるでしょうし、今までとサウンドが変わってるから、それがファンの方にどう届くのか、新たにコレサワを知る人にどう届くのかっていうのは楽しみですね。

-ジャケットのれ子ちゃんを成長させたのはどんな意図があるのでしょうか?

今回は3枚目なので、"等身大の、人間っぽいれ子ちゃんはどうですか?"って提案したら、"いいじゃん"って言って描いてくれました。

-れ子ちゃんが成長したことも、クラウチングスタートのポーズをとっていて前に進もうとしている感じも、コレサワさん自身を映しているのかなと思ったのですが。

それは、見てくれた人がどんな感じで受け取ってくれるか楽しみなので、真相はお楽しみにって感じです(笑)。クラウチングスタートにしたのは、頑張るぞっていう気合いが伝わるかなと思ったのもあります。

-10月からはリリース・ツアーも始まりますが、どんなツアーにしたいですか?

久しぶりにバンド編成で行くところもあるので、緊張はします(笑)。J-POPの"J=自営"って自分の中で決まったから、それしか歌わないよっていう決意を込めた"J-POPしか歌えないっツアー"なので、自分の音楽に自信を持ってちゃんと示せるライヴにしたいです。