ザ・チャレンジ

INTERVIEW

Japanese

ザ・チャレンジ

2016年01月号掲載

ザ・チャレンジ

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Member：沢田チャレンジ（Vo/Center）

Interviewer：吉羽さおり

－ただ、このバンドがやることで、ある種の過剰さもポップに着地するっていうのがありますね。シアトリカルな部分も"あり"にしていくパワーがある。

他にも似たような感じのスタンスのバンドにたまに出会うんですけど。途中でいなくなっちゃったり、うまくいかなくなっていく人も多くて。

－まあ、多少は無理をしている部分もあるでしょうしね。

ですよね。その無理が僕はあまり無理じゃないんだなあと思って。

－自分たちが続いている理由っていうのは、なんだと？

自画自賛になるんですけど――今日はちょっと真面目スイッチが入っちゃってて、あとでディレクターに怒られそうですけど（笑）。

－ええ、沢田チャレンジ全開でもいいですよ（笑）。

そうなんですよねえ、この真面目さだったり。いろいろ考えて、こうしたらこうなるんじゃないかっていう設計図をちゃんと作ることに力を入れていると、他のバンドとか外から見ると、そこばかり目立っちゃうんですよ。だから、計算高いとか言われることも多々あって。でもお客さんはあまりそこは気にしていないんですよね。どっちかというと、沢田チャレンジの情熱とか熱意をキャッチしてくれてる。（外からの認識と）何か違うことがあるとしたら、設計図を綿密に描くんですけど、それを施工するときに、パッションが溢れちゃって設計図通りに組み立てられないんですよね。それで変な形になっちゃったりして、それが逆に面白いっていう（笑）。ザ・チャレンジの冷静と情熱の間にある何かが、面白いことになっている気がしますけどね。

－メンバーも前のめりでこれをやってくれている、面白がっているのも大きいのでは？

変わってますよね、うちのメンバーも。タラコチャレンジがジャックナイフだったころを知ってる人とかからすると――。

－（笑）たしかにクールな人ですしね。

クールですよ（笑）。それが今や自分でタラコチャレンジって言ってますからね（笑）。

－そういう人だからこそ、よっぽど面白くなければここまで一緒にやらないと思うんですよね。乗っからないと思う。

うんうん。彼の昔のバンドのファンで、タラコチャレンジは無理してザ・チャレンジをやっているんじゃないかとか、音楽的にもそんなにやりたくないことをやってるんじゃないかとか思っている人もいたんですよ。だけど、彼は全然そんなことなくて。むしろザ・チャレンジがなかったら、自分は音楽を辞めていたかもしれないと言っていて。

－そうですよ、じゃないと今作でこんなに作曲しない（笑）。

めちゃめちゃ作曲してるし、アレンジしてるし、ギターもめちゃくちゃダビングしてる（笑）。全力でやってるし、むしろ自分の音楽的なキャリアをここに詰め込んでいるんだっていうことを言っていて。それはそうだよなあと思って。だから楽しいんですよね。みんな単純にミュージシャンとして音楽が好きだっていうのがあるから。

－それは他のメンバーにも感じるところでもありますね。これをただ面白いからってノリでやっちゃったら、音楽じゃなくなってしまうと思うんです。きちんと音楽的にまとめてくれるメンバーだったり、そこに持っていくアンサンブルがあるからこそ、ユーモアも成立するんだと思うんです。

そうなんですよ。これ本当にメンバーがいなかったら、僕はただの独り言で、チャレンジランドを作るという夢を語ってるちょっとヤバい人になっちゃうので（笑）。

－バンド然としてるのが、大事なところですね。もともとの沢田チャレンジさんのアイディアから、それぞれの作曲者はどう取り組んでいくんですか。

今作は作り方がそれぞれ違ったんです。さっき言ったように、"こういう曲が欲しい"って言ってメンバーが作ってきた曲もあるし、あとはメンバーが作ったストック曲に歌詞をつけることでアトラクションっぽく作り上げたりとか。もともとあった曲を、ジェットコースターとかお化け屋敷っぽくしようと、アレンジをした曲もあるので作り方はまちまちでしたね。とにかく時間がなかったので一気に作ったこともあって、そのギュッと制作したのが、逆によかったかなというのはありますね。実は、今年の夏にはもう仕上がっていたんです。

－じゃあ、メジャー・デビューしてすぐに作り始めたくらいじゃないですか。

そうなんですよ。2015年の4月にデビューして、6月に赤坂BLITZのワンマンが終わってから一気に作り上げた感じでした。

－2015年は駆け足できて、ようやくデビューした実感も湧いてきたという感じですか？

まだデビューして1年経ってないのが信じられなくて。こんなに濃密な音楽人生というか、こんなに濃密に音楽活動やバンドマンとしての日々を送らせてもらったのは逆に考えたら初めてですね。これだけバンドマン長いことやってるけど、まだこんなに自分が成長できるんだなとびっくりしてます。メジャー・デビューして、いろんなことをさせてもらっているのは、すごくラッキーだし、ありがたいですね。なんか今日、真面目だな（笑）。

－そうなんですか（笑）。

これはこれでいいんですけどね。僕らの過去のキャリアを知ってるインタビュアーの方はやっぱり、なんでこうなっちゃったの？っていうことにすごく興味があると思うんですよ。

－はい、そうです（笑）。

そういう人からは、"もともとそういう人だったんですか？"とか、"なんでここまで過剰に面白がらせたいんですか？"っていう質問をもらうんです。でもそうじゃない、僕らのキャリアを知らないインタビュアーの方たちは、例えばこのアー写を見て、"この衣装はどうやって用意したんですか？"とか、"なんでこういう衣装になったんですか"とか、"チャレンジランドってどういうランドなんですか"っていう質問になっていくと思うんですよね。