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INTERVIEW

Japanese

シュノーケル

2015年12月号掲載

シュノーケル

Member:西村 晋弥(Vo/Gt) 香葉村 多望(Ba) 山田 雅人(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

グッド・メロディと爽快で疾走感のあるギター・ロックで人気を博したシュノーケル。2010年3月の活動休止から長らく沈黙していた彼らが、2014年末にワンマン・ライヴを行ない、そのステージで活動再開を宣言。そして、通算3枚目となるアルバム『EYE』を完成させた。エヴァーグリーンなメロディとポップネスに磨きをかけ、大人のセンチメンタルをも感じさせる奥深さと、そしてキラリとしたまばゆさ、疾走感もしっかりと抱えたままの3人のサウンドが、郷愁とワクワクとを生む。活動再開を聞きつけ、国内だけでなくブラジルのフェスにも呼ばれるなど、ファンが待ちわびた復活。5年分の思いと近況を、その音楽で味わって欲しい。

-活動休止から約5年、今こうしてシュノーケルとして再スタートしようとなったのは、何が大きかったんですか。

西村:ぴたっとタイミングが合ったんですよね、フィーリング的にも。休み中も何回か会っていたんですけど、そういう話にも特にならず。ただ単に近況を話す飲み会が何回かあった流れの中で、ビビッときたんでしょうね(笑)。

山田:会ってたね。ちょいちょい集まってはいたんですよ。

西村:でも、それで音楽の話をするでもなくね。

山田:だからいざやろうって話しになったらなかなか、まとめるのは大変だった(笑)。

-改めてバンド、シュノーケルを取り戻していくような時間も?

西村:でもわりと、ライヴをやるにあたってリハに入ってみると、"いけるね"みたいな手応えはありましたね。

山田:音を出しちゃえばね。それまでは緊張したけどね、久しぶりにスタジオ入るから(笑)。

西村:爆笑しましたね(笑)。久々に曲やってみて、アハハとか言って。

-数年振りにやるシュノーケルの曲を、自分たちではどう感じたんでしょう。

西村:ライヴでは必ず「波風サテライト」(2006年リリースの2ndシングル表題曲)という曲をやっているので、とりあえずそれを一度やってみるかって感じでやったんです(笑)。やっぱり身体って覚えてるんだなって感じましたね。自分がやることもそうですけど、呼吸というか。5年空いたからか、それぞれの呼吸をすごく吸い込んでいる感じがしましたね。

山田:それですごく盛り上がって、勝手に無敵感を感じてしまって(笑)。"これは強えーだろう"っていう。

西村:ビデオとか撮ってあとで観てみたらヘタクソかもしれないけど(笑)。バンドのそういう、いわゆる上手い下手じゃない、"いけるぞこれ"っていう感覚があって。

香葉村:何がいけるのかわからないんだけどね(笑)。

-ライヴのためにリハをしながら、じゃあ改めて今のシュノーケルで曲も作りますかという流れですか。

香葉村:曲を作り始めたのは、昨年12月の復帰ワンマンを終えてからでした。

西村:復活したときには、新曲はなかったです。

山田:次どうする?っていうのを、そんなにはっきりと決めないまま動いてたんですよね。

西村:とりあえずやろうかっていう感じで。次にCDを出す、出さないみたいなことも特に具体的に決めないまま。

香葉村:またやるかどうかもね、ギリギリなところだったんですよ(笑)。ちょうどそのとき、以前シュノーケルのサポート・ギターをやってくれていたフジタユウスケが、ツアーに呼んでくれて。"そうか、じゃあシュノーケル続くんだね"って自分たちでも思ったくらいで(笑)。

山田:引っ張ってもらったよね、そこは。

西村:復活のワンマンの前にも一度30分くらいのライヴを自分のイベントでやったことがあったんです。そのときに、"どうせ自分らでやらへんのやろ?"ってツアーに誘ってくれて(笑)。それがなかったら、もしかしたら思い出を懐かしむだけで終わったかもしれない。

-でもファンの"待っていた感"は強かったですよね、実際に復帰ワンマンも即ソールド・アウトでしたからね。そういうふうに求められているぞということになると、曲も作ろうかという?

西村:あれはありがたかったですね。その感じで、せっかくならCDを作ろうという流れだったんです。ただ、曲はだいぶ悩みましたね。年月が空いたぶん、今までの曲がお客さんの中ですごく大きなものになっているので、それを超えるには結構なものを作らないとなっていう気持ちがあって。曲はできるんですけど、ただ、そこを超えるものが作れないっていう期間が結構ありました。

-今のシュノーケルというバンドをどう見せるかということもあるし、でもあまり飛躍しすぎちゃうと、またファンは追いつけなくなってしまいますよね。

西村:そうなんですよね。どうせ作るなら、今まで聴いてくれた人たち以外にも、これを機会にシュノーケルを知ることができる作品を作らないといけないなっていうのはありましたね。だって、僕らがデビューしたころのCDを、小学生のときに聴いてた子が結構な大人になっていたりしますからね。そうことにも、まあまあショックを受けながら(笑)。

山田:そうそう(笑)。びっくりするよね。

西村:僕ら、そんなにやっていたのかっていう。

-今回はすごくいい意味で大人になったポップ性を極めたところと、昔のシュノーケルが持っていた突っ走っている青臭さの両方が入っていますね。

西村:その両方を、極端にやりたいなと思って。テーマとしても、自分の中でザラっとした歌詞を書きたいなと思ったんです。ちょっと恥ずかしいくらいのもの、裸を見られてるくらいのものを。サラサラした砂じゃなくて、ジャラジャラした水分を含んだ砂というか。そういう耳から抜けていかない言葉を書こうと思うと、正直に歌うことが1番かなと作っていきましたね。青臭さは、極端に出ていると思います。