Japanese
シュノーケル
2015年12月号掲載
Member:西村 晋弥(Vo/Gt) 香葉村 多望(Ba) 山田 雅人(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-1番大きいのは当時、こんなに恋愛の歌を書いてなかったと思うんですよ。
西村:書いてなかったです。そういうのも照れだったんでしょうね。今回はまっすぐに書いた方が届くかなということは、考えながらやりました。
-ええ。きっとこの青臭い恋愛の歌も、今だから歌えるんだろうなという説得力はあります。
西村:そうですね。全部、最近ほんとにあった話ですから。
山田:最近できた曲は、全部最近のことで(笑)。
西村:それがなかったらこのアルバムはできなかったかもしれないというくらい(笑)。
-ああ、それほどに切ないことが(笑)。
山田:切ないねえ(笑)。
西村:このアルバムはもうどういう気持ちで聴いていいかよくわからない、僕は。
山田:今、いろんな話をするようになっているので。歌詞を見て、ああ、あの話なんだなあって(笑)。それを3人でちゃんとやれるのが面白いんですよね。ソロでやればいいじゃんとも思わないし。
香葉村:そうだね(笑)。
-このまっすぐさが、サウンドにしてもメロディにしても、さらに濃さが加わっているからこそ、深みあるものになっているんだと思いますよ。
西村:それはあるかもしれないですね。結構、今までにない作り方をしてもいるんですよね。もともとは僕が作ったデモをふたりに渡して、そこから作るやり方だったんですけど。このアルバムの前に、シングルで「RESTART/FIND」(2015年5月リリース)を出したんですけど。今回のアルバムにも入れたTrack.4「RESTART」は、僕の弾き語りからそれぞれにアレンジをしてもらって。そのアレンジを聴いたとき、ふたりはこの5年間無駄に過ごしてなかったんだなって思って。
山田:そう思ってもらえたら。
西村:カバちゃんなんて久々にベースを弾いたんでしょうけど、いろんなものを聴いてきたんだろうなっていうのが感じられるような、僕からは絶対に出てこないフレーズがあって。まっさらな状態からだったから、ここまでふたりの色が出たんだろうなって思いますね。どうして復活第1弾で、これまでやったことない方法でやってるんだろうとは思いましたけど(笑)。結果、すごくいいものができた。この方法でやったからこその仕上がりになりましたね。
-香葉村さんはあまりベース弾いてなかったんですか。
香葉村:全然です。休止して1年くらいは弾いていたんですけど、やめちゃいまして。大事に押し入れにという感じだったんです。でもなんとなく生活の中で、"あの人、シュノーケルの人だよね?"って気づかれたりして。"ボランティアとかやらない?"って誘いがあって、なんとなくボランティア・バンドに入ってベースを弾き出したころに、ちょうどシュノーケルやろうよっていう話がきたんですよね。そんなに弾けないよっていう気後れはあったんです(笑)。タイム感にしても、昔は毎日クリックを聴いていたけど、もう何年聴いてなかったし。でもさっき西村が言った通り、この3人でなら合うんですよね。僕はきっと、よそでは全然弾けない人にはなっているんでしょうけど。ここならやれるし、ふたりも合わせてくれるし。西村は、言いたい放題言っても、怒らないので。
西村:そうそう、気は優しくて力持ち――力持ちではないか(笑)。
-山田さんはずっといろんなところでドラムはやっていましたよね。
山田:そうですね、やっていました。やってましたけど、シュノーケルの曲は難しいなって改めて思いましたね。何が難しいかよくわからないんですけど、とにかく難しいんですよ。
西村:音の幅が広がって、もっといけるぜっていう感覚があって。なのでより雅人にも求めるものが大きくなっているところもあるかもしれない。
香葉村:最近、リハで言ってくることが意味わからなくなってるからね(笑)。"もっと、春が来た感じで!"とか。出会ったころに戻ってる。西村と18のときに出会って、ワーッとやってる感じなんですよね。
西村:そこにテクニックが勝手にのっかってきているっていうかね(笑)。
香葉村:前はなかなかやりたいことにベースも考え方がついてこなかったので、一生懸命そうなろうとして背伸びしていたんですけど。今は大人になれたのでそのままでバカなことをしても、形になるんだよね。
山田:たしかに。それは1番変わったことかもしれない。
香葉村:すごく楽しいのでスタジオ入りたいなーって思うんですよ。
山田:ライヴもそのぶん、よくなったと思いますし。
-どこか力の入れどころが違ったんでしょうね?
西村:そうだと思いますね。
香葉村:何かになりたかったというかね。"シュノーケルってかっこいいんだ"っていうことを表現したいと強く思っていたんです。でも今はもう、俺らは俺らだしっていうことを受け入れて、それが正直に表現できたら伝わるっていうことにも気づいたんです。それはまず俺らが楽しんでやれば、聴いている人にも楽しんでもらえるものになるし、それがダメだったらそういうことだなって思って(笑)。
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