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LIVE REPORT

Japanese

シュノーケル×LIVEHOLIC presents 波風立てないと!!THE FINAL

Skream! マガジン 2019年03月号掲載

2019.01.27 @下北沢LIVEHOLIC

Writer 吉羽 さおり

シュノーケル自主企画イベント"シュノーケル×LIVEHOLIC presents 波風立てないと!!THE FINAL Supported by Skream!"が、ゲストに東京カランコロンを迎えて開催された。約1年にわたって行ってきたこのイベントも、今回が最終回。ゲストとなった東京カランコロンは、シュノーケルの西村晋弥(Vo/Gt)が地方公演に足を運ぶほどのファン。東京カランコロンいわく、Twitterなどでよく自分たちの曲を好きだと言ってくれている人がいるのは知っていたが、その人がまさかシュノーケルの西村だったとは思っておらず、あるときツアー先のライヴでふらりと楽屋にあいさつに訪れた西村に驚いたというくらい、西村がいちファンとして追い掛けてきたバンドとの共演だ。イベントのファイナルにしてあり余るほどの愛を炸裂させた一夜となった。

またこの日は、シュノーケルのキーボード・サポートを務めるつるうちはなが、オープニング・アクトとして登場。今年35歳にしてメジャー・デビューを果たすつるうち。"シュノーケルにちょっとわがままを言って、新人の気持ちでO.A.=お通しアクトやらせてもらいます!"と、「ぶっちぎって光」からエネルギッシュに、現代をタフに生きる女性の、図太くも繊細な心を鍵盤と歌(と爆笑MC)に込めてフロアを大いに沸かせてくれた。

続いては東京カランコロンの登場。"準備はいいですか、下北!"といちろー(Vo/Gt)が声を上げ、大きなシンガロングを巻き起こす「カラフルカラフル」でロケットスタートを切ると、スピード感のある「トーキョーダイブ」ではせんせい(Vo/Key)といちろーの美ハーモニーで加速する。この日が2019年第1弾のライヴということで、エネルギーが満タン。かみむー氏のダイナミックなドラミングと、軽快なおいたんのギター、グルーヴィな佐藤全部のベースで「Do you?」をスタートすると、フロアは高く手を掲げハンドクラップ。いちろーはタンバリンでそれに応戦して晴れやかな一体感が会場を包み込んだ。西村が東京カランコロンファンになったのは、この音楽を聴くだけで元気になれるところだという。音符や音、歌に笑顔の素が練り込まれているようで、また何度繰り返しても解けることがない魔法のような多幸感や陶酔感があるポップスは、彼らの最大の魅力だろう。そのなかで、ひねくれていたり、お茶目だったり、シリアスだったりといろんな表情を見せてくれるライヴで、中盤はダンサブルな「MUUDY」からセンチメンタルな「サヨナラ バイバイ マルチーズ」をうっとりするような歌で響かせる。MCでは招いてくれたシュノーケルへの感謝を伝え、わざわざチケットを買ってライヴに来てくれる西村について嬉しそうに語る。キャリアの違いを超えて両者が純粋に音楽ファンとして交流をしている感じは、なんとも微笑ましい。そして「ユートピア」からスタートした後半は、ぐっとグルーヴの強度を上げてフロアを揺るがしていく曲を連投。「ビビディバビディ」から「true!true!true!」と縦横に伸縮するビートで躍らせると、ラストは「どういたしまして」の極上ポップで締めくくった。

最高のバトンを受け取ったシュノーケルのステージだが、開始前から西村は東京カランコロンの物販前でお買い物中。"これは持ってるしな......"とかぶつくさ言いながら何やら購入している。この日を一番楽しんでいるのは、きっとこの人だ。つるうちはな(Key)、岡 愛子(Gt)をサポートに迎えた5人編成のライヴは「RESTART」で幕を開け、"あけましておめでとうございます、シュノーケルです!"(西村)という言葉から「取り憑くトリック」へとロックな2曲をガツンとフロアに見舞うと、ファイナルを迎えたこのイベントについて語る。大好きな東京カランコロンと対バンできた喜びを"みんな、続けていれば夢は叶うんだぜ!"と西村は語り、"今日は僕もチケット代払って帰ります"と笑顔を見せる。KABA_3(Ba)も山田雅人(Dr)も思わず笑ってしまうくらい迸っている西村。このあとのMCパートでも東京カランコロンへの思いが止まらぬゆえ"今日の打ち上げめんどくさそうだな"、"そんなに好き好き言ってると嫌われちゃうよ"とKABA_3にたしなめられるほど。しかしながら、はしゃぎながらも、そこはミュージシャンとしてのいいプレイで返していくライヴとなっていて、フロアのファンもこの特別感のあるステージを前のめりで受け止めている感じだ。「旅人ビギナー」、「factor」とグッド・メロディでフロアに掛け声を上げさせ、4thアルバム『popcorn labyrinth』収録の名曲「理由」を丁寧にまっすぐに響かせた。

中盤は「奇跡」、そして"いいじゃん"のシンガロングが巻き起こる「いいじゃん」の爽快なロック・チューンを連投すると、後半は"ここからはガンガン行くから"(西村)と「たらればカレードスコープ」、「bug」、西村とKABA_3の早口ラップで攻めていく「NewPOP」、イントロに歓声が上がりフロアが拳を掲げて盛り上がる「solar wind」と、カラフルなセットリストとカラフルなバンド・アンサンブルで締めくくった。

アンコールでは、いちろーにのみ伝えていたという東京カランコロンの「指でキスしよう」をサプライズでカバー。"いやぁ、歌っちゃったよ"とホクホクしている西村のもとに、いちろーとせんせいがケーキを持って登場し、1月21日に誕生日を迎えた西村にサプライズ返し! せんせいからは"シュノーケルの「指でキスしよう」最高でした。(曲を)あげます"なんていう言葉も飛び出して、アンコールも賑々しい。そしてラストは、このイベントのタイトルのもととなっている「波風サテライト」をプレイ。"2019年もつるうちはなと東京カランコロンとシュノーケルをよろしくお願いします"(西村)と言ってイベントのファイナル公演を笑顔で終えた。イベントのホストであるけれど、気張らずに最初から最後まで音楽を愛し、バンドを楽しむ彼らの人柄が映った"波風立てないと!!"。またどこかで開催されることも期待したい。

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