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INTERVIEW

Japanese

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2015年07月号掲載

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Member：MC いつか　DJ ゴンチ

Interviewer：天野史彬

－だから、今までに比べて聴いたあとに残る感覚がすごく優しいんですよね。

いつか：あ、ありがとうございます。優しさ、出ました（笑）。自分では、優しさを出そうというよりは、聴いて共感してくれる人が"ほんとムカつく！"みたいな感じで終わるんじゃなくて、"あ、本当はそういう面もあるんだな。なら、少しは歩み寄れる気がする"って思ってくれると1番嬉しいなって思ってて。やっぱりイライラして終わるより、笑って終れる方がいいじゃないですか。私は、それを希望としているので。悲しくなったり、モヤモヤして終わらないようにリリックは書いたつもりです。

－今までも、社会的に報われていない人とか、疲れている人の背中を押すような言葉を書くことは、いつかさんは意識されていたと思うんですよね。でも、今までは周りを攻撃することで背中を押そうとしていたのが、今はいろんなことを許容することで背中を押そうとしていますよね。

いつか：そうなんですね......うん。でも、そうだとしたら嬉しいです。私が嬉しい（笑）。ちょっと大人になった感ありますよね。

－ゴンチさんは、いつかさんの歌詞の変化って感じたりしていますか？

ゴンチ：そうですね。今回はコンセプト・アルバムっていう面があったので、1曲1曲が物語みたいな曲が集まったなっていう印象がありますね。あとは、鋭く言っているけど優しいというか、救いがあるというか、楽になれる部分も随所にあるなって思うから。そこは今回のアルバムの特徴なのかなって思います。

－コンセプトって、何かおふたりで話して決め込んでいった部分があったんですか？

いつか：いや、私が決めました。タイトルそのままなんですけど、"OLest"――"OL最上級"っていうことで、小さい焦点にすると、さっきも言ったように、女性の中には、こういうことを口には出さないけど、思っていたり感じていたりする人が多いんじゃないかっていう。今回は、そこに刺したかったんですよ。まぁ、女性じゃなくても男性でも同じように感じる方はいるかもしれないし。今、私たちにできることはこういうことじゃないかなって思うので。

－今の、社会の中での女性の在り方について、何かを強く思ったりすることはありますか？

いつか：いや、女性が優遇されていないとか、そんなことは思わないんですけど。ただ、私の身に起こっていることは他の会社でも起きていることなんだって、友達と話をしたりしても思うんですよ。それをどうにかできる解決策って、明確なものは基本的にないじゃないですか。でも、それをいかに解決したふうに見せるかというか......結局、気の持ちようだと思うんですよね。自分も含め何かを感じている方が、"でも、最終的に全部ギャグだよね"みたいな感じに思えると、仕事も苦にはならないかなって思えるので。そういうアルバムにはしたかったんですよね。

－これまでも、女性の立場を意識したり、女性だからこその言葉っていうのは出てきていたと思うんですけど、女性に対する刺さり方とか、特にこういう部分は響いているなって感じたりしたことはありましたか？

いつか：いや、あんまりないですね。やっぱり、まだライヴに来てくださる方は男性の割合の方が多くて。これが9割方女性になったら面白いなって思うんですけど。みんなで旗を持って暴動みたいになると、光景としては面白いなって（笑）。だからやっぱり、今はもっと広げていきたいですね。より多くの人に届くといいんですけど。

－Track.3「マメマメBOYがさつGIRL」はカップルを題材にした、いわゆるラヴ・ソングだと思うんですけど、こうやってお互いがお互いの足りない部分を補い合いながら生きている感じが、すごく普遍的だし、素敵だなと思ったんです。

いつか：ありがとうございます。これは、普通は立場的には逆だと思うんですよね。一般的な考えとしては、マメな女の子、がさつな男の子、みたいな。でも、逆があってもいいよなって思って。これはフィクションなんですけど......ただ、ゴンチががさつっていうのもあるんですけど。

ゴンチ："マメマメBOY"は、私の理想像でもあります（笑）。

－なるほど（笑）。でも、この曲で描かれている、人と人がお互いを支え合う感覚っていうのは、このアルバム全体に描かれているものでもあると思うんですよ。人にはそれぞれの立場があって、それぞれ思うところがあったり、やらなきゃいけないことがあったり、嫌い合う部分もあるかもしれないけど、でもそれが重なり合って社会は回っているんだっていう。

いつか：うんうん......ありがとうございます。