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INTERVIEW

Japanese

Kidori Kidori

2015年06月号掲載

Kidori Kidori

Member:マッシュ(Vo/Gt)

Interviewer:石角 友香

-じゃあ渋谷系を再評価して取り入れてる人たちとは、シティ・ポップへの視点が違うんですね、

うん、たぶん違う。なんかほんとにね、最近の人たちがどういう思想で音楽やってるのかも知らないし、なんならバンドも知らない、勉強不足なんですけど。

-今年はバンド・シーンでceroも存在感を増してきてますし、彼らにはオザケンのオマージュ的なもの感じるけど。

うんうん、そうですね。ceroはたしかにオザケン的な感覚は聴いてて思うのと......90年代感がすごくあるというか。

-だからそう考えるとKidori Kidoriの存在も面白くて、そことのあいだに壁ができたらすごくイヤだなと思うんですよね、いろんな人に広がる可能性を感じるので。

ありがとうございます。僕自身すごくイヤなんですよ。"かっこいい"とか"いいな"と思ったバンドとやりたいし。なんかある括りで見られるのがなんかどうも好きじゃないというか。なんかそれゆえに実体が掴みづらい存在ではあるんですけど。Kidori Kidori的にはそういうのは見境なくこっちから壁は絶対作らないから、もしもこれを読んでいる人がいたら対バンしたいなと思います。

-そしてどの曲も音数が絞られていることも聴く楽しさのひとつで。マッシュさんのギター・サウンドはギター選びから始まっていると思うんですけど(笑)。これは好きな人は相当好きな音だと思います。

ありがとうございます。そうなんですよ。僕ら実体掴みづらいゆえに、こう、パッと手に取りづらいかもしれんけど、わりと底なしなんで。"なんでも好き"っていう言葉が1番乱暴なのは知ってるんですけど、なんでも好きなんで。要は今のバンド全体?フェス・ロックみたいなものだとか変におしゃれなヤツらとか関係なく、僕が使っているギター使っているバンドは見当たらないんですよ。ちなみにグレッチのいわゆるベンジーさんとかが使ってるヤツじゃなくて、78年から3年で廃番になったソリッド・ボディです。

-いないですよね。

そうそうそう。て、いうところでのこだわりみたいのもあるし。でも藤原さんとやっていて思ったんですけど、藤原さんは機材にまったくこだわらない人で、僕の方が詳しいんですよ、ベースの機材のこと。でも、藤原さんがベースを弾けば藤原さんの音になる、それが1番大事やと思うから。それも踏まえて、僕は僕しか使わないような機材を使う。このバンドは言うたら地球がドラム、波はベース、で、サーフ・ボードがギターでヴォーカルがサーファーだとすると、僕は言わばサーファーとサーフ・ボード担うところなんで、1番目につくというか、音楽的には耳が行くところなんで、他のバンドとは違う音が鳴っているっていうのは面白いところなんではないかな?と思っています。

-余談ですけど、世界とこの日本でのALABAMA SHAKESの売れ方の違いとか感じませんか(笑)?

(笑)でもまぁまぁ売れてるんじゃないですか?

-最近の洋楽では売れている方でしょうけど、ああいう吟味された音しか鳴ってない感じと似たものをこのアルバムには感じる。

そうそう、そうなんですよ。

-そういう体験をこのアルバムから始める人もいるんじゃないかな?と思って。

ありがとうございます。アラバマ・シェイクスは1st聴いたとき、すげぇの出てきたなと思って。でも今回の方がもっとすごいけど、言うたらあそこで終わるバンド......なんか偉そうな発言したけど(笑)。

-ははは。

なんかあれだけになっちゃうんかな?と思っていたけど、ブラッシュアップされて帰ってきたから、"そういうことだよ"と思って、今回の僕らアルバムと親和性みたいなものを勝手ながら感じて、そう、ブラッシュアップです。よりバンド・サウンドに関しても洗練されてるし。なんせギター、ほとんど歪んでないっていうのが僕の中で大きくて。僕らわりと"ソリッド"とか、そういう形容詞がよく付いてたんです。言うたらギターがよく歪んで鋭いフレーズを多用するというか。なんせリフが大好きなバンドやから、いわゆるギター・リフ、ギター・イントロ始まりの曲が多くて、余計そういう印象が加速したようなイメージがあるんですけど、今回はそうじゃなくてメロディと歌詞が1番大事で、それを彩るようなものとしてギターがある感覚というか。なんかギター/ヴォーカルって結局、ヴォーカル・カテゴリーじゃないですか。で、ギター自体は評価されない。で、僕はずっとそれが嫌で。僕はギタリストでヴォーカルだって、どっちも100・100の気持ちでやっていたんですよ。ゆえにギターも主張がしたいっていう。でもギタリストの僕も成長して引き算ができるようになったというか。歌を立たせたい、歌のシーンを作りたい、聴こえるものから見えるものにするまでっていうのが僕のテーマなんで、そのひとつの作用としてギターが存在するって自覚が出てきて。だからより楽曲が洗練されたんじゃないかなぁ? というのはそういう部分で感じます。ま、ボケてるんだか洗練されているんだかって話なんですけど(笑)。

-ボケと洗練は両立するんじゃないですか?

そっか。じゃ成立しています(笑)。

-ところで、住民票も東京に移したんですか?

そこはね、まだなんです。まぁどこに住んでもいわゆる政府だったりとか、そういうとこに怒りの矛先向きがちですからね。

-でも、しばらく東京に住んだら怒りの中身が明確になると思いますよ。

そうなってくるとまたそういうところの歌が作りたくなると思うけど。でもなんか今のモード的には、それさえも上手にやるんじゃないかな?っていう。今回、わりと自然にできたテーマではあったけど、ユーモアみたいなものは昔からアルバムの中で1曲は入れたいなと思ってて。そういう目線というか余裕というか、そういうものを持っておく必要があるんだなと。じゃないと、またね?気持ちがブーストされてしんどい思いをするなっていうのは自分でも思うし。やっぱりユーモア言えるっていうのは余裕があるからであり、自分を客観視できているからというところで。なんかそういう余裕をもっていきたい、ユーモラスにいきたいっていうふうに今、僕は思ってるんで。決して順風満帆に"次、武道館です"とかそういうバンドじゃないから。常々、生活的な余裕とか、いろいろ欠落しているところはあるんですけど、結局はどこに視点を置くか?そここそがやっぱり重要なんだというのは、このアルバムを作って自分でも発見したことだし、常々生きていて自分でも思うことなので、今はそういう感じかなっていう感じです。