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INTERVIEW

Japanese

Kidori Kidori

2015年06月号掲載

Kidori Kidori

Member:マッシュ(Vo/Gt)

Interviewer:石角 友香

-3拍子って、ソウルで言うと60年代のコーラスグループのFOUR TOPSとか、そういうビートを参照しているのかな?と思ったんですが。

そうそうそう。これは実際、ブラック・ミュージック的なことをやってみようというアルバムで。僕自身、ブラック・ミュージック、そこまで詳しくなくて、ロック小僧だったんで。でも、"ブラック・ミュージック"っていっても、広いじゃないですか?ジャズもあるし。

-この曲に関して分析してみると昔の黒人コーラス・グループ、スタックス系とか、そういうふうに解釈するとすごくわかりやすかったです。

よかったです。大正解です(笑)。なんかね、今回、そういうヴォーカル・グループものとニューオリンズ・ファンクものがマイブームで。

-たしかに。セカンド・ラインのビートの曲もあるし。

すげぇ!そうなんですよ。それで、そういうメロディと日本語のJ-POPとの親和性みたいなものを感じて。僕らの世代のJ-POPなんですけど、すごくブラック・ミュージックだったんだなぁと思って、モーニング娘。とか。だからそういうところからなんとか自分なりに解釈を探して、いろいろサビ以外のところを作っていったって感覚ですかね。

-なるほど。「なんだかもう」って曲は"全部乗せ"みたいな曲じゃないですか。ソウル、そこから派生したイメージとして今年、シティ・ポップと呼ばれる音楽が台頭してきてますし。

(笑)そうですね。

-そういうものも感じるし、70年代の日本語ロック、まぁはっぴいえんどからの影響を今の20代の人がやっていたり。解析すればするほどいろんなものが乗っかってるなって(笑)。

で、ちゃんと乗っけられたなと思ってて。まぁ、これはね、実際マニアックな話に若干なってくるけど、まずその3拍子で四つ打ちの解釈、リズムのところからきて、"なんだかもう、なんだかもう"っていうリフレイン、で、そのディスコってことでブラック・ミュージックの親和性がどうしても必要になってくる。でもリズムというだけディスコになるのも変な話だしというので、なんとかこう、ボサノヴァと合体できないのかな?と思ったんですよね。

-コード感で?

コード感で。で、ボサノヴァってコード進行が複雑というか難しいんですけど、すごくもっと切り詰めてシンプルに見ていくとシティ・ポップっぽいんですよね。

-それはシティ・ポップがボサノヴァのコード感を取り入れてる曲が多いからでしょうね。

そうです(笑)。だからそういうところでシティ・ポップ感が出たなとは思うし。それが相まって、黒人音楽独特の都会感みたいなものも出せたなとは思ってて。んで、なんせ今回、テーマ"サウダージ"なんで、このままじゃ"シティ・ポップに食われるな"と思って......。

-食われたらKidori Kidoriの曲にならない?

そうそう、食われたらダメで。最後のサビ前のところで、サンバっぽいメロディを入れてっていう感覚ですかね、ボサノヴァ感......(笑)。そう、"全部乗せ"です、これは。僕自身は近頃のシティ・ポップの人たちっていうのはどういう人たちなのか、ちょっと勉強不足でわからないんですけど。もちろん、シュガー・ベイブは好きだし、はっぴいえんども強烈に好きなので、ま、そういうところからの影響は半端なく出てるのかな?と。意識的にやったつもりはまったくなかったですけど。

-シュガー・ベイブ、はっぴいえんどの影響は曲はもちろん、松本隆さんの書く歌詞、"あれは歌詞なのか?小説じゃないのか?"みたいな雰囲気も感じましたけど。

歌詞ね。でも歌詞はね、僕、はっぴいえんどの人たちで言うと細野晴臣さんがたまらなく好きで、ポスター貼ってるぐらいなんですけど(笑)。

-細野派なんですね。

そうですね。次のテーマはそこから脱することなのかなと思うぐらいに、僕のエンジンであり、初めて聴いたときにすごくわかるというかハマるというか。

-細野さんは最初、何を聴いたんですか?

はっぴいえんどは一応、『風街ろまん』から聴いたかな?人に勧められて。で、もともと僕、ロックにハマる前、ポップスでPUFFYがとんでもなく好きだったんですよ。

-ということは奥田民生イズム?

そうですね。そういうちょっとしたおとぼけというか。そういうものがたぶん僕、すごく好きで。いっぺん"それなんでかな?"と考えたときに、僕、生まれがイギリスなんですけど、UKモノってすごくボケてるじゃないですか。XTCしかりだしBLURもそうだし、言ってしまえばTHE BEATLESも結構とぼけてるし。

-とぼけてる自覚はないでしょうけどね(笑)。

そうそう(笑)。なんかそういうものが好きで、僕もそういう人間なんだろうというふうに思っていて。今回とぼけてやろうとかまったく思わずに、むしろなんとかかっこよくもしたいし、伝わるもんにもしたいと思ったんですけど、作ってみて結構ボケてるなぁって思ったし(笑)。なんかそういうところがしっくりくるというか。そういうのが僕の中のはっぴいえんど観ですかね。