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INTERVIEW

Japanese

モーモールルギャバン

2017年06月号掲載

モーモールルギャバン

モーモールルギャバン

Official Site

メンバー:ゲイリー・ビッチェ(Dr/Vo) ユコ=カティ(Key/Vo/銅鑼) T-マルガリータ(Ba)

インタビュアー:沖 さやこ

モーモールルギャバンの約2年ぶりのフル・アルバム『ヤンキーとKISS』は、前作『PIRATES of Dr.PANTY』と同じくデモ音源を生かしたアレンジメントで制作されたという。2016年秋から2017年初頭まで全国15ヶ所で開催されたツアー"襲来 ~Let's go UTOPIA~"で演奏されてきた「AKABANEの屍」を筆頭に、ゲイリー・ビッチェの赤裸々な本音が並ぶ、並ぶ。シンプルで直球な心情吐露には、悩める10代、20代、30代へのメッセージも込められていた。

-『ヤンキーとKISS』の1曲目、「AKABANEの屍」は昨年から今年にかけて行われた全国ツアーでも披露していらっしゃいましたよね。

マル:ツアーを回りながらプリプロをしていて。

ユコ:そうだね。ツアーしつつ、曲を詰めつつ。

ゲイリー:『PIRATES of Dr.PANTY』(2016年リリースのミニ・アルバム)をリリースしたあと、ワンマン・ツアーで5曲くらい新曲をお披露目できたらいいなー......と思って曲作りをしていたんですけど、間に合わなかったですね(笑)。

-いやいや(笑)。ツアー・ファイナルでは「AKABANEの屍」だけでなく「異邦人」(Track.7)と「夢ならば覚めてくれ」(Track.9)も披露していらっしゃったし、5曲はストイックですよ。

ゲイリー:人前で演奏していった曲は、レコーディングするときの音符の置き方に迷いがなくなるんですよ。"アレンジこれでいいのかな......?"と迷いながらレコーディングしたものは、音に出ちゃうんですよね。それを極力排除したかったから、ツアーで新曲をたくさんやりたかったんですけど――我々もおっさんになっただけあって、そんなに演奏してない曲をレコーディングでここまで本気で演奏できるようになって。そういう発見もあったので、別にライヴでやってこなくてもよかったかなって。レコーディング・スタジオで迷いのない演奏ができたので、"やべぇ~、俺上手くなっちゃった!"みたいな(笑)。

ユコ:プリプロの期間で曲を詰められたので、それも大きかったよね。

マル:うん。そうだね。

ゲイリー:私はプリプロが、自分のことよりも"ユコさんそのキーボード、ちょっとどうなの?"みたいな感じの、人のことで手いっぱいで、あまり自分のことをできなかったんですけど。

-では今作も前作同様、ゲイリーさんがアレンジの主導権を握るかたちが取られた?

ゲイリー:僕はアレンジよりは言葉、メロディ、ドラムのかっこよさを追求したくて。全体のバランスを見ることにあんまり興味がない、"俺の出す音がかっこよければそれでいい"みたいなナルシストな人間なので、本当はアレンジの主導権を握りたくないんですよ(笑)。でもやらざるを得ない状況ではあったので、ある程度はやりました。とはいえ集中していたのは"恥ずかしくない歌詞を書いて、恥ずかしくない歌を歌って、恥ずかしくないドラムを叩こう"ということだったので、もしかしたらアレンジが雑かもしれないです(笑)。アレンジが若干後回しになったとしても大事なのは曲だし、人が一度にできることは4つくらいしかないんですよ。自分にとって、アレンジの優先順位はそれほど高くないことがバレなきゃいいな~と思って作ってました。

-ご自分でバラしちゃってますけど(笑)。では作り方的には昨年リリースされたミニ・アルバム『PIRATES of Dr.PANTY』と同じということですか。

ユコ:『シャンゼリゼ』(2015年リリースのフル・アルバム)までは私がアレンジを考えていたんですけど、『PIRATES of Dr.PANTY』からもともとのデモを生かしていこうという話になったので、今回も引き続きそのテーマを残し、且つ前回できなかったことをリベンジしてステップアップするという感じでした。

-ユコさんは『PIRATES of Dr.PANTY』でデモを生かしたアレンジを組むにあたり、"どうしたらいいかわからなくて迷走した"とおっしゃっていましたものね。

ユコ:得意分野だけで勝負していたところに、"君が疎かにしている部分にも目を向けなさい?"と言われたんだと思います(笑)。前回は探り探りでやっていって、そういう自分が消化できていない状態で"それがいい"と言われてもしっかりとは紡げなかったりして......自分的には情けない結果になってしまって。だから今回は"やってやんよ!"と臨んだんですけど、なかなか人は、できないものはできないし、そう簡単には変われないもので(笑)。

ゲイリー:ユコさんは好きなものを好きなように作って世に出すことしかできない超スーパーウルトラ不器用な人間なので、傍から見ていても大変そうだなー......と思って。だから、この人の中から出てくるいいフレーズを、ひとつでも多く盛り込むことにエネルギーを使おうと思いまして。ユコさんがのびのびとアレンジできる日を心待ちにしています(笑)。早くやってよ、アレンジ(笑)!

ユコ:私はどうしても"こうした方がもっと良くなる"と思って、デモから変えたくなっちゃうんですよね(笑)。そうではなくデモの良さを生かしてどういいものを作っていくか......そこと向き合って悩む作業は前回に引き続き、でした。とはいえ『PIRATES of Dr.PANTY』よりは気に入ったフレーズをたくさん盛り込めたかなと思っています。「OTOMI」(Track.10)とかで羽目を外した感じが出てるかな(笑)。この曲はデモにキーボードが一切入ってなかったので、キーボードは聴いて感じた音を弾くだけという。