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INTERVIEW

Japanese

コレサワ

2016年10月号掲載

コレサワ

インタビュアー:松井 恵梨菜

"ポップ"を信条とし、前作『女子、ジョーキョー。』では"女子"をテーマにしたコンセプチュアルな作品で、多くのリスナーの心を掴んだシンガー・ソングライター、コレサワ。今回完成させた3枚目のEP『ジエイポップ』は、元ふぇのたすのヤマモトショウをアレンジャーに迎えた楽曲あり、長年ライヴでのみ披露してきたロック・ナンバーありと、枠にとらわれない奔放さが彼女の魅力をより輝かせている。そして、以前にも増してカラフルになった楽曲の真ん中にあるのは、誰もがそれぞれ心の中に持っている"宝物"。これまでのコレサワをそのまま曲にした"ジエイポップ"をぜひ体感してほしい。

-昨年12月に前作の2nd EP『女子、ジョーキョー。』をリリースされてから現在に至るまでの約9ヶ月間は、どんな期間でしたか?

前作を機に女の子のお客さんが増えたのと、nana(※ユーザー同士が音楽でコラボレーションできる投稿型スマホ・アプリ)とコラボして、自分の曲をカバーしてくれる人が増えました。あと、ワンマン・ライヴ(※2月18日に渋谷WWWにて開催した"コレシアター 02")ができたのもよかったですね。渋谷WWWでライヴをやってみたいとずっと思っていたので、それが叶って、お客さんも満員で何より嬉しかったです。

nanaとのコラボ企画はいかがでしたか?

3,000件くらい応募があったんですよ。歌ってもらえるだけでも嬉しかったんですけど、みんなちゃんと自分の個性を出してくれていて。最優秀賞の方とは一緒にライヴもやれて(※4月3日に渋谷CHELSEA HOTELにて開催した"nana×Skream! presents コレサワ SPECIAL LIVE")、すごく楽しかったです。

-先日、コラボ企画第2弾もスタートしましたが、今度の最優秀賞の方はコレサワさんと一緒にレコーディングができるんですよね?

そうなんですよ! どんな感じになるんですかね(笑)? それも楽しみです。ぜひ応募してほしいです。

-そして今作のEP『ジエイポップ』ですが、これまでも"ポップ"を大事にされてきた方が、"ポップ"というワードをタイトルに含んだ作品をリリースするということがすごく意味深いなと思いました。

これは読み方が"ジェイポップ"ではなく"ジエイポップ"なんですよ。私はずっとJ-POPを聴いて育ってきて、今は"J-POPアーティスト"という括りに入ってると思うんですけど、J-POPの"J"ってなんだろうと考えたときに、自分たちの職業って自営業だなと思って。自分で音楽を作らなきゃいけないし、会社から言われたことをこなす仕事じゃないので。それで、本当は"JAPAN"の"J"ですけど、私の中では、自営業の"J=ジエイ"だなと思って、"自営ポップ=ジエイポップ"というタイトルにしました。

-そこにこだわりがあるわけですね。音楽性としては、今回もやはり"ポップ"を打ち出していますね。

はい。ポップが一番親切だと思うので。例えば、看板や広告ってわざわざ難しいことを書かないじゃないですか。曲もそれと同じように、私はわかりやすい音で、わかりやすい言葉で伝えたいことをうまく言いたいなっていう考え方なんです。だから、ポップは変わらず大事にしています。

-そんな中でも、今作はサウンド面においてやりたい放題な印象があったのですが、どういう作品をイメージして制作されたのでしょうか?

前回のEPは"女子"をテーマにしていたんですけど、今回はもともとコンセプトがなくて。今、CDで何を一番届けたいかを考えて選んだ5曲をギュッと入れたので、たしかに統一感はないかもしれないです。ただ、全曲に共通してるのは、"自分 対 誰か"を歌っていることと、自分が経験したことや、自分が思っていることを素直に書いた曲ということで、さっき言った"自分で営んだ曲たち=ジエイポップ"なんです。


自分の中のものを全部見せる必要はないから
お互いの一番好きなものはそれぞれ大事に持っていたい


-リード曲のTrack.1は正真正銘の"J-POP"というタイトルをドンと掲げていて、"私はJ-POPで戦うぞ"という強い意思を感じました。

まさにそういう感じでした。この曲が先頭を切って、このEPを引っ張っていってほしいなという思いもありましたし、今一番自分の中にある思いが詰まっているので、「J-POP」は特別な曲ですね。

-サビで繰り返される、"J-POPを聞かない"というフレーズはすごくインパクトありますよね。この言葉の背景にはどんな思いやエピソードがあるのでしょうか?

私はJ-POPを聴いて育ってきたけど、歌詞に出てくる"君"はJ-POPは聞かないっていうことを歌ってます。好きな人のiPodに私の曲が入ってなかったことがあって、ショックだったんですよ(笑)。でも、だからと言って関係が変わるわけでもなくて。音楽の趣味が合わないから性格が合わないわけじゃなくて、その人は単純にJ-POPを聞かない人なんだなって思ったし、それでも自分のことは好いてくれてる。お互いの趣味や好きなものは違っていても、それを大事にし合っているなら大丈夫だよねっていう曲なんです。自分の好きな人の好きなものもちゃんと大事にできる人でありたいっていう思いもあるし。でも、聴く人によって印象は違うかもしれないです。

-聴く人によって、音楽に限らずいろいろなことに置き換えられる内容かもしれないですね。歌詞に出てくる、"宝物"という言葉もキーワードになってるのではないかなと思ったのですが、いかがですか?

そこに気づいてもらえて嬉しいです! 自分の一番好きなものとか、根っこにある......人間誰だって、人には言わないようなこともあるじゃないですか。いくら仲の良い人でも、家族でも恋人でも、ここは踏み込んでほしくないなっていう部分って、きっとみんなそれぞれ持ってると思うんです。だから、自分の中のものを全部見せる必要はないと思っていて。お互いの一番好きなもの、根っこの部分は見せ合いっこせずに、そこにわざわざ踏み込んだりしないで、それぞれ大事に持っていたい。それに、本当に好きなものは誰かに評価されたくないし、けなされたくもないので、見せたくないっていう思いもあります。

-"全部見せる必要はない"というメッセージに、救われる人もいるんじゃないかと思います。この曲は二千花の野村陽一郎さんが編曲を手掛けられていて、メルヘンな仕上がりですね。

ギターと歌と簡単なアレンジのデモを陽一郎さんに渡したんですが、特に"こうしてください"とは言わなかったんです。陽一郎さんからは、"どういう音楽が好きなの?"とか、"こういうのどう?"って質問攻めにあったんですけど(笑)、単純に違う人と自分が一緒にやったときにどういう掛け算になるのかが楽しみでお願いしたので。曲を良くしようとすごく考えてアレンジしてくださって、とても気に入ってます。