Japanese
ASP
2024年09月号掲載
Writer :宮﨑 大樹
地下から地上へ這い上がっていく泥臭い物語
その生き様を通して心に爪痕を残す
昨年2023年の東京ドームワンマンで解散し伝説となったBiSH等を輩出したWACK所属の7人組ガールズ・グループ、ASPが、このたび日本武道館公演の開催とメジャー1stアルバムのリリースを迎える――彼女たちのことをよく知らない方がこんな一文だけを見ると、このグループの道のりはなんとも順風満帆に聴こえるかもしれないが、実際のところはそうではない。
ASPは2021年に行われた同事務所の合同オーディションの最終日にお披露目された。シーンにおいてすでに確固たる地位を築いていたWACKの新グループではあったが、彼女たちはいわゆるメジャー・レーベルからのデビューという形ではなく、自社レーベル"WACK RECORDS"からデビューをしている。デビュー後はリリースやライヴを精力的に行い地力を高めつつ、初期メンバーの脱退や新メンバーの加入を経て現在の7人体制になった。そして2022年の5月、Spotify O-WESTで行ったワンマン・ライヴ"ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR"でavex traxからのメジャー・デビューと、日比谷公園大音楽堂でのワンマン・ライヴ"ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR FiNAL - 一触即発 - CRiTiCAL SiTUATiONS"の開催を発表。グループはここから破竹の勢いを見せていくかと思えたが、先述の日比谷公園大音楽堂では"伝説を作ります"と意気込むものの最大収容人数約3,000人に対して客数が1,500人と苦戦をしてしまう。もちろんライヴの成否において動員数がすべてではないが、メンバーたちが悔しい想いをしたのは確かだろう。それでも、その悔しさを糧にしてASPは成長を遂げていく。地道に、ひたむきに活動を続けて"ならず者(※ASPファンの総称)"を増やし続け、1年後には再び日比谷公園大音楽堂ワンマン("But I Love You TOUR FiNAL -I can fly!!!!!!-")を実施。本公演を見事にソールド・アウトさせ、因縁の会場にリベンジを果たした。そして、この公演で発表されたのが、今年2024年10月8日に開催される日本武道館ワンマン[We are in BUDOKAN"The floor is all ours!!"]だ。
こうやってASPの歴史を振り返ってみて分かるのは、彼女たちは偉大な先輩グループのパワーで簡単にメジャー・デビューをしたわけではないし、右肩上がりのサクセス・ストーリーで日本武道館まで辿り着いたわけではないということ。彼女たちにあるのは、曲がりくねった道を進み、地下から地上へ這い上がっていく泥臭い物語だ。でも、だからこそ彼女たちのライヴは、彼女たちの音楽は、その生き様を通して観る者/聴く者の心に爪痕を残す。
そんな彼女たちが日本武道館の地で伝説を作るのか、それともあの急勾配の座席が高い壁となって立ちふさがってしまうのか。結果は神のみぞ知るところだが、もしその場に立ち会うことができたなら、彼女たちのパフォーマンスから滲み出る荒々しいロックンロールの魂が、パンクの精神が、あなたの何かになるはずだ。ちなみに、日本武道館公演のチケットを持っていると、現在回っている47都道府県ツアー"ASP complementation plan B"に無料で参加することが可能。残りの公演数は少なくなってきているのでお見逃しなきよう。
さて、そんな日本武道館ワンマンの前週、10月2日にリリースされるのがメジャー1stフルアルバム『Terminal disease of ASP』だ。本作は世のガールズ・グループのそれとは一線を画すものに仕上がっているのだが、これを実現できている要因としては強力なクリエイター陣のラインナップが大きい。
ASP / Hyper Cracker [LYRiC ViDEO]
ASP / Heaven's Seven [OFFiCiAL ViDEO]
インディーズ時代のASPは、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT やBLANKEY JET CITY等90年代ロック・バンドらへのリスペクトを感じさせる楽曲群と、あえてローファイに仕上げたと思われるサウンド感が特徴的だった。1つの転機としてメジャー・デビュー・シングル『Hyper Cracker』でハイパーポップを踏襲した新境地で魅せてから、彼女たちは楽曲の自由度を増していく。これにより、音楽制作に参加するクリエイター陣も必然的に増えていった。
ASP / I HATE U [OFFiCiAL ViDEO]
ASP / Black Nails [OFFiCiAL ViDEO]
メジャー・デビュー・シングル表題曲ではプロデューサー/DJのYohji Igarashiが楽曲プロデュース/サウンドメイクを、ODD Foot Worksの Pecoriが作詞を務めた。このタッグは、アップテンポな冬曲のメジャー3rdシングル表題曲「Heaven's Seven」も手掛けているだけでなく、さらに新曲「Tokyo Sky Blues」も提供しているのだが、この楽曲がとにかくカッコいい。ダンサブルな四つ打ちのビートに乗せるドープなラップ、キャッチー且つシンガロングしたくなるサビメロ、ダークでひりつくような上物と、全てにおいて隙がないのだ。既発曲では、メジャー2ndシングル表題曲「I HATE U」をLinna Figg(Vo)とKyazm(Gt/Mani)によるユニット"SATOH"がプロデュースし、5月にメジャー4thシングルとしてリリースしたばかりの「Black Nails」は、Age Factoryとラッパー JUBEEによるオルタナティヴ・ユニット"AFJB"がプロデュース。さらに新曲「darma」は、ジャンルレスな音楽性とジャムりながら作り上げるライヴ・パフォーマンスが特徴の、知る人ぞ知る鬼才バンド 鋭児が担当。加えて数々のアーティストのプロデュースを担当しているAxSxEが新曲「TOTSUGEKI!!!!!」に、新進気鋭のシンガー・ソングライター 友成空は「Anyway」と「Too young to get it, too fast to live.」の2曲に参加した。また、329による既発曲「NO COLOR S」と「I won't let you go」が、本アルバムでの彩りと作品性で果たす役割が大きいことも忘れてはいけない。特に「I won't let you go」のメロウな雰囲気は、アッパーな楽曲が多いアルバムの中で絶妙な存在感を放っている。これだけでも十分、いや十二分にすごい顔ぶれなのだが、WACKが近年海外志向にあることも影響しているのか、本作には海外アーティストも参加しているのが特筆すべき点だ。自身初の全編英語詞で歌唱している楽曲「MAKE A MOVE」は、イギリスの2人組ロック・ユニット、WARGASMがプロデュースし、メジャー1st EP『DELiCiOUS ViCiOUS』のリード曲でもある「TOXiC iNVASiON」は、同じくイギリスよりなんとあのTHE PRODIGYのMaxim(Vo/MC)が原曲提供(すごすぎる!)し、作詞作曲をPecoriが担当するというドリーム・チームにより制作されている。
ASP / NO COLOR S [OFFiCiAL ViDEO]
ASP / I won't let you go [OFFiCiAL ViDEO]
そんな強力な作家陣の個性が発揮されつつも、全体感として取っ散らかった印象がなく、アルバムとしてまとまっているところも本作の優れた点だ。メンバーの歌声に注目してみると、楽曲の個性に合わせて歌唱表現をチューニングしているところも、違和感なくアルバムを通して聴き続けることができる理由の1つなのだろう。そういった全ての要素が調和した結果、アイドル好きにも、アイドルに苦手意識がある人にも、邦楽好きにも、洋楽好きにも、広くオススメできる1枚に仕上がっている。
ASP / MAKE A MOVE [OFFiCiAL ViDEO]
ASP / TOXiC iNVASiON [OFFiCiAL ViDEO]
そんなアルバムのタイトル"Terminal disease"が"死に至る病"を意味するあたりは正直言って少し不気味......だが、本作を携えて開催するという意味でも、日本武道館公演への期待がさらに高まる。しっかり本作を聴きこんでから、九段下へ足を運びたいものだ。ASPの日本武道館ワンマンが伝説になるのか、ぜひその目で見届けてほしい。
▼リリース情報
ASP
MAJOR 1st FULL ALBUM
『Terminal disease of ASP』
【初回生産限定盤】CD+Blu-ray+PHOTOBOOK
AVCD-63606/B/¥13,750(税込)

【通常盤】CD
AVCD-63607/¥3,410(税込)

[avex trax]
2024.10.2 ON SALE
[CD]
1. TOTSUGEKI!!!!!
2. Hyper Cracker
3. MAKE A MOVE
4. Anyway
5. Black Nails
6. I HATE U
7. NO COLOR S
8. darma
9. I won't let you go
10. Tokyo Sky Blues
11. Heaven's Seven
12. TOXiC iNVASiON
13. Too young to get it, too fast to live.
[Blu-ray] ※初回生産限定盤
・2024.05.05 MARCH with ROGUES to BUDOKAN at Zepp DiverCity- Live Video
1. Heaven's Seven
2. 拝啓 ロックスター様
3. the MAN CALLiNG
4. いつでもふぁっきゅー♡
5. Tokyo Sky Blues
6. SEXUAL CONVERSATiON
7. ジャ・パ・ニーズガール
8. I HATE U
9. Blueberry Gum
10. PLEASE!!!
11. MAKE A MOVE
12. NO REASON
13. TOXiC iNVASiON
14. A Song of Punk
15. SAKEBE
16. Hyper Cracker
17. 拝啓 ロックスター様
18. Black Nails
19. M
・Documentary of MARCH with ROGUES to BUDOKAN at Zepp DiverCity
・"Black Nails" Music Video
・Behind the Scenes of "Black Nails" Music Video
[PHOTOBOOK] ※初回生産限定盤
2024.05.05 MARCH with ROGUES to BUDOKAN at Zepp DiverCity
▼ライヴ情報
[We are in BUDOKAN "The floor is all ours!!"]
10月8日( 火 )日本武道館 OPEN 17:30 / START 18:30
一般 ¥7,000 / STUDENT TiCKET ¥3,500(税込)一般発売中
チケットぴあ
- 1
LIVE INFO
- 2026.01.25
-
cowolo
Nikoん
"FUKUOKA MUSIC FES.2026 supported by Olive"
フラワーカンパニーズ
SCOOBIE DO
水曜日のカンパネラ
SPRISE
ぜんぶ君のせいだ
SPECIAL OTHERS
FIVE NEW OLD
くるり
キュウソネコカミ
ZAZEN BOYS
YOGEE NEW WAVES
クジラ夜の街
怒髪天
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mouse on the keys × Kuniyuki Takahashi
フィロソフィーのダンス
THE BACK HORN
菅田将暉
Chimothy→
- 2026.01.27
-
佐々木亮介(a flood of circle)×村松拓(Nothing's Carved In Stone)×蒼山幸子
吉井和哉
フラワーカンパニーズ
くるり
真山りか(私立恵比寿中学)
Nijiz
ネクライトーキー
- 2026.01.28
-
Nikoん
佐々木亮介(a flood of circle)×村松拓(Nothing's Carved In Stone)×蒼山幸子
KALMA / Maki / オレンジスパイニクラブ / PK shampoo
アーバンギャルド × 戸川 純
山本彩
ザ・クロマニヨンズ
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Nikoん
佐々木亮介(a flood of circle)×村松拓(Nothing's Carved In Stone)×蒼山幸子
THE LUMINEERS
山本彩
Awesome City Club
- 2026.01.30
-
Nikoん
go!go!vanillas
石崎ひゅーい
MAN WITH A MISSION / THE ORAL CIGARETTES / HEY-SMITH
KiSS KiSS
イイオルタナビ #005(ハク。 / First Love is Never Returned / FIVE NEW OLD)
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おいしくるメロンパン
MONO NO AWARE
Mirror,Mirror
くるり
NEE
YUTORI-SEDAI
indigo la End
- 2026.01.31
-
キュウソネコカミ
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クジラ夜の街
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吉井和哉
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YOGEE NEW WAVES
石崎ひゅーい
フラワーカンパニーズ
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怒髪天
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めいちゃん
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クジラ夜の街
ガラクタ
cowolo
日食なつこ / レトロリロン / Penthouse
橋本 薫(Helsinki Lambda Club)
East Of Eden
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怒髪天
KiSS KiSS
コレサワ
マカロニえんぴつ
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MY BLOODY VALENTINE
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フラワーカンパニーズ
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有村竜太朗
Nikoん
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AUTECHRE
ザ・クロマニヨンズ ※振替公演
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LiVS
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桃色ドロシー
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CENT
SOMOSOMO
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おいしくるメロンパン
the band apart
夜の本気ダンス
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橋本 薫(Helsinki Lambda Club)
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Mega Shinnosuke
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