Japanese
ASP
Skream! マガジン 2022年10月号掲載
2022.08.27 @日比谷公園大音楽堂
Writer 宮﨑 大樹 Photo by sotobayashi kenta
BiSHらが所属するWACKの7人組グループ ASP。8月31日にエイベックスからメジャー・デビューすることが決定している彼女たちが、その直前の8月27日、自身最大規模のキャパシティである日比谷野音(日比谷公園大音楽堂)にて、"ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR"を完走した。
ステージのバックドロップに掲げられたのは"一触即発"の文字。その言葉が表す通り、ヒリヒリとした1曲で幕を開ける――と思いきや、ステージに現れた7人は、"待ちに待った、野音ワンマン"(ナ前ナ以)、"野音ワンマン!"(全員)と、ナ前ナ以を軸に小学校の卒業式を思わせるシュールな開幕宣言を行う。ただ、そんなふうにおどけてみせてはいるものの、その中で"伝説を作ります"と、静かに闘志を燃やす姿は頼もしかった。
ライヴは「BE MY FRiEND」でスタート。のっけからハイテンションで走り出すと、「the MAN CALLiNG」でグンと加速し、畳み掛けるように「いつでもファッキュー♡」でラッシュを仕掛ける。彼女たちにとって野音は初の舞台だが、その光景は実に馴染んでいるというか、水を得た魚のようにすら思えた。
ひとりずつ自己紹介をしてから、マチルダー・ツインズが"今日はぐちゃぐちゃ考えないで、いろんなことを忘れて、踊って楽しんで帰ってもらえたら嬉しいので、私たちもぐちゃぐちゃ考えないで、今を最高に楽しみたいと思います! ならず者(※ファンの総称)と私たちの始まりの歌、聴いてください"と話してから「A Song of Punk」でライヴは再開。感情の深いところが引き出されるこの楽曲で、とりわけエモーショナルな歌声を野音に響かせた。ここまでは勢いのある曲を続けてきたが、いったんBPMを落として「DiVE」へ。ヘヴィで重心の低い楽曲で見せる、ちょっぴりワルなASPも魅力的だ。このあたりから日が落ち始めていったのだが、そんななかでストロボの連射を浴びながら歌った「BOLLOCKS」もバッチリ決まっていた。
暗くなっても暑く、そして熱い日比谷野音のならず者に向けて、このツアーから加わった新メンバーのリオンタウンが水分補給を薦める。続けて、同じく新メンバーのチッチチチーチーチーが"ならず者のみなさんと、最高の時間をこれからも一緒に過ごせますように。今日は日が暮れるまで......もう暮れてるけど、一緒に踊り明かしてくれますか!? 一緒に日比谷の地面を揺らしていきましょう!!"と堂々たる煽りを見せた。そうしてパフォーマンスした「NO REASON」は、本編中のハイライトのひとつだったと言えるだろう。夜の野音の中、エッジーなデジタル・ハードコアでメンバーが感情を爆発させるその光景は、非日常感と陶酔感で堪らない気持ちにさせてくれたし、ユメカ・ナウカナ?のシャウトはこちらの高揚感をさらに増してくれた。ここから怪しげな魅力を孕む「被害者ぶるな」、一転してイノセントな「The Emperor's New Clothes」へと振れ幅も見せていくASP。変幻自在な彼女たちのステージに、どんどん引き込まれる感覚だ。ASPがライヴ前の気合入れで使う言葉だという"レリゴ"を、ウォンカー・ツインズが壊れたおもちゃのように連呼し、双子の姉であるマチルダー・ツインズが妹の心の声を通訳するという独特すぎる展開を経た「レリゴ」も中盤の見どころのひとつだった。
ライヴ終盤には、モグ・ライアンが"私たち、いつも「死ぬ気でやるぞ」、「死ぬ気でやるぞ」ってばっかり言っているんですけど、今日もみんなで「今日こそ死んでやろうか」みたいなことを言ってステージに上がってきて、ライヴをやっているんです。だから「もうどうにでもなれ」、「ここが私たちの死に場所だ」って思っているんですけど、でも今日は生きていたいって思いました"と話すと、ならず者が大きな拍手で応える。続けて"こんなにライヴが楽しいし、ならず者は、愛おしくて嬉しくて仕方ないし、死んじゃったら会えないしと思って。だから、ずっとずっと私たちと一緒に生きていってくれたら嬉しいし、私たちも、死にものぐるいで生きていきます。そんな生きていたいって曲を歌います"と想いを伝えて「I wanna live」からラスト・スパートへ突入。楽曲のテーマの通りに、力強い生命力を輝かせて歌う姿にグッと来る。そんなASPは、残りの体力を絞り出すように叫び続けた「SAKEBE」を経て、"ならず者のみんな、愛してます!"(ユメカ・ナウカナ?)の声と共に「M」を届けて本編を締めくくった。
アンコール1曲目にはメジャー・デビュー・シングル表題曲「Hyper Cracker」を披露。プロデューサー/DJのYohji Igarashiが楽曲プロデュース/サウンドメイクを務め、作詞作曲はODD Foot WorksのPecoriが担当し、ハイパーポップを踏襲したこの曲で、新たなASPを提示していく。ASPは、そのヴィジュアルからパンクなイメージが強いが、実はどんな楽曲でも歌いこなせる力を持ち合わせている。そんな器用さを引き出したのが「Hyper Cracker」なのだろう。メジャーのフィールドでの起爆剤になりそうなこの曲のパフォーマンスでは、ならず者が客席のブロックごとにカラーを分けたサイリュームを掲げる。その光景がなんとも美しかった。最後は「拝啓 ロックスター様」で、メンバーとならず者がヘドバンで一体となってフィニッシュ。お知らせとして、9月2日から3日にかけて24時間イベント("24 hours ANARCHY ANARCHY SHiT SHiT PARTY PEOPLE")を開催すること、そして全国ツアー"GOD SAVE the ASP TOUR"のファイナル公演をZepp DiverCity(TOKYO)で開催することが発表された。そこは、今年2月に開催したワンマン・ライヴ"ANTi SOCiAL PAiNS"でソールド・アウトできなかった因縁の場所。今回発表された公演は、そのリベンジ公演とも言えるだろう。
開演前、所属事務所のWACK代表 渡辺淳之介は、本日の日比谷野音についてこう言った。"総キャパ3,000人が入るところ、1,500人も来ていただきました! 半分――僕は思ったんですよ。ならず者って天使なのかなと思って。なんでかわかります? チャンスをくれているんですよね、もう1回やる"。
ASPにはリベンジするべき場所がいくつもある。だからこそ、メジャー・デビューという華々しい再スタートを飾っても、持ち前のパンク精神を発揮し続けてくれるだろう。まずはZepp DiverCity(TOKYO)との再戦が待っている。
[Setlist]
1. BE MY FRiEND
2. the MAN CALLiNG
3. いつでもファッキュー♡
4. A Song of Punk
5. DiVE
6. BOLLOCKS
7. ITSUMO KOKOKARA
8. GO STRAiGHT
9. WASTED TEARS
10. NO REASON
11. 被害者ぶるな
12. The Emperor's New Clothes
13. 日々是虚無也14. WAiT and WASTE
15. マジ無いです。
16. レリゴ
17. TRUST MYSELF
18. Just Do it
19. SPiT OUT
20. Let's go as a weirdo
21. WARRiES
22. I wanna live
23. SAKEBE
24. M
En1. Hyper Cracker
En2. 拝啓 ロックスター様
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