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LIVE REPORT

Japanese

ZOCX

Skream! マガジン 2026年02月号掲載

2026.01.20 @恵比寿ザ・ガーデンホール

Writer : 宮崎ちゃーみー大樹 Photographer:下山春香

大森靖子が"最後のZOC"という想いを込めて命名したZOCX。彼女たちが新体制になって初のアルバム『六姫無双』を引っ提げた東阪ツアーのファイナルが、恵比寿ザ・ガーデンホールで開催された。

SEが流れるなか手拍子に迎えられメンバーが登場。開幕の1曲は、グループにとって始まりの楽曲である「ZOC実験室」だ。赤を基調としたストロボのライティングに照らされながら、現体制のZOCXならではの武器とも言える、高音と低音の幅で魅せる。最新のZOCXらしさを見せて堂々とスタートダッシュを決めた6人は、続いて「DON'T TRUST TEENAGER」でエモーショナルな歌声を届けていき、大森靖子は金切り声を上げた。この冒頭2曲だけで、ZOCXが持つ声の表現の引き出しの多さに感嘆してしまう。

さらにZOCX名義になってからの新曲であり、SEを除けば実質アルバム『六姫無双』の1曲目を飾る「超絶人間天使ちゃんの老害予防講座 」の披露へ。世の中の"おぢ"に対して6人のユニゾンで"きもいきもいきもいきもいきもい"と連呼するインパクト大のこの楽曲。女性ファン比率の高いZOCXの現場にいる数少ない"おぢ"はどんなリアクションをしているかと思えば、なんだかとっても楽しそう。「イミテーションガール」では大森が煽りを入れ、フロアの熱気がグンとアップ。そんな状態でパフォーマンスした「LiBiDo FUSION」では、ピンクの照明のなか艶めかしい踊りとセクシーな歌声でオーディエンスを魅了した。

この日最初のMCでは、前日まで行われていた"大森靖子プロデュース 新グループオーディション2026"の振り返りを中心にゆるっとしたガールズトークを展開する。楽曲の世界観の中にいるメンバーとはまた違う、素を感じる彼女たちの姿もまた魅力的だ。そんなMC明けは新曲「はーふついん♡うぉーず」から再開。"半分だけ許してあげる"、"半分だけ許して欲しい"と、繊細な乙女心をかわいさマシマシに歌い上げた。続いて「白は200色、ピンクは無限 」、「ヒアルロンリーガール」と、様々な曲調、様々な角度で"女の子"を表現していく。改めて大森靖子の才能には脱帽だ。

ライヴ中盤も、4つ打ちのダンス・ナンバー「Tight Gee」や、メロウな「badface」、鬱と躁が巡るかのようにラップとアッパーなサビが展開する「GIRL'S GIRL」等、多彩な楽曲で披露していくが、中盤のハイライトになったのは、大森が"純心"と題したポエトリーリーディングを披露し、フロアの空気を引き締めてから披露した「CUTTING EDGE」だ。壮大なサウンドスケープの中で、6人が女の子の心の叫びを発し、聴き手の心を突き刺していく様子は圧巻だった。

ラストスパートを控えるMCではメンバー1人ずつからファンに向けて言葉が送られる。

荼緒あいみは、"自分は言葉にするのが苦手だからいつもライヴで思っていることを伝えようと思います。前回のツアー・ファイナルは鼻水を出していたじゃないですか。今日もなんですよ。しんどい。でもライヴは楽しい。終わり!"と彼女らしい言葉を届け笑いを誘う。

千椿真夢は"私がアイドルとして初めて立ったステージがここなんですね。そのときは緊張もあったしZOCもすごく好きだったので、みんなの顔がちゃんと見れなかった。単純にライヴを楽しむことができていなかったんですね。けどこうやってZOCXとしてまたこのステージに立つことができて本当に嬉しく思います"、天國3ゅ姫は"明けましておめでとうございます。今年は午年だからなんでもウマくいく年なんですね。だからなんでも挑戦して、なんでもウマくいくぞという気持ちを持って生きていきたいと思っているので、みんなもそうやって生きてください"と続ける。

猫猫猫はうは"自分は最近異常だなって思うくらいメンバーのことが好きで。この前お風呂に入っていたらみんなのことを考えながら「好き」って言っちゃったのね(笑)。初めて仲間に好きって思っちゃった。ZOCXのことも皆さんのことも大好きなので、これからも会いに来てくれると嬉しいです"と感謝を語り、戦慄かなのは"靖子ちゃんはZOCXがZOCXであることをやめなかった。靖子ちゃんも「無理」、「やめる」と言うこともできたはずなんです。だって靖子ちゃんの楽曲だから。靖子ちゃんがそれを手放さなかったおかげで、こうやってZOCXを知ってもらえるきっかけになっているから、靖子ちゃんに感謝だなと思います"と大森への想いを語る。

最後に大森靖子が"私は魔法使いでもなければ、人生を救う救世主でも本当はない。みんながみんなの朝を迎えることの背中を押すことができるだけの歌だから、同じ1日をもっとギュッとした1日にすることができるのが音楽だと思うから、音楽の中に生きていくのを続けてきた証が、今日の1日なんだなと思うととっても幸せです"と喜びのうちにMCを結んだ。

こうしてZOCXは、これまで大切に歌い継がれてきた「family name」からフィナーレに向かって走り出す。「flop」、「FLY IN THE DEEPRIVER」と続け、「ENDINGING」でライヴ本編は終幕。その後、アンコールの声に応えて新SEと共に再度ステージに姿を現したZOCXは、新曲「そのかわいいに用はない」をサプライズ披露した。作詞作曲を大森靖子が、編曲をクラムボンのミトが手掛けたこの曲は、シリアスで重い空気を纏いながら、大森が、ZOCXが表現者として誰のために何を歌うのか、そんなアーティストとしての矜持を示すような楽曲だ。そんな新曲を、6人は感情を爆発させるように歌い上げた。そして「tiffany tiffany」、「AGE OF ZOCX」をパフォーマンスして締めくくり。最後は"We are ZOCX!!"の掛け声を上げ、"六姫無双ツアー"は大団円を迎えた。

メンバーの多彩な才能や声質のユニークさ、音域と楽曲の幅、唯一無二の世界観等、今のZOCXの魅力は本当に多い。"六姫無双"の名は伊達じゃない。それを証明してくれた一夜だった。


[Setlist]
1. ZOC実験室
2. DON'T TRUST TEENAGER
3. 超絶人間天使ちゃんの老害予防講座
4. イミテーションガール
5. CO LO s NA
6. はーふついん♡うぉーず
7. 白は200色、ピンクは無限
8. ヒアルロンリーガール
9. Tight Gee
10. badface
11. GIRL'S GIRL
12. A INNOCENCE
13. CUTTING EDGE
14.QUEEN OF TONE
15. 乙女の心臓
16. family name
17. flop
18. FLY IN THE DEEPRIVER
19. ENDINGING
En1. そのかわいいに用はない
En2. tiffany tiffany
En3. AGE OF ZOCX

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