Japanese
ZOC
Skream! マガジン 2021年07月号掲載
2021.06.10 @渋谷TSUTAYA O-EAST
Writer 宮﨑 大樹 Photo by Masayo
ZOCのメジャー1stフル・アルバム『PvP』は、普遍性を持たせつつも世相を反映させた、この時代だからこそ生まれた作品だ。本作を携えて全国を巡るツアー"ZOC FOR PRAYER TOUR 2021 SUMMER"。その初日である渋谷TSUTAYA O-EAST公演は、新メンバー 鎮目のどかのお披露目ライヴでもあり、最新バージョンのZOCによる、今だからこそのステージになった。
「ZOC序曲」に呼応する数多のペンライトに迎えられてメンバーが登場すると、スポットライトに照らされた鎮目が「family name」のサビをアカペラで歌唱。オーディションで同様のものを披露していたときには、まだ一般人の少女としてカテゴライズされていたであろう彼女が、その殻を破り、ZOCとして初めてプレイヤー(※ZOCファン)たちに向かって歌声を届けた。ステージ・デビューを迎えて感極まったのか、はたまた緊張なのか、彼女の目には涙が浮かんでいる。それでも、フロアに対峙して声を絞り出すように歌い切った彼女へフロアから惜しみない拍手が送られ、そこから改めて6人で「family name」を届けていく。CDデビュー曲でもあるこの曲で新体制として改めて船出し、剝き出しのパフォーマンスをぶつけると"ZOC行くぞぉ!"(大森靖子)の声を合図に「ZOC実験室」へ。藍染カレンがキリっとした表情で魅せれば、西井万理那は笑顔の花を咲かせる。巫 まろの歌唱の安定っぷりには舌を巻いたし、雅雀り子の大きくてキレがある舞は、頭の天辺から爪先まで美しかった。大森のライオット・ガールっぷりも相変わらず痛快だ。"Disc2"(新体制)へと進んだ彼女たちの、個を生かした表情、歌、ダンスは"孤立しない崇高な孤独が共生する場所"というZOCの理念を体現するかのよう。強烈な個性を持つ先輩メンバーに食らいつく鎮目も、負けじと強い光を放っていたように思えた。
"のどかちゃん、よろしく"と大森から任された鎮目が"人生がかわいくないと、生きている価値なくない?"とお馴染みの前口上を述べた「GIRL'S GIRL」を経て、アルバム『PvP』から新曲を披露。コロナ禍においてエンターテイメントに従事する人々やアーティストたちが感じているであろうヘイトをぶつける「CO LO s NA」ではスカッとさせられ、普段はクールな印象がある藍染の愛らしい部分にフォーカスした「眼球にGO!」では、コミカルな振付に思わず笑みがこぼれた。ここから「ヒアルロンリーガール」へとポップな曲を続けると、MCを挟んでセクシーな曲のブロックへ。
妖艶な中に力強さも内包するダンスで魅了した「断捨離彼氏」。そこから繋げられた「LiBiDo FUSION」では狂気を孕んだ官能的なリリックを歌い上げた。この曲を制作するうえでイメージしたという巫の歌声も艶やかだ。次の「濃♡厚♡接♡触」で"嫌な奴!嫌な奴!"と歌うメンバーが、自身の推し団扇を掲げるファンを指さす振付でサービス精神旺盛な面も見せ、続けてそれぞれが武器を片手に「SHINEMAGIC」をパフォーマンス(ちなみに鎮目が持っていたのはクロスボウだった)。
ここまで新曲を織り交ぜたライヴを観てきて、曲のレパートリーが増えたことでセットリストの幅が広がり、ライヴという塊としての表現の深みが増したことに気づく。アルバム『PvP』は、彼女たちにとっての新たな、そして強力な武器になったのは間違いないようだ。
そして本編後半。静まり返ったフロアにノイジーなイントロが流れ「①④才」へ。鬼気迫る歌声やハイトーン・ヴォイスが、緊迫した空気を醸し出した。ステージ後方から強烈な光が照射され、シルエットとして映し出された6人の姿は、前衛芸術とでも表現できそうな、ひとつのアート作品のようだ。「①④才」の重たい世界感を自ら突破してくように、疾走感のあるロック・チューン「DON'T TRUST TEENAGER」で駆け抜けていく緩急もまた良かった。
MCではメンバーひとりずつから言葉が届けられた。藍染は、"ライヴを観てもらえることが私は一番嬉しいので、こうやって大切な瞬間を過ごしてもらえることが何より幸せです"と語り、西井は"ZOCに入ってから歌うことが楽しくなったし、ZOCに入っていいことしかなかったから、これからもみなさんに幸せを届けられるように頑張ります"と伝える。続いて巫が"私はもっともっとZOCで有名になりたいんですけど、有名になりたい理由は靖子ちゃんが作ってくれた歌を世界中に届けたいからで、それを届けるためにはまだまだもっと技術が必要だなって思います"、雅雀は"見せかけの言葉とか嘘のスタイルみたいなものに騙されないで、この6人だったらやっていける。そのために自分が力になれることは全部力を注いでいきたい"、鎮目は"まだまだ未熟なんですけど、温かくみなさんが見守ってくれたおかげで、これからもっと頑張ろうと思えたし、もっともっと成長しようと思うことができました"と、それぞれ決意や感謝を述べた。最後は大森が"アルバムというものは新しい世界に連れて行ってくれるものだから、今までの最悪な人生とか、最悪な時期があった人とかも、それをもっていい人生だって言えるアルバムになったので、このアルバムを武器に、お互いが人生を頑張っていければと思う。もっともっと最強な音楽をこの6人で届けていけるようにDisc2で頑張っていくので、どうぞよろしくお願いします"とMCを締めた。
そしてライヴはラスト・スパートへ突入。「A INNOCENCE」では、胸を締めつけられるエモーショナルな歌声で心が浄化される感覚を覚えたし、落ちサビを歌う鎮目は「family name」のアカペラの時点からすでに成長を遂げているようにも見えた。続いて、大森がブチ上げて会場がさらにひとつになった「AGE OF ZOC」へ。アルバム『PvP』Disc1のラスト2曲と同じ「A INNOCENCE」、「AGE OF ZOC」の流れで本編を締めくくった。
アンコールに応えて登場した6人は「CUTTING EDGE」を披露。浮遊感がありつつも芯の強いサウンド、歌われている少女の悶々とそれに向き合う気高さ、そして極上のメロディ、それらが合わさってオーディエンスの琴線に触れる――どころか容赦なく撫でまわしていく。ミラーボールに反射した光が観客を照らす光景は、ZOCの音楽がオーディエンス自身の心に向き合う装置の役割を果たすことを象徴しているようでもあり、"PvP"→"プレイヤーVSプレイヤー"→"人対人"のアルバムを引っ提げたライヴのラストを飾るのに相応しかった。
ツアー初日で大成功を収めた彼女たちは、ここから全国を回ったのちに9月9日のZepp Haneda(TOKYO)公演で東京に凱旋する。そのときに、ZOCというグループがどんなふうに成長した姿を見せてくれるのか、期待は高まるばかりだ。『PvP』という武器を携えた6人の旅路は続く。
[Setlist]
1. ZOC序曲
2. family name
3. ZOC実験室
4. GIRL'S GIRL
5. CO LO s NA
6. 眼球にGO!
7. ヒアルロンリーガール
8. 断捨離彼氏9. LiBiDo FUSION
10. 濃♡厚♡接♡触
11. SHINEMAGIC
12. ①④才
13. DON'T TRUST TEENAGER
14. A INNOCENCE
15. AGE OF ZOC
En1. CUTTING EDGE
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