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INTERVIEW

Japanese

ZOC

2021年01月号掲載

ZOC

メンバー:藍染 カレン 香椎 かてぃ 西井 万理那 巫 まろ 雅雀 り子 大森 靖子

インタビュアー:宮﨑 大樹

"超歌手"大森靖子が率いるアイドル・グループ ZOCが、ニュー・シングル『AGE OF ZOC/DON'T TRUST TEENAGER』で、エイベックスからいよいよメジャー・デビューを果たす。2月8日に日本武道館公演"NEVER TRUST ZOC FINAL"を開催することも発表するなど、常に話題に事欠かない彼女たちに初のインタビューを敢行。メジャー・デビューへの想い、ZOCの音楽、メジャー・デビュー・シングルについてなど、メンバー全員に話を訊いた。


"治安の悪さ"はこのままでいたい


-ZOCがいよいよメジャー・デビューです。

西井:私にとってメジャー・デビューは、夢というより目標だったから、果たせたことが嬉しいです。しかもあのエイベックス様から。だから、ここ(エイベックスビル)に通えるのが毎日嬉しくて。

香椎:(西井は、Instagramの)ストーリーにちゃんと"エイベックスで"って入れてる。

西井:(笑)ビルに"avex"と書いてあるのを撮って、"エイベックスで取材だった"、"エイベックスで打ち合わせ"ってストーリーに上げるのがすごく気持ちいい(笑)。

香椎:にしても"エイベックス"って使いすぎて、いやらしい(笑)。

-メジャー・デビューが目標のひとつだったのは、なぜですか?

西井:私は、前のグループ(生ハムと焼うどん)のときもメジャー・デビューを目指していて。メジャー・デビューすると何か変わるというよりかは、いろんな大人の力を使って、インディーズじゃなかなかできない宣伝ができると聞くから......。

-現実的ですね(笑)。グループとしても、メジャー・デビューは見据えていたんですか?

大森:自分が中高生のときは、インディーズ志向というか、インディーズのバンドがカッコいいみたいなのがあって。自分もそれで生きてきたんです。けど、DIY精神のままでメジャーの力を借りて、何も失うことなくてっぺんまで行けたら一番カッコいいなぁというのは、音楽をやっているときにずっと思っていて。それは自分の活動に対しても、ZOCの活動に対しても思っていたので、メジャーでやって、届けていかないと意味がないというのはありました。"メジャーに行ったらこういうふうになりたい"とかじゃなくて、自分のやってるそのままを届けるために、いろんな人と仕事をしたいなって。やっぱり、ずっと同じことをしていると、行き詰まったり、同じ曲ばかり作ったりしちゃうと思うんです。いろんな人と関わっていくことによって新しいものが生まれるのも刺激になるし、そういう経験をみんなにもしてもらいたいので、最初からメジャーを目指して活動していました。

-メジャー・デビューにあたって感じた変化はありますか?

藍染:この間、ミュージック・ビデオの撮影をさせていただいたんです。いつもたくさんの方にご協力いただいて撮影しているんですけど、協力してくれる方がさらに増えたなと思って。長時間私たちに付き合ってくれる方がこんなにいるんだ、ありがたいなと感じました。曲も、インディーズのころからいつも力を入れて作っていただいているんですけど、こうやって関わってくれる方が増えていくのは嬉しいですね。

-逆に、ここは変わらないでいたい、というものはありますか?

巫:私はZOCに入ったばかりではあるんですけど、自分たちがZOCを好きという気持ちは、どんなに有名になってもみんなの中から消えないといいなと思います。やることはどんどん変えていきたいです。

-香椎さんはどうですか?

香椎:変わらないでいたいところ......うーん......"治安の悪さ"。"治安の悪さ"はこのままでいたいですね。まろのTwitterとかの発言が、たまに人をカチンとさせるところがあるんですけど、そこも魅力だと思いますし、そういうところはメジャーになってもこの先変わらないでいてほしい。

-自分の個性をそのまま出し続けていけたら、ということですよね。変に周りや社会に合わせるとかではなく。

香椎:そうですね。最近、自分がしっかりしなきゃと思ってしまっていて。でも、我に返りました。それで、ちょっとカチンとさせるようなツイートをしたら、案の定プチプチ荒れて"あぁ、これだこれだ!"と思って(笑)。(その感覚を)忘れていましたね。我に返りました。

-今回"ZOC 第二幕 活動理念"というものが掲げられていて。そこには"共犯者としてのアイドル活動にもう思い残すことはありません"という大森さんの言葉があります。

大森:大きい社会の中にある1個の社会がアイドルじゃないですか。そこ(アイドル)は、人から見られやすいので、ここから改築していって価値観を変えていけば、全世界に対して示しやすいと思っていて。いろんな固定概念とか、いらないものとかがたくさんあるので、そういうのを壊したいんです。いろんな人を生きやすくするのが、自分の生きている意味だと思っていて。

-はい。

大森:いらなかった命を生き延ばした意味が、それでしかないんですね。自分がプロデュースしたり、アイドルをやったりすることで、それをできるのかなと思ったけど、まぁ、なんか......しんどかったなという(笑)。

-(笑)

大森:しんどかったし、メンバーにすら"プロデューサーだけやってください"とか言われてしまって。社会からの"お前は生きられないよ"というものに対して"でもこれがあれば生きられるでしょ"って、自分が一生懸命培ってきた実力みたいなものがあるんです。その魂だけが認められて、自分の肉体はズッタズタに切り刻まれたって気持ちがあって。だったら私は魂だけで表現しますけど、肉体はその魂に従属しているものなので、離すことはできない。だから、都合良く才能だけを使っていただくことはどうしてもできないんです。そういう気持ちもあるけど、やっぱりこのプロジェクトって自分がやりたいことができないと存在する意味すらないので......って考えて、あの言葉を書きました。"もう無理やんな"という話かなって思います。でもやっぱり、ライオット・ガールじゃないと意味がないので。

-ここからはZOCの音楽について。大森さんは、キャッチーであること、一番美しいメロディをBメロに入れることをZOCの音楽で意識しているそうですね。どうしてそこを大事にしているのかを聞きたくて。

大森:表現って、深掘りしていくほど"解像度"が鮮明じゃないといけなくて。受け手側の"スマホのバージョン"の問題とかも出てくるので、自分がいいものを作ろうとすればするほど伝わらなくなっていくことを、自分の活動で感じていました。ZOCは人に届いていかなきゃいけないプロジェクトですし、みんなの力を借りている以上、売らなきゃいけない責任もすごくあるので、わかりやすさを大事にしていきたいというのはあります。一番きれいにしているBメロは、自分の作品の崇高な部分なんです。それがあるから他でキャッチーにして、とか、歌詞でえぐいこと言っちゃったら音はポップに、とか。そのバランスはすごく気をつけています。

-なるほど。

大森:2014年あたりの大森靖子像みたいものが、今やるべきことで。自分(の音楽)が5~6年くらい早すぎるというのは、流行とか時代とかを追っていていつも感じているんです。だから、自分の中で5年遅いことをこのプロジェクトでやれば売れるんだな、というのがあって。でも、それを今の自分でやることはできないから、5~6年前の自分をロールプレイしている感覚があります。それでも音楽的な知見とかは深まっているので、当時やったときよりもっと上手にできるし、曲を書くスピードも上がって、実力はついてきてると思いますね。

-ZOCの歌詞という面ではいかがですか? 自分の曲として書くものとは、共通しているテーマや目線など違うと思いますが。

大森:空間を作らないようにしています。それと、全部が映えるように。どこを切り取っても、誰が読んでも意味がわかることが大事なんです。

-それは全員をどう見せていくかも考えて?

大森:そうですね。メンバーの声を思い浮かべて書いたり、"ここでこういうキャラの声の子が出てきたら面白いから"って当て書きしたり。声って、ひとりでいろんな声を出しても楽器としては1個なんですけど、それが今のところ6個あるから、とても楽しいですね。

-ZOCの振付についても聞きたくて。雅雀さんは振付師から正式メンバーになっていますけど、ZOCの振付で大事にしていることはありますか?

雅雀:アイドルに振付するのはZOCが初めてだったんですけど、アイドルって形で、こういう若い女の子たちが靖子ちゃんの言葉と曲を表現するという大前提で振付をしています。靖子ちゃんが伝えたいことをめっちゃ読み取るというよりは、ぱっと聴いた感覚でやっていて。分析して振付を作っているわけではないんです。私が今までやってきた中で、アイドルっぽい振付はないんですけど、わざわざそっちにすり寄ろうとは思わないし、自分が今までやってきた踊りの雰囲気を曲の中に生かせたらいいなと。私の振付はポップじゃないので、靖子ちゃんの曲と、アイドルという形と、いいところをうまく混ぜて、いい塩梅でやることを心掛けてやっています。