Japanese
そこに鳴る
Skream! マガジン 2022年01月号掲載
2021.12.03 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 山口 智男 Photo by 新見真心
もちろん、アーティストとして自分たちの美学や、プレイヤーとして演奏の技術は誰よりも追求していると思う。しかし、それは彼らの内々の話であって、謎めいた見せ方をしたり、表現が陰にこもったりもするから、もしかしたら誤解されることもあるのかもしれないけれど、対外的には基本、楽しんでもらうことに喜びを見いだすエンタメ精神旺盛なバンドなのだろう。それは結成10周年を記念して、7週連続CDシングル・リリース企画"7 ultimate materials"に挑んだことからも明らかだ。そこにはもちろん、いろいろな思いが込められていたとは思うが、他の誰もやらない企画に挑戦した理由を端的に言うなら、面白そうだから、楽しんでもらえそうだから。それに尽きる。
そんな"7 ultimate materials"のリリース・ツアーとして、名古屋、大阪、東京で開催した"ULTIMATE STRIKE TOUR 2021"もまた、そこに鳴るのエンタメ精神の発露とも言える遊び心満載のライヴになったと思う。特にツアー・ファイナルの東京公演は見どころが多いものになったんじゃないか。
"結成10周年の記念ツアー。古い曲を含め、ベスト的な感じで曲をたくさん用意してきました"。
藤原美咲(Ba/Vo)が挨拶したとおり、この日、そこに鳴るが演奏したのは"7 ultimate materials"の7曲を含む新旧の全18曲。"そこに鳴る史上最長"と鈴木重厚(Gt/Vo)が語った2時間に及ぶ熱演は、その2時間があっという間に感じられるほど見応えあるものだった。
オルタナともラウドロックとも言えるバンド・サウンド、および男女ツイン・ヴォーカルで歌うヒリヒリとしたなかに、メランコリーとノスタルジーが感じられるメロディの組み合わせという楽曲のユニークさは、もちろん音源でも楽しめる。だが、様々な演奏テクニックを駆使したアクロバティックなパフォーマンスのスリルや、「vermisst」をはじめ、彼らが実は多用する四つ打ちのリズムに合わせ、身体を上下に揺らしながら手を振る観客の姿が物語る、ポップ・ミュージックとしての躍動感は、やはり目の当たりにしてこそだ。
鈴木と藤原がステージの真ん中で背中合わせに披露するタッピングは、ファンにはお馴染みの見どころ。そこにいつしか鈴木と藤原に加え、斎藤翔斗(Dr/Vo)も声を重ねる3声のハーモニーという魅力が加わった。
クライマックスに向け、さらに盛り上げていった後半戦では、ツアー・タイトルに究極を意味する"ULTIMATE"を掲げているのだからと、本来はBPM 300の「極限は刹那」を、名古屋公演の330、大阪公演の340をさらに上回る350で披露。大いに観客を喜ばせたのだが、喜ばせたと言えば、これまでサポートだった斎藤が正式メンバーとして加わり、6年ぶりに3人体制に戻ったという"重大なお知らせ"である。"そこに鳴るの曲を歌いながら叩けるドラマーは他にいない"と豪語する斎藤の正式加入は、演奏面はもちろんのこと、曲作りにも新たな可能性が生まれるという意味で頼もしいかぎりだ。
本編最後の「掌で踊る」、アンコールの「エメラルドグリーン」――最後はバンドが注目されるきっかけになった人気の2曲で締めくくったが、「エメラルドグリーン」を演奏する前に"バンドは奇跡の塊"と語った鈴木は、クセが強すぎる自分と10年もバンドを続けてくれた藤原と、身を切る覚悟でバンドに入ってくれた斎藤に感謝を述べると、今度は観客に語り掛けた。"たまたま、みなさんがそこに鳴るを発見してくれて、ライヴに来てくれて、CDを買ってくれるから、僕らは活動ができる。それは天文学的な確率。まさに奇跡だと思います。僕らにできるのは、自分たちの音楽をさらに研ぎ澄ましていって、みなさんの前で演奏することです。これからもそこに鳴るを見守ってください"。
このツアー・ファイナルが、気持ちも新たに20周年という節目を目指すスタートになったことは、宣言とも言えるその言葉からも明らかだった。
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