Japanese
そこに鳴る
Skream! マガジン 2021年05月号掲載
2021.04.03 @下北沢シャングリラ
Writer 三木 あゆみ Photo by 新見真心
"超越"="普通の程度を、はるかに越えること"。まさにそんな言葉が相応しいライヴだった。4月3日、下北沢シャングリラにて、そこに鳴る初の有観客ワンマン・ライヴ・ツアー[LIVE "超越" ONEMAN EDITION 2021]のファイナル公演が行われた。このツアーは、昨年10月にリリースされた1stフル・アルバム『超越』、初の海外流通盤CD『choetsu』、そして初の映像作品『LIVE "超越" DIGITAL EDITION 2020』の発売を記念して実施されたもの。デビューから5年を経て放たれた渾身のフル・アルバム『超越』を生で体感するために、多くのファンが会場に駆けつけた。
物語の始まりを予感させるSEが鳴り始め、"そこに鳴る、開演"という音声とともに開演ブザーと映写機の回る音が響いた。ステージには鈴木重厚(Gt/Vo)、藤原美咲(Ba/Vo)、志雄(Support Dr)の3人がスタンバイしており、フロアには緊張感と期待感が入り混じった空気が流れている。そして、アルバム『超越』のオープニング・ナンバー「Lament Moment」からファイナル公演が幕開け。カオティックで衝動的なイントロ、激流のようにこちらに迫ってくる音に一発目から圧倒された。そのままスピード感溢れる「Mirage」、歪みの効いたベースが鮮烈な「6月の戦争」と、怒濤の楽曲群で容赦なく畳み掛けてくる。
藤原が"たくさん曲を用意してきてますので、楽しい1日にしましょう。よろしくお願いします"と挨拶を挟み、続いては「avoided absence」。感情を開放するような鈴木の歌唱、エフェクティヴなギター、ヘヴィでありながらも精妙なベース、迫真のドラムと、彼らが奏でる音は映像を喚起させる力が凄まじい。「氷上の埋葬」や「諦念」では同期も使用し、聴き手をさらに引き込んでいく。彼らの楽曲は超絶テクニカルなサウンドによる情景描写が見事なところも魅力だと思うが、この日は特に一曲一曲を聴き終えるごとに、壮大な映画を観たあと思わずため息をついてしまう、あの感覚に近いものを何度も感じた。
劇的な演奏から一転し、MCはリラックスした雰囲気で行われる。メンバーが頻繫に行くというステーキ屋さんの話で盛り上がるなど、ブレイク・タイム的な時間を経て後半戦に突入。ツイン・ヴォーカルが映える「complicated system」では、ステージ中央で鈴木と藤原が背中を合わせて演奏する姿を観た観客が、グッと力を込めた拳を上げていたのが熱い。キメが多くノリのいいリズムの中でテクニカルなフレーズが光る「絶対的三分間」、ギターのタッピングなどの鮮やかなプレイ、変則的なリズムも盛り込まれた「re:program」では、一糸乱れぬ3人のアンサンブルに息を吞んだ。また、アルバムの中でも異彩を放っていた、藤原がメインで歌うミドル・バラード「white for」も披露。彼女の切ない歌声と繊細で美しいメロディが心に沁みた。
鈴木は"こうやってライヴをすることが、気づかないうちに生き甲斐になっていたんだなと実感しました。今日は来てくれてありがとうございます"と改めて感謝の言葉を述べる。そして、この日が3年間バンドのサポート・ドラムを務めた志雄のラスト・ライヴであることが、突然告げられた(※"いったん終了"とアナウンスされている)。寂しさを堪えるように"ありがとう"と本人に伝え、"僕らはまだ在り続けます、僕は死ぬまでやりたいと思っているので。これからも見守っていてくれたらなと思います"と話し、MCを終えた。最後の曲は「indelible time」。この3人で演奏するのは、もしかしたらこれが最後かもしれない。大事な想いがグッと込められた音をファンもしっかりと受け止めていた様子だった。"in the end"という言葉で終わるこの曲。少し長い余韻を残し、鈴木は小さな声で"本当にありがとうございました。そこに鳴るでした"と言い、ツアー・ファイナル公演は終了した。
初の有観客ワンマン・ライヴ・ツアー全7公演を完走したそこに鳴る。寂しくなる知らせもあったが、押し寄せる轟音を全身に浴びるこの日の音楽体験は鮮烈だった。ほかでは味わえない、唯一無二の"超越"サウンドはこれから先どうなっていくのだろうか。鈴木の"僕がいる限りそこに鳴るはそこに鳴るです"という言葉を信じ、進化を続ける彼らとの再会の時を楽しみにしたい。
[Setlist]
1. Lament Moment
2. Mirage
3. 6月の戦争
4. 永遠の砂漠
5. avoided absence
6. 氷上の埋葬
7. 諦念
8. 天秤の上で
9. black to10. complicated system
11. 絶対的三分間
12. re:program
13. 極限は刹那
14. 業に燃ゆ
15. white for
16. 掌で踊る
17. indelible time
- 1
LIVE INFO
- 2024.12.07
-
Kroi
怒髪天
フィロソフィーのダンス
the shes gone
Conton Candy
シノダ(ヒトリエ)
ずっと真夜中でいいのに。
あいみょん
ザ50回転ズ
Umisaya
Helsinki Lambda Club
リアクション ザ ブッタ
ADAM at
HY
BLUE ENCOUNT
Vaundy
reGretGirl
岡崎体育
ズーカラデル
上白石萌音
a flood of circle
ポルカドットスティングレイ
ASIAN KUNG-FU GENERATION
"年末調整GIG 2024"
VOI SQUARE CAT
安藤裕子
TK from 凛として時雨
ストレイテナー
THE YELLOW MONKEY
Aimer
眉村ちあき
マオ(シド)
Johnnivan
VENUS PETER
eastern youth
打首獄門同好会
SpecialThanks
クレナズム
OKAMOTO'S
ねぐせ。
"下北沢にて'24"
BUMP OF CHICKEN
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
- 2024.12.08
-
怒髪天
フィロソフィーのダンス
ザ50回転ズ
ビッケブランカ
9mm Parabellum Bullet
シノダ(ヒトリエ)
the shes gone
ずっと真夜中でいいのに。
あいみょん
リアクション ザ ブッタ
Maki
HY
Vaundy
ExWHYZ
安藤裕子
DURDN
Conton Candy
ASIAN KUNG-FU GENERATION
"年末調整GIG 2024"
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
ストレイテナー
LiVS
マオ(シド)
ネクライトーキー
OKAMOTO'S
Newspeak
Mega Shinnosuke
フレンズ
FR2PON!
DENIMS
BUMP OF CHICKEN
- 2024.12.10
-
back number
reGretGirl
PEDRO
鎌野 愛
羊文学
ザ・クロマニヨンズ×サンボマスター
リーガルリリー
PALE WAVES
- 2024.12.11
-
KALMA
back number
Hakubi
フィルフリーク
YOUR ADVISORY BOARD
LONGMAN
ART-SCHOOL
People In The Box
HERE
オレンジスパイニクラブ
the shes gone
GANGDEMIC
ずっと真夜中でいいのに。
- 2024.12.12
-
ズーカラデル
ASIAN KUNG-FU GENERATION
Hakubi
reGretGirl
a flood of circle × cinema staff × The Novembers
BRADIO
VOI SQUARE CAT
GANGDEMIC
DeNeel
ずっと真夜中でいいのに。
- 2024.12.13
-
THE YELLOW MONKEY
ザ・クロマニヨンズ×kanekoayano
ASIAN KUNG-FU GENERATION
w.o.d.
終活クラブ
eastern youth
煮ル果実
the dadadadys
四星球
TOMOO
シノダ(ヒトリエ)
優里
神聖かまってちゃん
ストレイテナー
NANIMONO
TENDOUJI
- 2024.12.14
-
ズーカラデル
安藤裕子
HY
Hakubi
SUPER BEAVER / 緑黄色社会 / マカロニえんぴつ ほか
フラワーカンパニーズ
BLUE ENCOUNT
LiVS
Vaundy
GOOD ON THE REEL
Helsinki Lambda Club
eastern youth
TK from 凛として時雨
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
フィロソフィーのダンス
LiSA
あいみょん
Academic BANANA
OKAMOTO'S
私立恵比寿中学
CENT
優里
JYOCHO
UNCHAIN
ヨルシカ
ザ50回転ズ
大森靖子
Conton Candy
ヤングスキニー
Aimer
TENDOUJI
- 2024.12.15
-
NEE
ズーカラデル
安藤裕子
椎名林檎
HY
sumika / 10-FEET / Saucy Dog / ザ・クロマニヨンズ ほか
ExWHYZ
GOOD ON THE REEL
MOROHA
TK from 凛として時雨
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
Vaundy
LiVS
tacica
Helsinki Lambda Club
フィロソフィーのダンス
ザ50回転ズ
LiSA
あいみょん
伊東歌詞太郎
LACCO TOWER
WANIMA
篠塚将行×菅澤智史 (それでも世界が続くなら)
EASTOKLAB
Mellow Youth
澤田空海理
コレサワ
Ryu Matsuyama
ヨルシカ
w.o.d.
竹内アンナ
the quiet room
Aimer
リアクション ザ ブッタ
- 2024.12.16
-
アンと私
真山りか(私立恵比寿中学)
- 2024.12.17
-
NOIMAGE
PEDRO
The Novembers
YONA YONA WEEKENDERS
Charlie Puth
- 2024.12.18
-
PEDRO
yama
The Novembers
大森靖子
CIVILIAN
Organic Call / Mercy Woodpecker / Daisycall / EVE OF THE LAIN
Charlie Puth
ASIAN KUNG-FU GENERATION
- 2024.12.19
-
シノダ(ヒトリエ)
SIX LOUNGE
ずっと真夜中でいいのに。
PEDRO
NOIMAGE
the dadadadys
CIVILIAN
Aooo
the telephones
ASIAN KUNG-FU GENERATION
9mm Parabellum Bullet
MILLENNIUM PARADE ※公演中止
THE BOHEMIANS
コレサワ
strange world's end
- 2024.12.20
-
NOIMAGE
リュックと添い寝ごはん
Lucky Kilimanjaro
フリージアン
クジラ夜の街
Homecomings
キノコホテル
Absolute area
トゲナシトゲアリ
MILLENNIUM PARADE ※公演中止
- 2024.12.21
-
煮ル果実
ストレイテナー
back number
People In The Box
Helsinki Lambda Club
LiVS
シノダ(ヒトリエ)
フィロソフィーのダンス
あいみょん
Umisaya
Galileo Galilei
クジラ夜の街
クレナズム
浪漫革命
DENIMS
ベランダ
怒髪天
"MERRY ROCK PARADE 2024"
tacica
Homecomings
ずっと真夜中でいいのに。
SPECIAL OTHERS
LEGO BIG MORL
佐々木亮介(a flood of circle)
Absolute area
Hello Sleepwalkers
PEOPLE 1
新しい学校のリーダーズ
アーバンギャルド
mzsrz
MOROHA
- 2024.12.22
-
ExWHYZ
ストレイテナー
back number
Helsinki Lambda Club
tacica
シノダ(ヒトリエ)
上白石萌音
フィロソフィーのダンス
Lucky Kilimanjaro
大森靖子
あいみょん
WONK
Aooo
People In The Box
ザ50回転ズ
Homecomings
DOES
怒髪天
"MERRY ROCK PARADE 2024"
ずっと真夜中でいいのに。
ゴホウビ
miida × stico
さめざめ
小林柊矢
TK from 凛として時雨
adieu(上白石萌歌)
MyGO!!!!!
PEOPLE 1
新しい学校のリーダーズ
RELEASE INFO
- 2024.12.09
- 2024.12.11
- 2024.12.13
- 2024.12.18
- 2024.12.20
- 2024.12.25
- 2024.12.27
- 2024.12.28
- 2025.01.06
- 2025.01.08
- 2025.01.10
- 2025.01.14
- 2025.01.15
- 2025.01.17
- 2025.01.22
- 2025.01.24
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
PEDRO
Skream! 2024年11月号