Japanese
LACCO TOWER
Skream! マガジン 2016年08月号掲載
2016.07.18 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 山口 智男
毎回、苦境に立たされる(彼らと仲のいい後輩バンドのメンバーからなる)ふんどし姿のみこしーズの奮闘が爆笑を誘うショート・ムービーから、観客全員による"ラーッコ、ラッコラッコラッコ、セイヤー!"の掛け声と手拍子、そしてそれに応え、みこしーズが客席を練り歩き......というお馴染みの光景に、また1年経ったんだという感慨がこみ上げてきた人たちは少なくなかったはずだ。毎年7月、LACCO TOWERがファンとともにバンドの誕生日を祝う恒例の周年イベントが今年も開催された。
大小様々な風船を投げ入れ、みこしーズが散々盛り上げた客席に向かい、"ツアー初日! 恵比寿LIQUIDROOMにようこそ。LACCO TOWER始めます!"と三つ揃いのスーツでキメた松川ケイスケ(Vo)が言い放ち(その後、上着を脱ぎ、シャツ姿になる)、演奏は昨年6月にリリースしたメジャー第1弾アルバム『非幸福論』収録の激情ロック・ナンバー「葡萄」でスタート。それに応えるように観客全員が手を振り、早速生まれた一体感が大きなうねりとなって、あっという間に客席全体に伝わっていた。
"周年イベントだ。執念燃やしてついてこいよ!"と重田雅俊(Dr)が洒落っ気たっぷりに叫び、強烈なスタート・ダッシュからさらに加速するようにバンドが「奇妙奇天烈摩訶不思議」に繋げると、"廻れ 廻れ"というサビのフレーズに合わせ、観客がシンガロングしながら、それまで振っていった手をぐるぐると回し始める。その光景に"いいね!"と言った松川が、まだまだこんなものじゃないだろうという思いを込め、"もっと来い!"と客席を煽ると、バンドはスピードの限界に挑むように今年6月にリリースしたメジャー第2弾アルバム『心臓文庫』から「楽団奇譚」を畳み掛けた。
この勢いについてこられるかと言わんばかりに観客に挑みかかった序盤や、"笑って帰れよ!"を始め、この日、何度もファンに寄せる思いを叫ぶように言葉にした松川のMCからは例年以上に気合いが感じられた。だがそれは、この日スタートした『心臓文庫』のリリース・ツアーがLACCO TOWER史上最大キャパのライヴ(11月12日に開催する品川ステラボール公演)を含んでいることや、来年、結成15周年という節目を迎えることと、もしかしたら関係があったのかもしれない。
ともあれ、『心臓文庫』の全10曲を軸に新旧の代表曲を散りばめながら、この日、彼らはダブル・アンコールを含めて2時間半に渡り、全21曲を演奏した。胸をえぐる言葉が印象的だった「罪之罰」から「秘密」、「蜂蜜」、「蛍」、「珈琲」と、じっくり聴かせる曲を並べ、叙情性と巧みなストーリーテリングをアピールした前半。真一ジェット(Key)がショルダー・キーボードで暴れ回りながら、バンドが持つエキセントリックな一面を印象づけた「傷年傷女」を始め、ダイナミックなバンド・アンサンブルで客席を圧倒する曲を並べつつ、純粋な思いや持ち前のオプティミズムが結晶化した「未来前夜」、「薄紅」がひと際輝きを放っていた後半。曲が持つ落差をダイナミックに聴かせると同時に、曲間では真摯なメッセージを訴えかけたり、客席を笑わせたりしながら、彼らは自分たちが持つ様々な一面を楽しませたが、"日本の近代文学と昭和の歌謡曲に影響を受けたヴォーカリスト擁するロック・バンド"という個性は、メタリックなフレーズを閃かせる細川大介(Gt)が以前にも増して活躍することによって、さらにユニークなものになってきたという印象もあった。
この日、松川は塩﨑啓示(Ba)や他のメンバーとの思い出を、時間をかけて語った。結成15周年を迎えるにあたって、やはり思うところがあったのだろうか。アンコールの1曲目にやった「相思相逢」は、"そんなメンバーとスタッフと(ファンの)みなさんの曲です"と松川は紹介したが、その「相思相逢」を聴きながらメジャー・デビューを境に彼(ら)がこの先、見据えている景色が変わり始めていることを感じた。スタート・ダッシュを見事にキメたこの日の勢いを、ライヴをやるたび加速させながらツアー・ファイナルとなる品川ステラボール公演を目指して、5人は突っ走っていくに違いないが、もちろんそこがゴールでないことは言うまでもない。
1年前の周年イベントでは余裕が感じられた。しかし今年、彼らは何かに突き動かされ、駆り立てられるように熱演を繰り広げていた。たぶん、それはさらなる飛躍を求めるメンバーたちの強い思いだったのだろう。ダブル・アンコールでバンドのマスコット(?)"ラッコちゃん(ラッコの着ぐるみ)"と、塩﨑と重田と真一ジェットの故郷である群馬のゆるキャラ®"なめじろう"を招き、キャノン砲から放たれた金テープが舞う中、「ラッコ節」と「一夜」をダメ押しで披露したあと、最後を締めくくった14発のドラムのキメは、メンバーたちの新たな決意にも聞こえたのだった。
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