Overseas
2026年01月号掲載
KULA SHAKER
Member:Crispian Mills(Vo/Gt)
Interviewer:山本 真由 Translator:安江 幸子
-おぉ。つまりwormは斬り倒し斬り倒されると。
そう、仕返しに出るんだ。まぁ僕たちにとっては、善と悪をオールドファッションな形で表現しただけなんだけどね(笑)。騎士対竜。貧乏人や抑圧された者たちが力を合わせて反撃するんだ。
-つまり、我々庶民が世の中の不具合や不都合に立ち向かっていくような......?
悪との神話的な対決であることは確かだね。
-前作のインタビューでは、"アートワークも自分たちでディレクションする"というこだわりを語っていただきましたが、今作のアートワークもアイディアはメンバーで? また、ヴィジュアル・イメージはどんなものにインスピレーションを受けているのでしょうか?
アーティストのSeasick Sailorと会って、彼にアルバムの先行シングル「Charge Of The Light Brigade」のジャケットを手掛けてもらったんだ。僕たちは手描きのアートワークを作る人を探していて、アルバム全体を手掛ける意欲のある人が欲しかった。とても上手くいったよ。今はみんながAIの話をしている。AIにはAIの居場所があるし、独特の便利さがあるけど、やっぱりアーティストやクリエイティヴな人々の存在は必要なんだ。彼等がいなかったら、AIも搾取する対象がないしね(笑)。
-(笑)たしかに!
今回はジョークでAIを使ったんだ。AIは計算とか退屈なものにも使えるし、人をおちょくるのにも使える(笑)。でも人間に代わるものじゃないんだ。
-それは「Good Money」のMVのことですね? 不思議な映像が、新たなサイケデリックの表現としてはまっている気がします。AIを創作に持ち込むことについては、もともと抵抗はなかったですか?
「Charge Of The Light Brigade」のときはライヴ・アクションで撮った。「Broke As Folk」もそうだった。素晴らしいロケをやったよ。僕は乗馬靴を履いて山を本当に登ったし、スペインのガレオン船(大航海時代にスペイン等で用いられた大型帆船)も登場させたし、そりゃあもう壮大なMVだった。それなのにネット上では"あれはAIに違いない"、"アイツ(Crispian)が本当に丘の上にいるわけないじゃないか"なんて言われてさ(苦笑)。"本物の船じゃない"とも言われた。それで、それを逆手に取って"じゃあ今度のMVはAIで作ろうじゃないか。それでAIだって見破られるか様子を見てみよう"って話になったんだ。2匹の猿にキーボードを与えて、適当に叩かせて、何が出てくるかってね(笑)。
-あのMVに出てくるお猿さんたちのことですか。
そう。あの子たちに自由にキーボードを叩かせてね(笑)。それでどんなイメージが出てくるか様子を見たんだ。楽しかったよ。
-AIを使わなかったMVはどのようにイメージして制作したのでしょうか。実際に山を登ったということですが。
1本目の「Broke As Folk」は兵士が道に迷ったという設定でね。19世紀の、剣を持った騎兵に扮するのは楽しかったよ! ロシア人の騎兵。曲の内容にも合っていたね。"broke"というのは単に一文なしになるって意味だけじゃなくて、壊れてしまう(broken)ことも意味しているから。心が壊れてしまったり、世界が(崩壊して)変わっていくのを実感していくってことだからね。古いやり方は終わってしまって、僕は自分の持っているものに価値を見いだして、自分の人生にとって意味のある物事に感謝しているんだ。そういうのを表したいと思って、上手くいった。「Charge Of The Light Brigade」ではみんなで変装して墓場でおふざけする機会ができた。僕たちは目立つのを厭わないんだ。特にコスプレしているときはね(笑)! 今後もう2本MVを撮るよ(※取材は2025年12月上旬)。1つは「Lucky Number」、あと「Wormslayer」は壮大なやつを作ろうと思っている。MV作りは今やアルバムの人生のパート2みたいな感じになっているね。アルバムを作ると、こうやってMVを作らずにいられないんだ。実際結構時間もかかるけど、あるといいものだと思う。
-ええ、音楽以外で毎回楽しみにしているものの1つです。それらも楽しみにしています。
ところで日本盤には特別なブックレットと共にボーナス・トラックも2曲収録される予定です。こういった贅沢な仕様の日本盤を出してくれるバンドは今本当に減っているので、KULA SHAKERが変わらず日本盤をリリースしてくれるのは嬉しい限りです。バンドとしてはフィジカル・リリースにこだわりはありますか?
フィジカル・リリースは、バンドにとってもファンにとってもものすごく大切なものだと思う。自分の心と魂を注ぎ込んだものだからね。それを手にすることができるのはいいことだよ。あれ程のアートワークがあれば、ファンでいることがどんなことなのかという実感を忘れずに済むしね。僕の子どもたちを見ていてもそう思う。あの子たちは(普段)ストリーミングを聴いているし、これが僕たちの暮らす現実なんだなって思うけど、兄弟でヴァイナルやカセットを買って贈り合っているんだ。プレゼントとしてね。ヴァイナルやカセットが大好きで集めているよ。それは......自分がその作品が大好きだってことを意味しているからね。愛情の証なんだ。アートワークが大好きだったり、アルバム全体が大好きだったり。僕には分かるんだ。ジャケ買いしたレコードが山程あるからね(笑)!
-(笑)今年はKULA SHAKERに会えなくて残念でした。でも2022~2024年の間は、3年連続来日が実現したので、ぜひ今度のニュー・アルバムのリリース後にもまたジャパン・ツアーを開催してほしいと思っています。
そう、来年はビッグ・イヤーになりそうなんだよね。デビュー作の『K』が30周年を迎えるし、『Wormslayer』も出るから、しばらくかなり忙しくなると思うよ。日本行きも当然考えている。すでに話も出ているんじゃないかな? 決まるのも時間の問題だと思うね。
-実は『K』の30周年についても聞こうと思っていたところでした。何かイベント等特別な企画は用意されているのでしょうか?
あぁ、ビッグな......僕たちにとってはビッグなイベントになるよ。10年前(の20周年記念)にやったことを繰り返すつもりはないし、今回はJayもバンドに戻ってきたからね。楽しい記念の仕方になると思うよ。すごくエキサイティングなことをやるんだ。
-例えば『K』の再現コンサートですとか?
それに似たようなことはやるだろうね。
-2~3月にかけてはUK/欧州ツアーが予定されていますね。こちらはどのようなライヴになりそうですか? これもアニヴァーサリー関係ですか?
いや、アニヴァーサリーをやるのは来年後半(※取材日は2025年12月上旬)になるんじゃないかな。『K』が出たのが秋だったからね。ただ、波みたいにいろんなものがオーバーラップしながら進んでいくことになると思う。今の僕たちは人生のそういう時期に来ているんだ。THE BEATLESの『Anthology』が出た頃のことを思い出すよ。あれは僕たちがレコード会社と契約する直前のことだった。僕たちが来年にアニヴァーサリーを控えている今は、THE BEATLESの『Anthology』がまた舞い戻ってきたようなものなんだ(笑)。僕たちは不思議な時間のループの中にいる。自分たちのキャリアを回顧的に見ているわけだけど、THE BEATLESが『Anthology』をやったときの年齢に今僕たちがなっているんだよね。そう考えると全体像が見えてくる。あの1stアルバムに立ち戻るのには興味深い時期だよ。完全に純真無垢だったあの頃にね(笑)。その後の全ての経験をもってあの作品を省みるのは興味深いものがあるんだ。
-当時とは違った視点で見ることができるかもしれませんね。最後に、新作と来日も待ち望んでいる日本のファンへ、メッセージをお願いします。
長年応援してくれてありがとう! 探求を続けていこう(笑)!
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