Overseas
KULA SHAKER
2016年03月号掲載
Writer 吉羽 さおり
"FUJI ROCK FESTIVAL '16"への出演が決定し、今夏、6年ぶりの来日を果たすKULA SHAKER。90年代のブリットポップ期に登場し、時流に関係なく我が道を行く異端児として世の中を挑発してきた彼らも、デビューから20年を迎えた。インド音楽と骨太な60~70年代ロックとで織り成すサイケデリックなサウンドを鳴らして、時空を超えてきたような、神秘的でどこか浮世離れした雰囲気でシーンを引っ掻き回したデビュー・アルバム『K』(1996年リリース)。UK総合チャートで初登場1位を獲得したこの『K』から、20年を経てリリースされるのが、通算5作目となるニュー・アルバム『K2.0』だ。フロントマン、Crispian Mills(Vo/Gt)によれば、"もともとアルバムを『K2』と呼んでいたが、今は『2.0』と呼ぶ方が常にアップグレードしていく現代には合っている気がした"ということで、このタイトルになったという。デビュー作『K』のころから変わらずにある、KULA SHAKERの様式美ともいうべきエキゾチックなロック・サウンドは、今作でさらに、どっしりとした重厚感と迷宮のような不思議な奥行きとを持った美しい宮殿となって、リスナーを迎え入れている。
アルバムのオープニングを飾るのは、シングル・カットもされたTrack.1「Infinite Sun」。まだ彼らが10代のころに演奏していたという曲をもとに発展させていったもので、シタールの妖艶な響きとアコースティック・サウンドの絡みから、徐々に大きなスケールで悠々と羽ばたいていくようなアンサンブルへと大きく展開していく。ネイティヴ・アメリカンの詠唱をベースにしていると言い、ポリフォニックな後半のコーラスなどは、ゆったりと心地よく魂を揺らして、遥かな地を想像させてくれるような感覚となっている。とても美しいアルバムのオープニングだ。その他、甘美な英国ロックのエヴァーグリーンなメロディ・ラインの魅力を最大限に活かした、シンプル且つダイナミックなTrack.7「Oh Mary」や、古の風を運んでくるフォーキーで、プリミティヴな躍動感のあるTrack.3「Death Of Democracy」や、ウェスタン調のTrack.8「High Noon」では、哀愁感のある口笛とともに、砂埃が舞う地へと連れ立ったりと、様々な土地と時間を旅するような感覚がある。そして、アルバムを締めくくるTrack.11「Mountain Lifter」はKULA SHAKERの真骨頂たる、重厚で骨のあるロック・サウンドに様々な音楽的なモチーフが細やかに織り込まれた壮大な曲。精緻な音のタペストリーは、ミクロにもマクロにも楽しめるものとなっている。この夏の"FUJI ROCK"の広大な野外ステージでこれが聴けたら最高だ。
デビューで頂点を極め、かつてCrispian Millsは"『K』の成功でバンドは死んだ"とまで語り、1999年には2作目のアルバム『Peasants, Pigs & Astronauts』を発表したが、その後解散。そして、2007年に3作目のアルバム『Strangefolk』で復活を遂げ、2010年には4作目のアルバム『Pilgrim's Progress』をリリースし、その都度日本でのライヴも行なっている。バンドの年表を振り返れば、決して順風満帆とは言い切れない紆余曲折はあったかもしれないが、作品ごとに振り返っていけば、いずれも充実した内容で、その時々のトレンドの熱に浮かされることなくほどよくあしらいながら、KULA SHAKERサウンドを打ち立てているのがわかる。解散当時こそは、創作とライヴとに追われる疲弊もあったけれど、復活後は特にリリースに追われることなく、メンバーのクリエイティヴィティの高まりで自ずと曲が集まり、作品へと落とし込んでいくというペースになった。バンドの純度を高めることに集中できる環境が、KULA SHAKER独自のサウンドに繋がっている。最新アルバム『K2.0』は、懐古的に原点を掘り起こしたものでなく、彼らが変わらぬ精神と音楽哲学を今なお極め続けていることを力強く伝えるロック・アルバムだ。
KULA SHAKER
ニュー・アルバム
『K 2.0』
NOW ON SALE
SICX-37X ¥2,400(税別)
[SONY MUSIC JAPAN]
※日本盤のみのボーナス・トラック1曲追加収録
amazon | TOWER RECORDS | HMV
1. Infinite Sun
2. Holy Flame
3. Death Of Democracy
4. Let Love B (With U)
5. Here Come My Demons
6. 33 Crows
7. Oh Mary
8. High Noon
9. Hari Bol (The Sweetest Sweet)
10. Get Right Get Ready
11. Mountain Lifter
12. Dreams Of Rock & Roll ※ボーナス・トラック
iTunes予約先:https://itunes.apple.com/jp/album
- 1
LIVE INFO
- 2025.01.22
-
ASIAN DUB FOUNDATION
WurtS
ずっと真夜中でいいのに。
シノダ(ヒトリエ)
SVEN(fox capture plan)
go!go!vanillas × NEE
RAY
アイナ・ジ・エンド
BRADIO
米津玄師
- 2025.01.23
-
終活クラブ
ずっと真夜中でいいのに。
a flood of circle
小山田壮平 / kanekoayano
ヤバイTシャツ屋さん
ASIAN DUB FOUNDATION
米津玄師
暴動クラブ / 板歯目 / M.J.Q(山本久土+クハラカズユキ)
- 2025.01.24
-
片平里菜
東京初期衝動
ザ・シスターズハイ
終活クラブ
Homecomings
夜の本気ダンス
ego apartment
LEGO BIG MORL
神聖かまってちゃん
かりんちょ落書き
ハシリコミーズ
MONO NO AWARE
くるり
Ivy to Fraudulent Game
THE YELLOW MONKEY
RAY
Wez Atlas
- 2025.01.25
-
片平里菜
ブランデー戦記
女王蜂
BLUE ENCOUNT / UNISON SQUARE GARDEN / ヤバイTシャツ屋さん / フレデリック ほか
Helsinki Lambda Club
SpecialThanks
ストレイテナー
上白石萌音
the paddles
bokula.
HY
SCOOBIE DO
Umisaya
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Dear Chambers
sajou no hana
Aimer
あいみょん
め組
IDLES
かすみん(おこさまぷれ〜と。)
神聖かまってちゃん
Czecho No Republic
GOOD BYE APRIL
フラワーカンパニーズ
パピプペポは難しい
Rhythmic Toy World
眉村ちあき
Mega Shinnosuke
サカナクション
Hedigan's
kobore
tacica
9mm Parabellum Bullet
Cloudy
- 2025.01.26
-
マリンブルーデージー
ASP × ExWHYZ
[Alexandros] / キタニタツヤ / マカロニえんぴつ / Creepy Nuts / ヤングスキニー ほか
Helsinki Lambda Club
THE BACK HORN
SpecialThanks
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
the paddles
ストレイテナー
HY
上白石萌音
SCOOBIE DO
SILENT SIREN
夜の本気ダンス
東京初期衝動
Homecomings
アイナ・ジ・エンド
Dear Chambers
Mega Shinnosuke
崎山蒼志
Bye-Bye-Handの方程式
CYNHN
Aimer
あいみょん
I Don't Like Mondays.
フラワーカンパニーズ
tacica
琴音
Lucky Kilimanjaro
ADAM at
LEGO BIG MORL
篠塚将行(それでも世界が続くなら)
サカナクション
阿部真央
Bubble Baby
- 2025.01.28
-
マリンブルーデージー / かたこと
the HIATUS
WurtS
米津玄師
SUPER BEAVER
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
the quiet room / Maki
安藤裕子
- 2025.01.29
-
THE ORAL CIGARETTES
the HIATUS
Saucy Dog
米津玄師
Hakubi
君島大空
Appare!
Helsinki Lambda Club
ポルカドットスティングレイ
ネクライトーキー
- 2025.01.31
-
ビレッジマンズストア
神聖かまってちゃん
LEGO BIG MORL
UNISON SQUARE GARDEN
KNOCK OUT MONKEY
Wez Atlas
くるり
ザ・ダービーズ
インナージャーニー / 板歯目 / Apes ほか
ヤユヨ
WANIMA × MONGOL800
TYCHO
Aooo
AYANE
9mm Parabellum Bullet
小林私 / Redhair Rosy / INF ほか
Halujio
the telephones
Bye-Bye-Handの方程式
- 2025.02.01
-
あいみょん
Hedigan's
ストレイテナー
ASP × GANG PARADE
夜の本気ダンス
I Don't Like Mondays.
ブランデー戦記
女王蜂
WONK
WurtS
the telephones
bokula.
GOOD BYE APRIL
SILENT SIREN
"でらロックフェスティバル 2025"
ADAM at
片平里菜
wacci
kobore
sajou no hana
CYNHN
OKAMOTO'S
Kroi
Aimer
"BAYCAMP 202502"
清 竜人 / 清 竜人25
9mm Parabellum Bullet
- 2025.02.02
-
あいみょん
四星球
bokula.
ExWHYZ × KiSS KiSS
LEGO BIG MORL
Laura day romance / XIIX / レトロリロン
I Don't Like Mondays.
Keishi Tanaka
ブランデー戦記
Panorama Panama Town
ラックライフ
"でらロックフェスティバル 2025"
CYNHN
ひめかのん(おこさまぷれ~と。)
片平里菜
ANABANTFULLS
DIALOGUE+
怒髪天
崎山蒼志
上白石萌音
浪漫革命
- 2025.02.03
-
マカロニえんぴつ
- 2025.02.05
-
マルシィ
ザ・シスターズハイ
the HIATUS
サカナクション
くるり
WurtS
"Road To 革命ロジック2025"
RELEASE INFO
- 2025.01.22
- 2025.01.24
- 2025.01.25
- 2025.01.28
- 2025.01.29
- 2025.01.31
- 2025.02.01
- 2025.02.05
- 2025.02.07
- 2025.02.10
- 2025.02.12
- 2025.02.15
- 2025.02.19
- 2025.02.26
- 2025.02.28
- 2025.03.01
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ヒトリエ
Skream! 2025年01月号