Overseas
KULA SHAKER
Skream! マガジン 2023年03月号掲載
2023.02.13 @恵比寿ザ・ガーデンホール
Writer : 山口 智男 Photographer:古溪 一道
"僕たちがどんなに日本を愛しているか!"
自分たちを歓迎する観客の盛り上がりを目の当たりにしたCrispian Mills(Vo/Gt)は快哉を叫んだ(便宜上和訳したが、もちろん英語で。以下同)。"SUMMER SONIC 2022"を間に挟んで、7年ぶりに実現したKULA SHAKERの単独来日公演は、まさにバンドとファンの愛の交歓とも言える場面を幾度となく観客の脳裏に焼きつけながら、熱狂と興奮の中幕を閉じた。
日本のファンがどれだけこの日を待ち焦がれていたか。それはこの日のチケットがソールド・アウトになったことに加え、開演時間きっかりにステージに出てきたバンドを迎えた観客の大きな手拍子からも窺えた。そして、バンドはそんな期待に応えるようにサイケでファンキーな「Hey Dude」、ミドル・テンポのラーガ・ロック・ナンバー「Sound Of Drums」という90年代後半のブリット・ポップ・シーンに楔を打ち込んだ初期の代表曲を立て続けに披露して、いきなりスタンディングの客席を沸かせていった。
この日、バンドが演奏したのはアンコールを含め全20曲だ。『K』(1996年)から『1st Congregational Church Of Eternal Love and Free Hugs』(2022年)まで、これまでリリースしてきた6枚のアルバムの収録曲に、まだ音源化していない新曲やJohn Lennonの「Gimme Some Truth」他のカバーも加えた今回のセットリスト。KULA SHAKERのキャリアを振り返りながら、さらに新たなキャリアを切り拓いていこうと意欲を燃やすバンドの現在進行形の姿や、彼らの音楽的な魅力を改めて物語るものだったが、ブルースやR&Bをルーツに持つ60~70年代のブリティッシュ・ロックをバックボーンにサイケデリック・サウンドやインド音楽の影響を大胆に取り入れたユニークさの中に、自分たちのルーツと言えるバンドに対する愛情が滲んでしまうところもまた、大きな聴きどころだったように思う。
例えば、新曲の「Gaslight」でCrispianがコードをかき鳴らしたソリッドなギター・リフはTHE KINKSを、「Whatever It Is (I'm Against It)」のブルージーなギター・リフはJimi Hendrixを連想させるものだったし、"Na-na-na, na-na-na"というキャッチーなシンガロングとともに本編の最後を盛り上げたJoe Southの「Hush」のカバーで、巷間言われるようにDEEP PURPLEのバージョンを参考にしながらJay Darlingtonが奏でるオルガンは、「Gingerbread Man」でもそうだったようにTHE DOORSを思い出させるものだった。そして、その最たるものがアンコールの2曲目に披露した「Govinda」だ。"George Harrison風の曲調とTHE ROLLING STONES風のリフのマッシュアップ"というCrispianによる曲の紹介は、まさに言い得て妙。思わずニヤリとせずにいられなかった。
その「Govinda」でバンドはシンガロングとコール&レスポンスを交え、最後の最後にアンセミックな空間をダメ押しで作り上げたが、"みんな歌って!"と言うCrispianに応え、"Tra la la La la la la la"と歌った観客に対して、"ファンタスティック!"とCrispianが再び快哉を叫んだトラッド・フォーキーな「Farewell Beautiful Dreamer」をはじめ、この夜、バンドとファンの相思相愛を物語るシンガロングが幾度となく起こったことも、忘れずに記しておきたい。ガレージ・ロックの「303 Revisited」、ポップ・サイケなフォーク・ロック・ナンバー「Tattva」では観客自ら声を上げ、後者の"Hallelujah"というシンガロングが「Hush」の盛り上がりに繋がっていった。
"また会おう!"(Crispian)
90分の熱演が終わったとき、メンバーたちも含め、そこにいる全員が笑顔だったことは改めて言うまでもないだろう。
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