DeNeel

INTERVIEW

Japanese

DeNeel

2025年10月号掲載

DeNeel

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Member：中野エイト（Vo）浦野リョウヤ（Gt）龍野リョウ（Ba）日野ユウキ（Dr）

Interviewer：稲垣遥

－"徒ばなし"という儚いワードが入ってくるところもアクセントになっていていいですね。

中野：曲が結構爽やかなんで、歌詞はある程度暗くても爽やかに聴こえてくれるから。

－むしろ引き立つところもありますしね。

中野：そうです。そのバランスが自分の性格と合っててちょうど良くて。

－思いっきり明るいのは抵抗がある？

中野：思いっきり明るいのも書けるんですけど、まず歌詞のない状態でいっぱい聴くんですよ。この曲がどんな歌詞を付けてほしいのかな？って曲にお伺いするみたいな。で、すっと湧いてきたイメージから付けるんです。それが今回"刹那ロック"って言ったんですけど、マジでそんな感じで。なんで、ちょっと暗い要素の入った曲で、でも最後は前向きになっていくようにしてるので、失恋した人は次の恋に進めるようになったらいいなと思ってます。

龍野：この"パラノイア"のとこでコードもメジャーになりますからね。

中野：全然意識してなかったわ。僕音楽理論とかで考えることなくて、いっぱいとりあえず聴いて歌詞も考えるんで。"似合わせカット"とか美容室であるじゃないですか。あんな感じなんです。

－曲から感じたイメージで書いた結果コードとも合ったってことですね。また、"足りない愛"と歌っているように、すごく好きだったけどどうしようもなかったという嘆きではなく、自分でも後悔の念や罪悪感を持っているというのが伝わってくるのが肝な一曲だなと思いました。やるせない感じというか。

中野：そうですね。"足りない愛"っていう漠然とした表現にしたのが、自分は歌詞を書くときにいろんな人間の感情にハマればいいなと思っていて。その人の人生、その人の何かしらに重なるところがあるように余白みたいなのを作った感じですね。

－リリースの発表のときには"あなたが過ごした時間をあなたのために愛せますように。"とコメントされていました。

中野：自分の経験や過去を否定しちゃう人が結構いると思うんで、それをちゃんと愛してあげられるようになったらいいと思うし、"プルースト"って曲名の由来の1つでもあるんですけど、この曲がいろんな人の"香り"になればいいなと考えてて。この曲を聴いたらこの情景を思い出すみたいなのもあるじゃないですか。この「プルースト」も、誰かの人生の一瞬にハマる曲になったらいいなと思ってます。

龍野：素敵やな。僕それが目標で音楽やってるところがあって。僕もいろんな思い出の曲があって、このとき付き合ってた人とよく聴いてたなとか。自分がそうなれたらいいなと思ってたんで、今話を聞いてそういう想いがあるって知って結構感動してます。ありがとう。

中野：良かった、ありがとう（笑）。どういたしまして。

－話を聞いてきましたけど、今回の「プルースト」は皆さんにとってどんな作品になりましたか？

浦野：今までにない曲だと思うんで、こういう一面もあるんだよって知ってもらえたら嬉しいですよね。

日野：この曲をリリースして、DeNeelをもっと広めたいです。親にも曲ができあがったら聴かせるんですけど、「プルースト」を1回聴かせてから、帰るたびに"「プルースト」聴かせて"って言うくらい大好きらしくて。だから親が好きなように、聴いた人みんなが好きになってくれたらいいなと思います。

龍野：外で聴いてほしいなってめっちゃ思いますね。僕結構外で音楽を聴くことがあるんですけど、「プルースト」もよく聴くんで、外で聴いてください。爽やかな感じで。

中野：「ハルウララ」とか、じっくりしっとり聴ける曲が今増えているんで、その1つとして、激しい曲じゃないなっていうタイミングにちゃんと感情にフィットする曲ができたな～と思ってます。泣きたいときに聴く曲ってあるじゃないですか。そういう曲になり得るかなと。その意味では、今までのDeNeelでは寄り添い切れてなかったところに、この曲がハマるんじゃないかなと思ってます。

－10月25日からはツーマン・ツアー"DeNeel TWO-MAN LIVE TOUR 「 PROMENADE 」"が始まります。対バン相手はぼっちぼろまるさん、Ochunism、EVE OF THE LAINという結構独自色のある組み合わせに思いますが。

一同：たしかに。

中野：EVE OF THE LAINは今年の3月に大阪で対バン（"SHINSEDAI"）をして初めて会って。そっからすごく仲良くなっちゃって、じゃあツーマンしてみよっか～って1回やったんですけど（"渾身ノ一撃"）、お客さんもどっちも楽しんでくれたから、うちのツアーもってなって決まった、ほんとに急接近したバンド第1位かなと。Ochunismは前にツアーに出てもらったこともあって、その繋がりでまたやりたいなと思ったので。で、ぼっちぼろまるさんは、リスナーとして聴いてたんで、ダメ元で声掛けたらOKって言ってくださったんです。1回だけサーキットで前後になったときにお話ししたんですよ。すごく気さくな人で、聴いてた身としてはめちゃくちゃ楽しみです。

龍野：やっていただけるんですか！？って感じやもんな。

－面白そうなライヴですよね。意気込みも聞かせてもらえればと。

中野：やっぱ完売させたいよな。

－東京は完売してますもんね。

中野：僕数字大好きで、数字を見ることが趣味なんですよ。"動員何人？"とか"今再生回数なんぼ？"とか聞いちゃうんです。YouTubeもめっちゃ開くし、銀行口座も開いて"今いくら？"みたいな。

龍野：気になるねんな。

中野：それでしか承認欲求が得られなくなってしまって。そんな体質にバンドがしたんですよね。

龍野：あぁバンドがね（笑）。

中野：そんなふうに数字で気分が上がり下がりしちゃうから、楽しい空間にしたいですけど、やっぱ全公演完売はしなければいけないなと思ってて。今自分の頭の中では次の次の次ぐらいまで構想があって、そこに行くにはもっとキャパシティを上げていかないといけないんです。俺の中ではここは絶対埋めれるやろって思ってるところをツアーで選んだんで、そこは達成していきたいなと思います。なので、よろしくお願いします。

龍野：今チケットサイト開いてもらって。東京の人が東京行かれへんやんって思ったら名古屋も検討してもらって。あとは東京やからこの曲みたいなんはあんまないように、このツアーは一貫したライヴにしたいと俺は思ってます。パッケージとして"PROMENADE"っていうライヴを作ろうと思ってるからみんな来てほしいです。

－ちなみにエイトさんがちらっと"次の次"みたいに言ってたツアー以降の今後の目標って......？

中野：内緒なんですよ。内緒なんですけど、用意してるんで。とりあえずこの"PROMENADE"を成功させて、次に向けていこうと。

龍野：ホップ、ステップ、ジャンプまで考えてるもんな。これがホップなんですよ。

中野：そうやし、今回のツアーの会場は、おっきくなったらまたここでサプライズでできたらいいなと思ってるハコなんですよ。Pangea（大阪 Live House Pangea）さんとかめちゃくちゃお世話になってるんで。自分たちが恩返しをしなくちゃいけない場所での最初の一歩ですかね。

－"このとき行ってたよ"って追々自慢できるようなライヴになるってことですね。分かりました。今後の展開はまたお楽しみにってことで。最後に何か言い残したことがあれば。

中野：「プルースト」はリリック・ビデオも出るんで、楽しみにしててください！