Japanese
Girls be bad
2025年08月号掲載
Member:蝶 りんか まりか あやか
Interviewer:宮﨑 大樹
-うん。野球を連想させる要素はあるけれど、野球ではない歌としても聴こえるバランス感が絶妙ですよね。
蝶:この歌詞を書いたのは松隈アニキなんですけど、アニキが野球狂いなんですよ。
りんか:だから振付も松隈さんがほとんど考えてくださっていて、応援団風の振付になっています。野球のメガホンを叩いて煽ったりとか、太鼓を持ってリズムを取ったり、Aメロでブロックサインを出したり、野球全振りの振付になっていますね。
-皆さんはもともとホークスファン?
蝶:そうですね。小さい頃からホークスの球団歌(「いざゆけ若鷹軍団」)がショッピング・モールとかでずっと流れてたんですよ。
りんか:勝ったらセールになったりして。
まりか:だからみんな歌えるよね。
-その縁でいつか始球式とかに出られるといいですね。
蝶:はい。でもみんな球技が苦手なんです(笑)。
-そのときは練習してノーバンで投げられるようになってください(笑)。そんな「ダイヤモンドクロニクルズ」が実質的な1曲目に置かれていて、次に蝶さんが作曲した「NAS -No Answer Syndrome-」へと続きます。これ、歌詞が面白いですね(笑)。
蝶:最初からタイトルが決まっていたんですよ。私自身は"そもそも「NAS」ってなんだろう"というところから始まって、ネットで調べたら何かの記憶装置っぽいと。で、そこからは連想ゲーム的な感じで、機械のNASから食べ物のナスとか、そんな感じで特に頭を使わずに30分とかで1番を書きました。ラップっぽいところはもともとメロディが違ったんですけど、韻を踏んでラップに書き換えて歌詞を出したらメロディも採用されましたね。それからレコーディングをするとなったときに、実際に糸島のスタジオでNASに全然繋がらない事件があったらしくて(笑)。そんな曲が今回のアルバムのリード曲になりました。自然と身体が乗ってすごくキャッチーな曲ですね。
あやか:すごい歌詞だなと思ったんですよ。四字熟語も出てきて、蝶ちゃんらしさが出てますね。
蝶:四字熟語が好きなんです。
松隈:この曲のMVは、"トロン"みたいに彼女たちがゲームの世界に吸い込まれていって、バイクで走り回るやつをAIで作ろうかと思っています。断言はできないんですけど、今回もMVを16本作ろうと思っているんですよ。去年も16日連続公開したので、今回もやらなきゃいけないなって。
-「NAS -No Answer Syndrome-」以外にも、今回のアルバムではメンバー作詞の楽曲が多く収録されています。
りんか:まりかの歌詞が一番多かったよね。何曲?
まりか:6曲(Girls be bad名義含む)。最初に手を付けたのは「不完全燃焼ダンダンダンダダン」という曲で。以前福岡の野外イベント("Bayside Music Jamboree 2025")に出たときに、あやかがステージ上で焼き鳥を食べてそれをSNSにアップしたらプチ炎上したことがあったんですよ。今のSNSってすぐに炎上するじゃないですか。そういうことがあったので、アンチに向けて書こうと思って。1番はなんでもかんでもSNSにアップする人で、2番はそれに乗っかる人たちについて書きました。
りんか:レコーディングは"踏みつける感じで歌って"って言われたよね。
まりか:うん。アンチをもっと煽るような感じ。きれいに歌うよりは、だるそうに歌う感じでやりましたね。
-サウンド面はシティ・ポップっぽい、オシャレな面もありますよね。あえてこういうサウンドにこういう歌詞をはめていった?
まりか:最初に聴いたときにかわいい印象だったので、ギャップというか、逆の歌詞を入れたらアンチの人はもっと腹立たしいだろうなって(笑)。炎上しても"この歌があるし"って言えるような曲を作ってみたかったんです。他のアーティストさんがしたら炎上どころじゃないですけど、私たちは無敵、唯一無二の存在だと思ったので、そういう歌詞にしましたね。
-Girls be badにはそういうパンク・スピリッツがある。
蝶:みんなあると思います。悔しいことがあったときは"もうダメだ"とかじゃなくて、"クソ! 悔しい!"ってなるんです。みんな反骨心がある。
-歌声に特徴があるし、ヴィジュアルもいいのはもちろんですけど、そういう内面も見て選ばれた4人なのかもしれませんね。
松隈:最終審査のたった16人から選んだだけなんですけどね。最高のメンバーですよ。
あやか:性格は全員違うんですけど、考え方が似ているし、食の好みも似てます。
蝶:4人でご飯によく行くんですけど、(注文する)メニューがほぼ一緒だよね。みんなチーズナンが好き。
一同:(笑)
-曲の話に戻ると、まりかさん以外も「不完全燃焼ダンダンダンダダン」みたいに、リアルタイムで感じていることを歌詞に落とし込むことが多かった?
あやか:そうですね。私が歌詞を担当した「ウミカジサンセット」は、GBBとして活動している自分と、学校の軽音部でバンドをしている両方との葛藤とか、そんななかでも"音楽が好きだ"という気持ちを歌詞にしたんですけど、最初に提出した歌詞が全体的に暗すぎたんですよ。この曲は沖縄っぽく作った曲だったんですけど、私がそれを感じ取れなくて暗い歌詞になってしまったので、松隈さんに部分部分を沖縄っぽく変えてもらったら、同じ意味なのにすごく曲に合った歌詞になったので、とても勉強になりました。もっと作詞を頑張りたいなと思ういい機会になりましたね。
-りんかさんが作詞した「ボンジュール君はどこ?」についてはどうですか?
りんか:仮歌のタイトルからもともと"ボンジュール君はどこ?"だったので、フランスの恋みたいな、絵本に出てくるようなお話にしたいなと思ったんです。GBBっぽくはないかもしれないけど、恋をしてるかわいい感じの、絵本っぽい楽曲になっています。
-少女漫画的な世界観ですよね。そこは自分らしさというよりは物語を想像した?
りんか:そうですね。経験談とかではないんですけど(笑)、こういう物語があったらいいなって。
-自分のことじゃない歌詞が書けるのは世界観が広がっていいですね。GBBっぽくはない歌詞を歌うなかで、レコーディングはどうでしたか?
蝶:最後に"この明日は僕らのもの"というフレーズがあるんですけど、そこは全てを開放する感じで、手を広げて、めちゃくちゃ広い場所で歌っている意識で、めちゃくちゃ気持ち良く歌ったのを覚えています。
あやか:サビを何回も録ったんですけど、"ドームで歌ってる、世界一の歌姫になった気分で歌って"と言われたんです。実際に目をつぶって想像してやってみたら、倍の気持ちを込められた気がします。想像して歌うと全然違うなと思いましたね。
-「Happy la la life」はメンバー全員の作詞になっていますね。
まりか:独創的な歌詞を作ろうみたいなのがテーマでした。仮歌から松隈さんが書いた"エビのしっぽは/Gの羽とおなじ素材です"というのが入っていたんですけど、そこのインパクトが強すぎて、そっちに寄せて独特な歌詞に挑戦してみました。
あやか:そんな中で私はラスサビで感動的な歌詞にしました。
-"コアラの指紋は人間と/そっくりで見分けがつかないんだよ"とか雑学が続くのに、最後に感動的というギャップがいいですね(笑)。レコーディングはどんな意識で?
蝶:"子供番組みたいな明るい感じで歌って"という指示があったので、小さい子に聴かせるような感じでやりました。
まりか:うん。ロックというよりはかわいく。
あやか:A、Bはかわいく歌って、サビは力強く、みたいな感じです。
蝶:今ちょうど振付をみんなで考えていて。絶対に他のグループはしないだろうなっていう振付を出し合っています。
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