Japanese
私立恵比寿中学
2021年09月号掲載
Member:真山 りか 桜木 心菜 小久保 柚乃 風見 和香
Interviewer:宮﨑 大樹
エビ中(私立恵比寿中学)は時を刻み続ける。結成15周年、20周年を視野に入れて、年始に新メンバーのオーディション開催を発表。7年ぶりの新メンバーである桜木心菜、小久保柚乃、風見和香の3名が加入し、さらに休養中だった安本彩花の悪性リンパ腫が寛解して、グループに復帰を果たした。新たな9人体制でのニュー・アルバムのリリースと、お披露目ライヴを控える新生エビ中。今回は初期メンバーの真山りかと、新メンバー3人に話を訊いた。なお、このお披露目ライヴは取材後に新型コロナウイルス感染拡大の状況を顧み中止に。だが、彼女たちの想いを伝えるべく、あえて話題をカットせずにお届けしたい。
-年始に"もっと、もっと、もっと、エビ中!"というテーマを掲げて新メンバーのオーディションを開催しました。7年ぶりに新メンバーが入るということを、初期メンバーの真山さんはどう感じていましたか?
真山:新メンバーを入れるという話は、6人になった当初からずっと上がっていた話なんです。"ebichu pride"(私立恵比寿中学新春大学芸会 ~ebichu pride~)というライヴを経て、いったん6人で活動していくことになりました。オーディションを開催するとか、そういう話が出たのは1~2年くらい前の話ですね。いつ発表するか具体的になったのが去年で、今年の頭に発表させていただきました。エビ中は、それまでは固定メンバーで活動するグループではなくて、流動的にメンバーが変わっていたチームだったので、新メンバーが入ってくることに抵抗はなかったですね。かほりこ(小林歌穂&中山莉子)が入ってきたことが成功例というか、かほりこのおかげで私たちが今こうやって活動できていると思うんです。なので、新メンバーが新しい風をエビ中に吹かせてくれて、それで私立恵比寿中学というユニットが今後10年、20年続けばいいなって、すごく前向きに考えています。入ってきた現在も全然違和感がないですし、和香なんて11歳も離れているんですけど、そんな感覚が自分の中になくて。現段階でいいチームになる予感しかないですね。
-そんな新メンバー3人の桜木さん、小久保さん、風見さんは、改めてオーディションの日々を振り返ってみてどうですか?
桜木:(合宿では)課題曲が増えたり、初めて覚えるダンスがあったり、すごく大変なこともあったんですけど、"一緒に戦ったのがこの9人で良かったな"と思っていて。オーディションって、もっとバチバチしていたり、どこかギスギスしていたりする部分もあるから、もしそうだったらメンタル的にもっときつかった気がします。9人でお互いに助け合ったり、一緒に教え合ったりすることで仲間意識も生まれてきて、楽しく一緒に戦えました。スタッフさんも優しく接してくださったし、エビ中のお姉さん方が登場したときはちょっと怖かったんですけど(笑)、ひとりひとりの目を見て、真剣に私たちについて愛のあるコメントをしてくださったので、すごく優しいんだろうなと伝わってきて。いい経験をした4日間だったなと思います。
小久保:合宿はいろんなことが詰め込まれた期間だったから、4日間という感じがしなくて、1ヶ月くらいいた感じがします。9人は、仲はいいけどライバルで、すごくいい関係だったと思いますね。4日間がすごく楽しかった。いろんな曲を覚えられて楽しかったです。
風見:私は合宿というものをしたことがなかったので、合宿自体がすでに初めての経験だったんですけど、そのなかで曲をふたつ覚えることに不安になっちゃって。合宿のときにも言ったんですけど、家に帰りたくて帰りたくて仕方なかったです(笑)。だけど、9人に選ばれたからには、選ばれなかった子たちのぶんまで頑張らないといけないので、合宿の4日間は"あと何日で家に帰れるから頑張ろう"と思ってやっていました(笑)。私はダンスがあまり得意じゃないんですけど、他のチームの子たちが教えてくれたり、心菜はダンスが上手で、同じチームということもあったから身体の動かし方とかをいつも学んでいたりしましたね。すごく不安だったけど、いい経験になりました。
-真山さんから見た新メンバー3人は、それぞれどんな子ですか?
真山:まず、心菜はひと言でいうとめちゃくちゃ今どきの女の子ですね。"エビ中の今どき革命ガール!"の美怜(星名美怜)ちゃんがいるんですけど、ちょっと違った、本当に次世代な感じなんです。画面越し(※取材はオンラインで実施)からも伝わる"いい女感"が年相応ではないじゃないですか(笑)?"同い年かよ!"みたいな感じのオーラを出しています(笑)。すごく大人っぽくて、ファッション・センスも良くて、お顔ももちろんかわいくて、ダンスも抜群に上手。エビ中には新しいタイプというか、ファンの方も、心菜が受かったときに"あ、やっぱりね"と思った人もいれば"意外! エビ中にこういう子が入るんだ!"と驚いた人もいたと思うんですよ。心菜のそういう部分が、エビ中が求めている新しい風になっていくんじゃないかなと思いますし、そうなってほしいですね。
-続いて、小久保さんについてはどうですか?
真山:柚乃は、合宿のときもそうだったんですけど、本番に強いタイプだなと思っています。合宿の最後に3人×3チームでエビ中の曲を披露してくれたときに、リズムが崩れてもなんとか踊りだけは持ち直そうと頑張る、でも歌は捨てちゃってる――みたいな状況で、それでも最後まで諦めずにやってる姿勢が自分の中にすごく響いて。"この子、諦めない子なんだな"と感じました。そういうところもですし、この前ラジオの公開収録があって、そのときに誰よりも最後までお客さんに手を振っていたので、ステージに上がるのがとても得意な子なんだなと感じましたね。そういうところがこれからエビ中のファンの人に響いてくれたらいいなと思っています。
-なるほど。
真山:あとは......本当に面白いです。赤ちゃんなんですよ。しっかりした一面もありながら、エビ中一の赤ちゃん。エビ中に入ってからはあんまりしっかりした一面は出てないですけど(笑)、具体的に言うと、何言ってるかよくわからないところがあって(笑)。柚乃の友達の話を急に話してきたりして、会話が突拍子もないところから始まるんです。子供特有にあるじゃないですか? お母さんに話すときとか。そういう面白い一面がエビ中の武器になってくるんじゃないかなと思っています。
-では、風見さんについてはどうでしょう?
真山:和香は、真面目です。ずっと真面目。お披露目の日に初めて楽屋が一緒になったんですけど、そのときに私たちの行動とか、いろんなことを小さな手のひらサイズのメモにずっと書いていて。そんな人、エビ中に今までいなかったんですよ。もちろん誰でもメモは取りますけど、セットリストとかの紙をいただいてそこにメモするくらいの感じだったんです。自主的にわざわざメモ帳を用意してメモをする行為をしている子が今までいなかったから、"うわ、真面目だ! この子!"って。さっき"ダンスが得意じゃない"と言っていたんですけど、私はそんなこと全然思いませんでした。それは彼女の真面目さ、ひたむきに頑張る姿勢がすぐに結果として表れたからなんでしょうね。エビ中に入ってからも、すぐに歌詞を覚えてくれて、ダンスの質問とかもしてくれて、そういう努力の姿勢がめちゃくちゃ見える子なので、エビ中で報われてほしいし、報われるために"私たちも頑張らなきゃ"って尽くしたくなるような子ですね。
-"次世代感"に"赤ちゃん"に"真面目"。3人とも個性がはっきり分かれているし、且つ今までのエビ中にいなかったタイプで、まさに新しい風が吹いている感じがしますね。合格から約3ヶ月経ちましたけど、エビ中に起きた変化はすでにありますか?
真山:今の9人のエビ中になって"こう変わりました"みたいな具体的な変化は、自分たちでは感じてなくて。もしかしたら見てくださっているみなさんのほうが、変わっているように見えるんじゃないかなと思いますし、そうだったら嬉しいですね。
-3人が加入したことに加えて、もうひとつの大きなトピックは、悪性リンパ腫で休養していた安本さんが帰ってきたことですよね。嬉しいのはもちろん言うまでもないと思うんですけど、どんな気持ちで安本さんの帰りを迎えていましたか?
真山:まずはやっぱり嬉しいです。やす(安本)が休んで5人になってから約1年近くありましたけど、やらなければいけない大きなライヴがたくさんあって、乗り越えなきゃいけない壁もたくさんあって。まずはお客さんファースト、来てくださっている方を満足させるんだという想いで、がむしゃらに5人でやっていましたね。やすが帰ってくるという"保証"はないけど"確信"はあるというか、絶対に帰ってくると信じていたので、そこは不安にならずに、今できる自分たちの精一杯のパフォーマンスをするんだという感じで、ずっと帰りを待っていました。
-そうだったんですね。
真山:今だからこそ、帰ってきたからこそ言えることなんですけど、やっぱり自分たちでもやすの穴は感じていたんです。それを埋めるためにパフォーマンスをしているから、どんなにいいライヴをしても"やすがいないからエビ中は未完成だ"という言葉があると、ちょっとしんどい部分が途中はありましたね。最強の5人で、彩花が帰ってきたらもっと最強になると言ってくださる方ももちろんいましたけど。5人でも完成させなければいけない、5人で完成させて、さらにやすが入るからという言い方をしてもらえるぐらいのパフォーマンスをしなければという責任は感じていました。だからこそ、こうやってやすが帰ってきてくれて、新メンバーの3人も入ってきてくれて、完成型でエビ中をお見せできる機会を"ファミえん"でいただけて、心機一転頑張ろうという気持ちです。6人としての完成は"THE FIRST TAKE"があったので、6人のエビ中としては満たされている気持ちですね。
-その"THE FIRST TAKE"では「なないろ」(2017年リリースの4thフル・アルバム『エビクラシー』収録曲)と「ジャンプ」(6thフル・アルバム『playlist』収録曲)の2曲を公開していましたね。ものすごい反響で。
真山:みなさんがエビ中を支えてくださってるからの結果、みなさんのおかげだと感じています。ここ数年はいいお知らせ以上に心配させてしまうことのほうが多かったんですけど、嬉しいことだと周りの友達からLINEがたくさん来るんだなと思いましたね。
-「なないろ」はエビ中にとって大切な曲ですし、「ジャンプ」は曲提供をした石崎ひゅーいさんとのコラボでしたけど、この2曲の選曲に関してはどう感じてましたか?
真山:"THE FIRST TAKE"に出させていただけることになったときに、どの曲がいいかという会議になって。エビ中には大事な曲がたくさんあるんですけど、その中でも特に大切なときに歌われてきた楽曲で、ファンの人も一番思い入れが強くて、7月16日に公開する意味がある曲としては「なないろ」が適切だと思って選びました。「ジャンプ」は、6人のエビ中では一番の勝負曲だと思っているんです。その勝負曲を、しかも寛解した彩花がメインで、6人でパフォーマンスできるとなったら、やっぱり「ジャンプ」を歌いたいなと思いました。
-3人は"THE FIRST TAKE"の映像を観てどう感じましたか?
風見:この2曲は6人にとってすごく大事な曲で、気持ちを込めて歌ってるんだなと伝わってきました。私は、ダンスよりは歌が得意なほうなんですけど、お姉さんたちには全然敵わないので、歌もダンスもお姉さんたちに早くついていけるように頑張りたいなと思いましたね。
桜木:やっぱりお姉さん方はすごいなというのが一番で。ライヴ映像の迫力もすごいんですけど"THE FIRST TAKE"では、"歌を魅せる"のが本当にカッコ良かったです。お姉さん方のひとりひとりの目がすごく輝いていて、ひとつの道筋を見ているような感じがしました。私はまだ歌が不得意な部分があるので、私も頑張らなきゃと思わされましたね。
小久保:みんなの歌っている姿がすごくカッコいいし、いつものレッスンのときとは雰囲気が全然違って。2曲の中でも雰囲気が違って、こんなにすごい人たちのところに自分たちは入ったのかと思いました。頑張らなきゃと感じましたね。
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