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INTERVIEW

Japanese

めろん畑a go go

 

めろん畑a go go

Member:中村ソゼ 琉陀瓶ルン 崎村ゆふぃ 知世千世 あみのころみ

Interviewer:宮﨑 大樹

-本作では4曲中2曲のタイトルに"哀"の文字が入り、全曲に"アイドル"("IDOL"、"哀$")の文字が入っていますよね。"哀しみ"と"アイドル"が凝縮されている作品というか。

ソゼ:その通りすぎて言うことないです(笑)。もう! 全部言っちゃうからー!

ルン:あと、この5人になってありがたいことにいろいろ展開してもらって、地下アイドルとして扱われなくなっているから、改めて"地下アイドルですよ"と提示しているのかもしれない。"どこまで売れても地下アイドルです"みたいな。

ゆふぃ:私たち、それを言い続けているので。たとえ売れても、"地下アイドルは、地下アイドル"みたいな。そういう想いも詰まってるかもしれないですね。他の曲でもタイトルに"アイドル"と付いてる曲が多いので、プロデューサーがすごくこだわってるのかな。

-"地下アイドルとして扱われなくなった"というのは、どういうことですか?

ルン:例えば、前は"ギュウ農フェス"に出るために、そこに集中して"死にものぐるいでやりましょう!"みたいな感じだったんですけど、最近は自分たちが置いていかれるくらいのスピードでポンポンポン! と出演が決まってきて。

千世:活動規模がちょっと大きくなってきたのかも。

ルン:そうしていると、久しぶりに来た人から"遠くにいっちゃったね"と言われたりして。

ゆふぃ:人が増えすぎて"行列が多いから並びたくない"とかも。

-それはコロナ禍になってからの変化ですか?

ころみ:そうですね。

-それってすごいことですよね。多くのグループは集客面でどうしても停滞しがちな時期だと思うんですけど。

ソゼ:ずっとやっていると、お休みしてるところのアイドル・オタクさんたちが、行き場を失って来てくれるのかも(笑)。

ころみ:お友達を連れてきてくれたりもします。最近はそういうきっかけが増えてるよね。

-"わからないまま、ただ走る"と言いつつも、ちゃんと結果を出せているじゃないですか。インタビューは久しぶりだし、リリースするのは哀愁の漂う作品だし、みなさん元気がなくなってるのかなと思ってたんですよ。

ころみ:それは1ミリもないですね!

ルン:ナメてもらっちゃあ困りますよ(笑)。

-それなら良かったです。でも、そういういい状態のときに、この作品ができたわけじゃないですか。そこに対するギャップはなかったんですか?

ソゼ:やれていたけど、もしコロナ禍じゃなかったらもっとできていたとも思うので、この1年は理想通りではないかもしれないです。あと、コロナが原因で、今まで一緒にやってたアイドルさんでも考え方の違いが出てきちゃって。主催が一番やりやすいという形になっちゃったから、孤独と言えば孤独かな。

ゆふぃ:たしかに、新しく出会うことが最近はないかもしれない。

ころみ:そうだね。初めましてが少なくなった。だからちょっとさみしいです。でも新曲では"だけど僕らは孤独じゃない"と歌ってます!

ソゼ:どっちなんだ(笑)!

-(笑)じゃあ自分たちの気持ちとは逆の作品というわけではないんですね。

ソゼ:歌うことに違和感はなかったかもしれないです。

-作品全体の印象はどうでした?

ゆふぃ:私は夏にしては哀しい曲を持ってきたなと思いました。

ころみ:夏の終わりの夕方とかに聴いたら、泣いちゃうよね。

ゆふぃ:前のミニ・アルバムは「海賊QUEEN AMAZONES」があったからかもしれないけど、夏っぽさが強かった気がする。派手でハッピーな曲が多かった。でも、人ってハッピーのあとにズンと来たりするじゃないですか。遊園地の帰り道みたいな。感情って月単位で流れがあると思うんですよ。だからそういう感じかなって。ハッピーのあとの、もの哀しさみたいな。だからこの作品を出してきたのかなと感じました。

-結果的に、めろん(めろん畑a go go)には珍しく哀しさが濃い作品になった。

ソゼ:めろんでこういう感じの曲を出すと思ってなかったから、客観的に見ると不思議かも。最初から辿っていくと、想像できない方向に行ったなと思います。

ゆふぃ:今までは暗い曲があっても暗い感じがしなかったんですけど、今回は暗いし、バラードっぽい感じも初めてかも。

-哀愁が漂うというか。

ソゼ:哀愁! 哀愁ですね!

-4曲の収録順に起承転結があるので、収録順に聞いていきたいと思うんですけど、「哀しきIDOL」は1曲目からまさに哀愁が漂う曲ですね。

ゆふぃ:どうしても昭和感を感じる。ボロボロのアパートとか、ちゃぶ台、はがれかけのポスターとかがある、めちゃくちゃ渋いイメージ。最初に聴いたときは南こうせつさんの「神田川」っぽいなって。あれも悲しい別れの歌だから、ちょっと通じるものがあるのかなと思いました。

-この曲、道を見失ったアイドルとそのファンのことを歌った曲にも思えて。

ソゼ:これ、女の子がアイドルになると決めて男の子の恋が終わる、みたいな、お別れする曲なんですよ。

-あぁ、そういう歌詞なんですね。解釈が間違ってました。てっきりコロナ禍でのアイドルとファンのことを歌ってるのかと。

ルン:そういうふうにも聞こえますよね。

ゆふぃ:実際のテーマはありつつ、聴いてる方に解釈を委ねてるとも思うので、アイドルとオタクとして聴くのもありです。

ルン:木下さんがこの歌詞を書くのが面白いよね。GPR(GOLLIPOP RECORD)は、なんでもOKみたいな感じなのに。

千世:"アイドルになるんだったら、こんなことしてちゃいけないよ"みたいなメッセージが込められてると言ってたよね。

ゆふぃ:男の子側がそう思って、それで手を離すみたいな。

ころみ:でも、女の子は別れたくないんじゃないのこれ?

ルン:じゃあアイドルになるなよ(笑)!

ころみ:アイドルの鏡がここにいます(笑)。

-ミュージック・ビデオはもの哀しい雰囲気もありつつ、宇宙人がたくさん出てきたりして意外とシュールな仕上がりですよね。

ソゼ:MVはアイドルに焦点を当ててましたね。歌詞だけを見ると、めちゃくちゃ人間ぽい。今までの歌詞とかは、宇宙とか、現実離れしてたから。

ルン:うん。これまではファンタジー要素が強かったけど、この曲は生々しくて人間ぽいね。

-映像としてもサウンドとしても、後半の走り出していく感じがすごくいいですよね。

ルン:そこがポイントです。

ソゼ:すごく好き。

-これもいろんな解釈があると思うんですけど、別れを経験してそこから走り出す、みたいな。"わからないまま、ただ走る"感が本当によく出ていて。

ルン:たしかに。正解がない感じですよね。

-興味深いのが、ミュージック・ビデオで走っている部分は、ダンスだと静止しているということで。映像とは逆の方向に行っているんですよね。

千世:変に動くところじゃないなと個人的に思って、止まる振付にしたいと言った気がする。

ルン:止まりながら気持ちを表現するというのがあんまりないから、新しい表現って感じかも。ここで気持ちを込めて、そのあとにどんどん速くなっていくから、自分の中でも最後に向けて盛り上がっていける感じはあります。