Japanese
めろん畑a go go
Skream! マガジン 2023年06月号掲載
2023.05.25 @CLUB CITTA'
Writer : 宮﨑 大樹 Photo by 倉林和泉
"めろん畑a go goは、普段は地下アイドルとして地に根を張って生きていますけど、根っこのある木というのはですね、強いんですよ!"(中村ソゼ)
コロナ禍のライヴ規制や世間の風当たりといった逆境に負けず、強い生命力と精神力でファンと共に生き抜いてきた彼女たちは、この日CLUB CITTA'に帰ってきた。その姿は、まさに"サイドキックなヒーローアイドル"そのものだったのだ。
めろん畑a go goが新体制初のミニ・アルバム『WHITE MELON』、『BLACK MELON』を引っ提げて回った全国ツアー"SICK×IDOLS×SICK JAPAN TOUR 2023 -嗚呼!IDOL真っ最中!-"。そのツアー・ファイナルが3時間にわたる超ボリュームで行われた。
公演はヒーローショーを思わせる短い劇で幕を開けた。地球制服を目論むゴリラ星人、地球に人間牧場を作ろうとするオオカミ星人がCLUB CITTA'に現れるが、そこへめろん畑a go goが駆けつける。中村ソゼが"どうだい? ここはいったん休戦としゃれこんで、僕らのライヴをみんなで観てみるってのは?"と侵略者たちに休戦を持ちかけ、「めろん畑a go goの「嗚呼!IDOL真っ最中!」」をパフォーマンス。"コロナ禍が明けるからこそ、離れたお客さんにも戻ってきてほしい"とメッセージを込めた1曲を届けていく。レッキンと呼ばれるサイコビリーのモッシュなど、特異な盛り上がりをする彼女たちのライヴは、コロナ禍の制限でがんじがらめになっていたところがある。冬を忍び、春の訪れをずっと待ち続けていた彼女たちが、制限が撤廃されたこのツアー・ファイナルで生命力を迸らせる姿にはグッと来た。
めろん畑a go goがいったんステージを離れ、オープニング・アクトの"さかさまJr."が登場。アイドル・ソングのカバーを数曲披露してCLUB CITTA'を大いに温めてから、黒を基調とした衣装を身に纏った"めろん畑a go go BLACK"(中村ソゼ、琉陀瓶ルン、崎村ゆふぃ、知世千世、玖月琴美)にバトンを繋いだ。"BLACK(めろん畑a go go BLACK)"は「Texas Blue」で口火を切り、間髪入れずに楽曲を畳み掛けていく。「ゾンビーブルース」で狂気を孕んだ怪しげな空気を作り上げたり、「スピーナッツ」では熱量の高さを見せたりと、"BLACK"ではめろん畑a go go楽曲のクールな一面をより押し出しているような印象だ。彼女たちのパートは、壮大な音世界を作り出す「シルバージェットと僕たちの物語」でフィニッシュ。再び登場したさかさまJr.が転換のあいだを繋げるが、なんと川崎に怪獣が現れるという緊急事態が発生!
――という体で劇が始まり、これに対処するため"めろん畑a go go WHITE"(中村ソゼ、琉陀瓶ルン、崎村ゆふぃ、知世千世、皆野うさこ)がステージに立つ。"WHITE(めろん畑a go go WHITE)"の1曲目は、めろん畑a go go楽曲の中でも異彩を放つ「撃つな琉陀瓶!」だった。特撮の世界で"ワンダバ"とも呼ばれるジャンルを違和感なく歌いこなせるのは、アイドル・シーン広しと言えども、彼女たち以外にそういないだろう。続く「GPC」では、めろん畑a go goの名物とも言えるレッキンが発生。"WHITE"はその後も、ロカビリーやサイコビリーの音楽をアイドル文化と融合させた唯一無二の音楽性で、ラストの「哀しきIDOL」まで駆け抜けていった。
"BLACK"、"WHITE"、"さかさまJr."のパフォーマンスだけでも大満足のボリュームだったが、ライヴはバンド編成の"めろん畑a go go RED"でさらなる熱量を生んでいくことになる。"RED(めろん畑a go go RED)"は、1曲目の「PSYCHO KUNG-FU」からバンド編成ならではの生々しいサウンドと強い音圧で、CLUB CITTA'を席巻していった。そんな楽器隊の演奏に背中を押されて、メンバーのパフォーマンスがさらに熱を帯びていくのがわかる。客席では十字架を模したオブジェが舞い、なかなかにカオスな様相だ。そもそもめろん畑a go go楽曲にはTHE MONSTER A GOGO'Sをはじめとしたバンドのカバー曲が数多くある。だからこそ、アイドルの中でも、特にバンド編成との相性の良さを感じさせた。
中盤では崎村ゆふぃがメイン・ヴォーカルになる「STILL DEAD OR ALIVE」や"チームゴミ虫"(中村ソゼ&琉陀瓶ルン)による「WIPE OUT IDOLS」など、特定メンバーにフォーカスした楽曲も挟み、長時間のライヴながらもまったく飽きを感じさせない。いつしか冒頭のゴリラ星人やオオカミ星人もステージに上がりはじめ、サーカスを彷彿とさせるカオスなエンタメの世界ができあがっていた。そんななかでもこの日のハイライトになったのは「GIVE ME SOMETHING」だろう。ゆったりとしたAメロのあいだに観客が肩を組んで巨大な円を作り、サビになると一斉に激しいモッシュが起きる。破壊されて十字架ではなくなった棒状の物を持って笑顔でどつき合うオーディエンスも現れはじめ、混沌としつつも平和な空間が広がっていく。そんな"めろん畑a go go RED"は、全15曲をパフォーマンスし、ラストの「マニアック」で本編を仕上げた。
アンコールは「Still Monster Go Go Mansion」から始まった。「SURFIN'BIRD」ではオオカミ星人がフロアに乱入したかと思えば、中村ソゼはそんな客席へダイブする。様々な物質が会場中を飛び交い、メンバーは金切り声を上げ散らかすというハチャメチャっぷりが最高だ。最後は、The Paint It Blueのホリー(Ba/Vo)がステージに呼び込まれ、同バンドの楽曲「嗚呼!青春真っ最中」をカバーした「めろん畑a go goの「嗚呼!IDOL真っ最中!」」のバンド・セット・バージョンで締めくくる。これで終演かと思われたが、ダブル・アンコールを求める声に応え、もう1曲披露することに。すると中村ソゼが、本公演のポスターを描いた"かに山たら四郎"への感謝、そしてメンバーの主演映画"メラゴ・ラゴラ"のメイン・ヴィジュアルを手掛け、5月15日に逝去した漫画家の崇山祟への想いを涙ながらに語る。めろん畑a go goは会場からの温かい声に包まれながら、ふたりとゴーゴーズ(※ファン)に向けて代表曲の「めろん畑a go go」を高らかに歌い上げ、ツアー・ファイナルは大団円を迎えた。
めろん畑a go goのライヴは色眼鏡で見られることもある。だがそこには、笑顔、情熱、愛といったポジティヴなものしか存在しないように筆者は思えた。
[Setlist]
■めろん畑a go go
1. めろん畑a go goの「嗚呼!IDOL真っ最中!」
■さかさまJr.
1. おいでよさかさまJr(ショート ver)(クマリデパートカバー)
2. スイート・セレブレーション!(寿々木ここねカバー)
3. ネコちゃんになっちゃうよ~(クマリデパートカバー)
4. SAMA-DREAMING(SAKA-SAMAカバー)
5. 朝日のようにさわやかに(SAKA-SAMAカバー)
6. nerve(BiSカバー)
■めろん畑a go go BLACK
1. Texas Blue
2. ゾンビーブルース
3. スピーナッツ
4. The IDOL From Outer Space
5. 荒野のIDOL
6. シルバージェットと僕たちの物語
■さかさまJr.
1. スイート・セレブレーション!(寿々木ここねカバー)
■めろん畑a go go WHITE
1. 撃つな琉陀瓶!
2. GPC
3. サングラスマン
4. TRAIN
5. I WAS A TEENAGE ALIEN
6. 哀しきIDOL
■めろん畑a go go RED
1. PSYCHO KUNG-FU
2. IDOL FROM PLAN9
3. STILL HEAVY SITMAN
4. Horror Billy Nights
5. SFホラー
6. イカすぜIDOL
7. ダンスホール
8. STILL DEAD OR ALIVE
9. WIPEOUT IDOLS
10. Change The Wolfman
11. NIGHTMARE BEFORE VAMPIRE
12. GIVE ME SOMETHING
13. LIAR
14. SICK IDOLS
15. マニアック
En1. Still Monster Go Go Mansion
En2. サタデーナイトフィーバー
En3. SURFIN'BIRD
En4. めろん畑a go goの「嗚呼!IDOL真っ最中!」
W En. めろん畑a go go
- 1
LIVE INFO
- 2025.04.03
-
WtB
SPINN
KANA-BOON
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
リーガルリリー
- 2025.04.04
-
chef's
THE YELLOW MONKEY
envy
藤巻亮太
君島大空
KANA-BOON
FUNKIST
四星球
荒谷翔大 × 森田美勇人
緑黄色社会 / 乃木坂46
SCANDAL
Conton Candy
トンボコープ
- 2025.04.05
-
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
HY
WANIMA
Ayumu Imazu
超能力戦士ドリアン
fox capture plan
PIGGS
chef's
君島大空
3markets[ ] / yutori / なきごと / Bye-Bye-Handの方程式 ほか
Hump Back
Keishi Tanaka
サカナクション
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
FUNKIST
WtB
FINLANDS
This is LAST
RAY×BELLRING少女ハート
a flood of circle
OKAMOTO'S
フラワーカンパニーズ
OGRE YOU ASSHOLE × GEZAN
J.A.S
The Biscats
The Ravens
YOASOBI / キタニタツヤ / MAISONdes / NOMELON NOLEMON ほか
SUPER BEAVER
ExWHYZ
SCANDAL
INORAN
sumika
BLUE ENCOUNT / ヤバイTシャツ屋さん / キュウソネコカミ / THE BACK HORN ほか
indigo la End
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
kobore
ずっと真夜中でいいのに。
ユアネス
- 2025.04.06
-
HY
fox capture plan
超能力戦士ドリアン
超☆社会的サンダル
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
藤巻亮太
THE BACK HORN
神はサイコロを振らない / ハンブレッダーズ / シンガーズハイ
OKAMOTO'S
サカナクション
ハク。
moon drop
緑黄色社会
RAY×BELLRING少女ハート
a flood of circle
フラワーカンパニーズ
渡會将士
ASIAN KUNG-FU GENERATION × Chilli Beans.
The Ravens
Appare!
YOASOBI / Creepy Nuts / Aooo / 秋山黄色 ほか
SUPER BEAVER
sumika
ACIDMAN / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / ゲスの極み乙女 ほか
雨のパレード
ずっと真夜中でいいのに。
- 2025.04.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
- 2025.04.09
-
片平里菜
WANIMA
never young beach
Saucy Dog
yama
WHISPER OUT LOUD
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
詩羽 × CENT
KANA-BOON
- 2025.04.10
-
Maki
a flood of circle
Saucy Dog
yama
SIX LOUNGE
シド
- 2025.04.11
-
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Omoinotake
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
THE BACK HORN
Maki
セックスマシーン!! × KiNGONS
FINLANDS
Hump Back
GLASGOW
FUNKIST
moon drop
緑黄色社会
ビレッジマンズストア
LOSTAGE / EASTOKLAB / peelingwards ほか
藤巻亮太
"SYNCHRONICITY'25 Pre-Party"
ネクライトーキー × Wienners
Cö shu Nie
Awesome City Club
WANIMA
Plastic Tree
- 2025.04.12
-
片平里菜
PIGGS
moon drop
yutori
indigo la End
SUPER BEAVER
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Omoinotake
go!go!vanillas
a flood of circle
古墳シスターズ
GOOD ON THE REEL / ポップしなないで / 渡會将士 / 藤森元生(SAKANAMON)ほか
セックスマシーン!! × KiNGONS
サカナクション
SCOOBIE DO
フラワーカンパニーズ
GLASGOW
DYGL / トクマルシューゴ / YOGEE NEW WAVES ほか
MAN WITH A MISSION
THE BAWDIES
Panorama Panama Town
CNBLUE
緑黄色社会
超能力戦士ドリアン
Novelbright
chef's
The Ravens
INORAN
ねぐせ。
Ayumu Imazu
怒髪天
cinema staff / ヒトリエ / UNISON SQUARE GARDEN / ONIGAWARA ほか
Ochunism
"SYNCHRONICITY'25"
"下北沢こがでらロックフェスティバル2025"
にしな
マルシィ
THE ORAL CIGARETTES
- 2025.04.13
-
片平里菜
PIGGS
Maki
THE BACK HORN
SUPER BEAVER ※振替公演
go!go!vanillas
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
ACIDMAN
藤巻亮太
a flood of circle
古墳シスターズ
The Ravens
セックスマシーン!! × KiNGONS
FINLANDS
サカナクション
THE YELLOW MONKEY
超☆社会的サンダル
SCOOBIE DO
LOVE PSYCHEDELICO / The fin. / 荒谷翔大 / 幽体コミュニケーションズ
MAN WITH A MISSION
THE BAWDIES
Cö shu Nie
DENIMS
岸田教団&THE明星ロケッツ
CNBLUE
Novelbright
Ado
Mega Shinnosuke / Conton Candy / トンボコープ / TOOBOE / Aooo ほか
ヒトリエ
Panorama Panama Town
四星球
怒髪天
cinema staff / 9mm Parabellum Bullet / アルカラ / ストレイテナー ほか
Tempalay
ハク。
原因は自分にある。
パスピエ
"SYNCHRONICITY'25"
THE ORAL CIGARETTES
- 2025.04.14
-
YONA YONA WEEKENDERS
ELLEGARDEN × FEEDER
RELEASE INFO
- 2025.04.02
- 2025.04.03
- 2025.04.04
- 2025.04.05
- 2025.04.06
- 2025.04.07
- 2025.04.09
- 2025.04.10
- 2025.04.11
- 2025.04.12
- 2025.04.15
- 2025.04.16
- 2025.04.17
- 2025.04.18
- 2025.04.23
- 2025.04.25
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
yama
Skream! 2025年03月号