Japanese
カノエラナ
2019年08月号掲載
Interviewer:吉羽 さおり
-今の話を聞いているとすごく楽しそうな気がしますけど、でも仕上がった曲って、そんなに楽しい感じでもないですよね。あまり引っ張り出したくなかったことも肯定しなきゃいけない作業みたいな感じがある。
そうですね(笑)。地元はめちゃくちゃ田舎なんですけど、そこから東京に行く人ってあまりいないので。"あの人東京に行ったらしいよ"とか、そういう噂話ってやっぱりみんな好きじゃないですか。で、ないようなことも盛り盛りにして言われるし、そういうのも思い出したりして。あのころ面倒くさかったなとか。でも今は振り切ってもいるし、楽しいことも、良くなかった思い出も全部含めて、引き出してくれたので。そこも隠さずに書いて、全部埋めてしまえ! っていう曲ですね。
-ここもまた弔いましょうと。
はい、まとめてチーンという感じで。
-そのくらい、地元から東京に出て行って何かしようっていう人は少なかったんですかね。
いないですね。なかなか、ないと思います。私自身も偶然、友達から誘われた唐津市という小さな街の音楽の大会に応募しようよっていう話に、悪ノリしてやってみようっていうのがなかったらここにいなかったし。音楽をやろうと思っていなかったので。私は得をしてるなと思いますね。
-きっかけを貰えて、でも自分で大きくできたわけじゃないですか。やりたいことになったというか。
感謝ですね。周りに感謝しながらも、恨みもあるしっていう、いろいろありつつで。うまくできてるなと思ってます(笑)。
-歩んできたぶん、過去を振り返るといろいろ出てきますね。
しかもそれが鮮明じゃないですか。そのときにはわからないことも多いですけどね。この人っていい人なのか悪い人なのかとかも、それが過去になってみないとわからないもので。経験って、そういうところから積んでいけるんだろうなって思います。
-ようやく振り返られるような時間にもなったんですね。
音楽やり始めたころだと中学生とかで、まだ過去も何もないですからね(笑)。懐かしんでいる暇もないし。
-今の自分が振り返る、中高生時代のカノエラナさんはどういう子でしたか。
周りに言われる通り、変な人ではあったと思うんですけど。でも自分的にはそれが普通だと思ってやってきていたので、自分を変だと思うことは1ミリもなくて。うちの両親も"そんなに変じゃなくない?"って言ってたんですけど、客観的に見るとうちの両親も変だから(笑)。個性的ではあったと思いますね。でもそれがなかったら音楽なんてやっていなかったと思うので、良かったのかなって。
-その変さっていうのは、別に悪目立ちしていたわけじゃない感じですかね。
うーん、とっつきにくかったとは思います。それこそ特に男子とかは、卒業するまで1回も話さなかった人もいるし、卒業後に喋ったときに"あなたそんなに喋る人だったんですね"って言われたこととかもあるし。なんか、自分がビビビッときた人以外には話し掛けたりしないタイプで。この人変だけど面白いなって思うと、自分からめっちゃ話したりしていたんです。だから自由だったんだろうなって、マイペースで(笑)。
-あまりそういうことで周りの空気とかは考えずに、という感じでしたか。
空気は読みつつ、ここまでやるとみんなが怒るかなとかは考えてましたね。だからクラスでも常に中立の立場みたいな感じでした。というか、あいつ変だからなっていう、そういう野放し状態みたいなところもありましたね。
-なるほど、だからこそセミをひとりで見ているような時間もたっぷりある学生時代だったという。
基本的にひとりが好きだったからできたのかなって思います。
-そのひとりの時間をどんどん長くしていきながら、創作の方に向かっていってるんですね。
そうですね。今となってはずっとひとりになってますけど(笑)。でも曲を作って、ひとりに浸れるようになってから、さらにどんどんひとりが好きになったのもあるし。でもひとりが好きだけど、誰かがいないと書けないことにも気づいたので、それなりに、交流するようにもなって。経験って大事だなと思いますね。私が変われば曲も変わるし、そうやって成長していくんだろうなって。
-それが今回のような曲を出す勇気になる。
そうですね。カノエラナを始めてこんな曲を書くとは思わなかったです。
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