Japanese
tacica
2019年05月号掲載
メンバー:猪狩 翔一(Vo/Gt) 小西 悠太(Ba)
インタビュアー:山口 智男
tacicaがフル・アルバムとしては3年ぶりとなる『panta rhei』を完成させた。アルバムに先駆け、昨年リリースした2枚の両A面シングル『ordinary day/SUNNY』、『煌々/ホワイトランド』からすでにその兆候はあったが、"万物流転=すべてのものは変わり続ける"という意味を持つタイトルどおり、『panta rhei』は多彩な全12曲が新たなtacicaらしさをアピールするものになっている。今回のインタビューでは、猪狩翔一と小西悠太のふたりがどのように新たなtacicaらしさに辿り着いたのかをじっくり訊かせてもらった。
-3rdアルバム『sheeptown ALASCA』(2011年リリース)を再現するツアー[TIMELINE for "sheeptown ALASCA"](3月から4月にかけて開催)の第2部で、『panta rhei』の全曲をリリースに先駆け、曲順通りに披露しているそうですね。お客さんの反応はいかがですか?(※取材日は4月上旬)
猪狩:正直、初めはシングルとしてリリースした4曲(「ordinary day」、「SUNNY」、「煌々」、「ホワイトランド」)は入っているとは言え、ほぼ初めての曲を12曲も立て続けに聴かされるのって苦行なんじゃないかなって(笑)。
小西:はははは(笑)。
猪狩:特に気の利いたMCもないまま演奏し続けるってどうなんだろうっていうのはあったんですけど(笑)、リリース前に全曲演奏するって、そんなにないことじゃないですか。"みんながそんなにやらないことをやろう"というところからの発想だったので、例えそれがもし苦行になったとしても、"今、自分たちはこういうことをやりたいんだ"ってことを精一杯やるしかないだろうって。そんなふうに覚悟してたんですけど、ステージから見た印象だと、(お客さんが)そんなにしんどそうでもないようなので、ただただ安心してます(笑)。
-全然苦行ではないとは思いますよ。それだけ早く聴いてほしいからなんだとばかり思っていました。
猪狩:聴いてほしいのはもちろんなんですけど、ルーティーンになっていることに対して、その都度その都度、チームで話し合っていて。それはライヴに限ったことではなく、活動していくうえでのあらゆることにおいて決まりごとになっている、もしくは"こうだよね"って暗黙の了解ができあがっていることに対して、バンドとして見つめ直しているところではあって。当たり前に"こうじゃなきゃいけないこと"なんて、1個もないと言えばないんですよね。だとしたら、アルバムを作ってリリースして、リリース・ツアーを回るっていうこともある種のルーティーンなのかなって。じゃあ、どうなるかわからないけど発売前にやっちゃおう、ってことなんですよ。でも、どうなるかわからないことをやる意味ってあるじゃないですか。なんとなく決まりきった物事に対して"そうでしょうね"って感じよりも、"そうか。じゃあ次はこうしよう"という反省とか、"思ってたよりも良かった"とか、想定外のことをやるって、どっちも倍以上の気がするんです。そういうことをやる意味を、今一度バンドで見つめ直しているなかでできたアルバムだから、ツアーもその延長でやるのが理にかなっているのかなっていう気がしています。
-ルーティーンになっていることを見つめ直すようになったのは、いつごろだったんですか? というのも、新しい試みに挑戦していたシングル『ordinary day/SUNNY』(2018年4月リリース)、『煌々/ホワイトランド』(2018年9月リリース)ともに、その流れの中でできた曲なのかなと、今お話を聞きながら思ったものですから。
猪狩:『新しい森』(2017年リリース)というミニ・アルバムくらいから、"バンドとしての可能性をもうちょっとちゃんと探ろうよ"ってなったんですよね。だから、中畑(大樹/Dr/syrup16g)さん、野村(陽一郎/Gt)さんをサポートに迎えて、4人で演奏し始めてからってことになるのかな。
-フル・アルバムのリリースは3年ぶりですが、これまで1~2年に1枚のペースでリリースしていたことを考えると、今回はちょっと間が空きましたね。
猪狩:自分たちではそんなにリリースが空いているという感じはなくて。むしろ『LOCUS』(2015年5月リリース)から『HEAD ROOMS』(2016年4月リリース)までが異常に短かった(笑)。もともとそんなに多作なバンドではないんですよ。だから、通常運転に戻ったってだけで(笑)。ただ、そのときは1年に2枚出したいという気持ちになったんです。そういう意味では、自分たちの創作意欲に従ったってことだと思うんですけど、外側から見るのと同じぐらい、内側から見るtacicaらしさっていうのも、10年以上やってきたなかで知らず知らずのうちにできていってしまって、"違うことをやりたい"、"今までやっていないことをやりたい"っていう欲求があったにもかかわらず、そのはみ出し方がわからなかったんですよね。それが中畑さんと野村さんが入って、"まったくはみ出してないよ。全然範疇でやってるよ"と判断してもらえたことでわかったというか、自分たちでは相当はみ出したと思っても、傍から見たら全然はみ出ていないということがわかって、そういう内側から見た景色と外側から見た景色のすり合わせみたいな作業をここ2年ぐらいしていたんです。"ここまでやっても大丈夫なのか? 大丈夫じゃないのか?"っていう。
あくまでもバンドでありたいという感覚があるから、アー写がふたりって未だに慣れないんです(笑)
-今回のアルバムは、そのすり合わせの結果、新たに見つけたtacicaらしさなんですね?
猪狩:時間が空いたってこともあって、わりと曲数があったから、僕らとしては稀なんですけど、曲を選べたんですよ。今までは、アルバムのトータル・バランスを考えて曲を選べる状況ってあまりなくて。そういう意味で、さっき言ったtacicaらしさと、いい意味でtacicaらしくないところが混在しているというか、そのバランスを考えながら作っていた気はしますね。
-例えば、今回の12曲の中で、おふたりがtacicaらしい、らしくないと思う曲は?
猪狩:「Lynx」は僕ららしいと思います。「中央線」は、弾き語りで始まるところや、初めて打ち込みのドラムを使っているところは"らしくない"と思うんですけど、芯の部分はめちゃめちゃ僕ららしい。それをいかにバンドとして冒険するかっていうところで、アレンジの妙がこの曲にはあります。
小西:「中央線」は、レコーディングでいろいろ試して、それが全部いい方向に転んでいった曲ですね。個人的には、「wonder river」は「アースコード」(2008年リリースの1stアルバム『parallel park』収録曲)に通じるものがあって、昔っぽい感じがするという意味で、自分たちらしいと思います。"らしくない"というか、新しいという意味では、ピアノを入れた「latersong」。まぁ、「wonder river」も後半ピアノが入っているんですけど、そういう意味ではバランスがいいのかな。
-ドラムを打ち込みにするとか、ピアノを加えるとかっていうのは、どんなきっかけで?
猪狩:考えが古いのかもしれないけど、大々的に曲を引っ張っていくぐらいの立ち位置にあるような音は、自分たちが担っている楽器のものじゃないと、という考えがあったんですよ。だから、今回の打ち込みやピアノに関しては、野村さんの意見が大きいです。"言ったら、メンバーってさ、歌とギターとベースの人じゃん。だったらドラムは、ドラマーがやらなくてもいいんじゃない? そういう自由度を得られることが、正規のメンバーふたりってやってるからこその、今のtacicaのメリットじゃないの?"って言われて、"じゃあ、やってみよう"って。
-でも、野村さんからそう言われたとき、おふたりとしては、"野村さんも中畑さんもメンバーだと思っているんだけど"という気持ちにはならなかったんですか?
猪狩:野村さんは"外側からバンドを見られる立ち位置にいるべきだ"という責任感があるんですよ。内側に入っちゃったら、プロデュースすることに対して弊害が生まれてしまうからって。ただ、たまに入っちゃうんですけどね(笑)。でもそのときの嬉しさはありますよ。あくまでもバンドでありたいという感覚が小西にも僕にもあって、アー写がふたりって未だに慣れないんです(笑)。"下手したらユニットって言われちゃう"みたいな気持ちもあって。そういう意味でも、よっぽどのことがない限り、今回もそうなんですけど、全曲"せーの"で一発録りしてるんです。やっぱり、バンドの音が好きなんですよ。"曲によってはバラバラに録った方がいいんじゃないか"って声も上がることはあるんですけど、それがバンド感を差し引いてでも欲しい音なのかどうかって考えると、やっぱりバンド感を選んでしまう。上手い人は、そういうふうに録ったとしてもバンド感を得られるんだと思うんですけど、僕らみたいなバンドは、同じ部屋で録っていろいろな音が被さっているような感じがいいんですよね。
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