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INTERVIEW

Japanese

Non Stop Rabbit

2019年02月号掲載

Non Stop Rabbit

Member:矢野 晴人(Vo/Ba) 田口 達也(Gt/Cho) 太我(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-ローファイに聴こえるエフェクトをかけてるみたいですよね。

矢野:音が荒いですよね。最初、僕だけ録り直したんですけど、雰囲気が全然違うものになってしまって。当時のあの感じが良かったんですよね。お金がないときの音を感じてもらいたいです。これは言わないとわからないと思いますけど(笑)。

-実際に、バンド活動がつらいなって感じるときのことだったんですか?

田口:ライヴハウスでだけ活動してたらダメやっていう、周りが言わないようなことを平気で言えてるような、2~3年前の尖ってる時代の曲ですね。だから尖ったままここまできて、少し丸くなった状態で、ある意味冷静に作れた曲ではあるんです。でも、思ってることは変わらない。

-今回のアルバムには、そういう反骨精神みたいなものが強く出てますよね。「乱気流」もゆとり世代のことを歌ってるし。

田口:僕、小学校に入ったぐらいから土日が休みになったんですけど、ひとまとめにされるなと思うんです。それを言ってくる大人に対して、うまいことを返す術がないのが平成なんですよね。"ゆとりだから"って言われて、イラッとしてるけど、上手く返せてるやつを見たことがなくて。だったら怒りをいい方向に変えるような曲を作りたいと思ったんですよ。ゆとりが聴いて、"よっしゃ、やったろうか"って思えるような曲にしたくて。

矢野:俺たちはゆとりで生きてきた覚えはないですからね。ちゃんと全力で生きてきたつもりなので、そういう時代も終わらせたいなっていうのはありますね。

-「アンリズミックアンチ」にも、同じように"やったろうか"っていう強い想いを込めていますね。

田口:これも「乱気流」に影響されてるんです。ゆとりって言われ続けることによって不安定になってきて、自殺する奴も増えたし、学校に行かない奴も増えたし。"アンリズミックアンチ"は"不整脈に対するっていう薬"っていう意味なんですね。音楽がそういう薬になることができたらいいなっていうのがあって。最初に"取柄がないなんて斜に構えたって"って歌ってますけど、これを聴いて、斜に構えたまんま突っ走ってやろうって思うぐらいの歌詞を作りたくて。楽しくなってライヴで飛んでる、その感情のまま世の中に出ればいいじゃんとか、そういう願いを込めた曲ですね。

-前作では、今までのバンドの道のりをテーマにした歌詞も多かったけど、今回は自分たちの世代を代表して何か言ってやろうっていう気持ちが強く出てる気がします。

田口:あぁ、それはありますね。やっぱり上を見て育つと思うんですよ。だからこそ、俺らがかっこいい姿を見せられるように頑張ろうかなっていうのはありますね。

-「犬のおまわりさん」はバラードですけど、やっぱり童謡の「いぬのおまわりさん」をテーマにして書いたんですか?

田口:そうです。前作で"い~けないんだ、いけないんだ"をロックにした「いけないんだ、いけないんだ」がバズったから、今度は「いぬのおまわりさん」をバラードにしたら面白いんじゃないかなと思ったんですよね。"犬のおまわりさん"なのに、ライヴでやると泣いてる人がいるんですよ。

-きっかけは"面白いんじゃないかな?"ですけど、曲自体は......。

矢野:いい歌ですね。

-最後に収録してる「君と最後に選ぶ言葉」もストレートなラヴ・ソング。

田口:これはガチなんですよね。リアルな経験なんです。僕の場合、曲にすると吹っ切れる傾向があるんですよ。本当は失恋を引きずるんですけど、曲にしたら引きずらないんです。これは大阪で遠距離(恋愛)をしてた子のことなんですけど。復縁を願って、会おうって約束してたのに、前日に"やっぱり会うのが怖い"って言われたんですよ。それでも、"明日、お前が会いたいっていうタイミングに、俺が東京にいたら会えないから、俺は大阪に行っておく"って言って、梅雨の時期に傘をさして最寄りの公園で待ってたんです。結局、12時間待ったんですけど、来なくて。で、ハル(矢野)に電話をして、"来なかった"って言ったら、"もうどれだけ待っても来ないよ。風邪ひくから帰っておいで"って言われて。それが嬉しかったんですよ。で、この曲を作るにあたって、お前のおかげで救われて、この曲ができたんだよって言ったら、"そんなことあったっけ?"って言われましたけど。

矢野:思い出せないんですよ。

田口:ヒドい奴ですよ(笑)。

矢野:今ごろ、その子もこのアルバムを聴いてるかもしれないよね?

田口:恥ずかしいんですね。本当にマジなので。

-今回、最後をバラードで締めくくるのはもともとイメージしてたんですか?

田口:ロックなアルバムだからこそ、その勢いで終わりたくなかったんですよね。疾走感で押し切るよりは、しっかり聴いてもらって、いいアルバムだなって思ってほしくて。

矢野:『全A面』はキャッチーだったし、聴きやすいっていうのが全面に出てて、最後の曲まで流して聴けたと思うんですよ。いい意味で。でも、今回は1曲1曲噛み締めて聴いてもらいたいなって思ってます。自分たちも噛み締めながらレコーディングしたので。特別な想いがありますね。昔の曲も入ってるし、今やりたいこともできてると思います。

LIVE INFORMATION

"全国をフリーで回んねん、なまら楽しみにしとるばい、友達よーけ連れて遊びにおいでツアー ファイナル"
3月31日(日)品川ステラボール
OPEN 16:00 / START 17:00
[チケット]
1F全自由 ¥3,000 / 2F関係者ズラ席 ¥4,000
■イープラスプレオーダー
受付期間:~2月11日(月・祝)
受付URL:https://eplus.jp/nsr19/
■一般発売:2月23日(土)12:00~
[問]
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