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INTERVIEW

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コレサワ

コレサワ

Interviewer:沖 さやこ

「悪いユメ」は作ってから4年経って、身近なものや自分のことのように感じた


-浮気する女の子が主人公の曲もあれば、「悪いユメ」は二番目の女が主人公で。二番目の女の子って、健気でいい子なのにほぼ本命になれない印象があります。

一番になろうとせず、この位置でもいい、それでも一緒にいたい、いつか一番になれる日が来ることを願っている――という弱さが"二番目"にさせるんでしょうね。

-スナックのママみたいな台詞をいただきましたが(笑)、そういう子を抱きしめてあげたい......という母性のようなものを感じる曲でした。

そうですね~......。"そうだよね~、気持ちわかるよ~! でもいつかその悪いユメから醒めたらいいね"という意味で、このタイトルなんですよね。"夢"という漢字は希望があるように見えるけど、この子が持っているこの夢には希望がないから、"ユメ"とカタカナにしました。このまま二番目のままでも幸せにはなれないですから。

-またバッサリと(笑)。しばらくお会いしない間に姐さん感が増しましたね。

きゃ~(笑)! 現実は要所要所で突きつけていかないと。でもこの曲を書いたのは4年前だから、ハタチそこそこなんですよ。そのときは"二番目の女になる"という、世間一般で悪いことをしている女の子に憧れていたんですよね。でもそれから4年経って、身近なものや自分のことのように感じたんです。昔はエモい曲だなと思ってたけど、今聴いたらしみじみしちゃって。年をとったな~と思いました(笑)。

-「プラネタリウムに憧れた」は様々なポップ・アーティストのアレンジを手掛けている石崎 光さんにアレンジしていただいたんですよね。

光さんのアレンジがすごく好きなので、一緒にやりたいと思える曲ができたらオファーしよう! とずっと前から思っていたんです。この曲は『女子、ジョーキョー。』(2015年12月リリースの2nd EP)のときからアルバムの候補曲になっていたんですけど、どうしてもほかに入れたい曲があってずっと持ち越しになっちゃってて。やっと今回入れることができました。光さんに召還してもらえた曲です。何度かやりとりしながらアレンジを詰めていきました。楽譜を作ってくださったので、普段は弾かないギター・ラインを弾いたりもできて勉強になりましたね。好きな人に好きだと言えない乙女心と、プラネタリウムを観ているみたいに見つめてほしいという気持ちを書いた曲です。

-"偽物のこの空に 君は心を奪われている"という言い回しに、プラネタリウムへの嫉妬心が滲んでいると思いました。

うんうん。本当の星空じゃなくて、プラネタリウムという偽物の空に魅了されている男の子、というところが意味深いというか。彼と主人公の関係は明言していないので、いろいろ感じて好きなように解釈してもらえたら嬉しいですね。

-唯一ダイレクトにコレサワさんが反映されているのはラストの「最後の有給」でしょうか? アルバイトを辞めて最後に有休を使うというエピソードが綴られています。

メジャー・デビューが決まってバイトを辞めたときに作りました。歌詞のとおり"遠回りしたこの夢を 正しいとキレイと言って"ほしいと思っているときでしたね。これは絶対にアルバムの最後に入れたい! と思っていたんです。いろんな人の夢が遠回りでも叶えばいいな、目指したいこととは関係のない仕事をしてる人がちょっとでも夢を追おうかなと思うきっかけになってくれればいいなって。私は上京して8年目なんですけど、ここまで遠回りしてきて良かったなと思うこともたくさんあるんです。若い子たちがちょっとうまくいかなくてやめちゃうのはもったいないと思う。この曲でもうちょっと頑張ってみようかなと思ってくれたらいいな。

-『コレでしょ』はまさしくコレサワさんのやってきたことを極めた楽曲が揃いましたね。

ありがとうございます。アレンジに関しては自分のアイディアを『コレでしょ』で出し尽くした感覚もあるんです。だからこのアルバムを作り終えて、次のアルバムではもっとミュージシャンとして楽器と向き合って、アレンジや音質にこだわってみたいな、そっちの知識をもっと入れたいな、と思いました。一緒にアレンジしてくれる人を決めてから曲を作ったりしても面白いなと思っているんですよ。じっくり時間をかけて、さらに1曲1曲と向き合ってみたいですね。