Japanese
SPANGLE×黒猫チェルシー
2018年05月号掲載
SPANGLE:菱田 明裕(Ba/Vo) 黒猫チェルシー:渡辺 大知(Vo) インタビュアー:秦 理絵 Photo by 石崎祥子
-大知さんは、ずっとSPANGLEを知ってる立場から、今回の『VERY GIRL』を聴いてどんなふうに思いましたか?
渡辺:今までは"古い音楽が好きなんだろうな"っていうのを強く感じたんですけど、そこを抜けた感じがするんですよ。今を生きてる感じがする。古い音楽への憧れじゃなくて、2018年の音楽を作ってる感じがしました。 菱田:まさにそのとおりで。ルーツの音楽をあんまり探られないようにっていうのは考えたんです。"こいつら何が好きなの?"っていうものにしたかったというか。まぁ、ハイスタとかはバレると思うんですけどね。
-どうしてルーツをわからないようにしたかったんですか?
菱田:俺、当てられるのが好きじゃないんですよ(笑)。あとは、もう俺の中では、今までとは違うバンドでやりたかったっていうのもあったので。
-なるほど。大知さんは、EPの中で特に好きな曲はありましたか?
渡辺:「Sentimental Very Girl」とか「サンダーとフラッシュ」ですね。パっと3人の音が鳴った瞬間に"かっこいい!"と思えるんですよ。あんまり多く語らなくていいというか。SPANGLEの良さって、そういうところだと思うんですよね。 菱田:自分が10代のころに影響を受けてたロック・バンドって、聴いた瞬間にバシッとくるものだったんですよ。"うわー、かっけぇ。超モテそう"みたいな(笑)。でも今の10代とかって、ギターなんて、そんなにイケてる奴はやってないと思うんですよね。出てくるバンドを見てても。イケてる奴はクラブに行っちゃうじゃないですか。それをもう1回バンドに変えようぜみたいな気持ちでやってるんです。
-ちなみに「Good Girl」は全編英詞ですけど、これを英語で書こうと思ったのは?
菱田:恥ずかしすぎたんです。和訳が(笑)。
-"you are my angel"とか、訳すと"君は僕の天使だ"ですからね。
菱田:そういうことを書きたかったので。日本語だとさすがにマズいかなって。 渡辺:恥ずかしいことを言うバンドが"これは恥ずかしすぎる"って面白い。 菱田:"限度があるだろ"っていう(笑)。 渡辺:その発想がまたいいですね。
-むしろ日本語で歌ってる「Love&Winner」の方は恥ずかしくないんですか? "会いたいよ ヤリたいよ 切ないよ"って、欲望丸出しじゃないですか。
菱田:これは曲名を言うのが恥ずかしいだけで、中身は恥ずかしくないんです(笑)。
-そういうものなんですね。で、最後に収録されている「Too Shit Too Cry」は今のSPANGLEの決意そのもので。"もうダメだ消えてぇっ て思ったけど立ってるよ"とか、"夢で逢えたら何処までも遠くへ"とか、熱い言葉が並んでます。
菱田:裏も何もない曲ですよね。3ピースになって、全部曲も作り直して、やっていけっかな? ってビビってる部分もあったんですけど。でもまぁ、そういうところも全部受け入れないとなっていうことですね。うちのバンドって頭が悪いんですよ、3人とも。そういう自分らのクソみたいな部分もちゃんと受け入れないと、突き抜けられないなって思ったので。そういうのをばーってノートに殴り書きする感じで書いた曲です。
-今、新しいSPANGLEとして1枚を作り終えて、どんな手応えを感じていますか?
菱田:早く2枚目を作りたいです。もう新しい曲もあるんですよ。これ、大知が覚えてるかわからないんですけど。俺が煮詰まっちゃって、"もうダメだ"って思ってたときに、アドバイスというか、"なんか曲名を言って"って頼んだんですよね。 渡辺:あぁ、ありましたね。 菱田:で、"「サマーサイダー」で作ってくださいよ"って言ってくれたんです。その曲名からインスピレーションを受けて作った曲があるので。 渡辺:すげぇ! 菱田:それは次の作品に入る予定なんですよ。歌詞の内容も、勝手に大知を思い浮かべて作ったっていうのもあって。俺が最近では一番好きな曲ですね。 渡辺:もう次があるっていうのは、楽しみですね。
-今のバンドの勢いを表してますよね。で、『VERY GIRL』を引っ提げたツアーも決まっていて、そのファイナル(5月24日に開催)が新代田FEVERで黒猫とのツーマンになると。
渡辺:ついに。 菱田:満を持して、ですね。クソ面白い日になると思いますよ。"いつかやりたいね"とは言ってたんですけど、失踪とかいろいろあったので、"今だ!"っていうときにやろうと思ってたんですよね。3人でバンドをやるって決めたときから、もしCDをリリースできて、ツアーのファイナルを東京でやれるなら、呼ぶのは黒猫だって決めてたんです。 渡辺:こういういいタイミングで呼んでもらえるのは嬉しいですね。
-黒猫としては、盟友の新たな旅立ちを祝うような日になりそうですか?
渡辺:いやいや、ぶっ飛ばしに行きますよ(笑)。 菱田:あはははは! 渡辺:もちろん気持ちは祝うつもりなんですけど。対バンらしい対バンができる日かなと思うんですよね。ちゃんとぶつかれるというか、僕らを好きでいてくれる人も、ちゃんとSPANGLEを好きになってくれると思うし。ロック・バンド然としたバチバチの対バンっていう意味では、なかなか見られないものになると思うので楽しみです。 菱田:魔裟斗VS山本"KID"徳郁みたいな感じでね。 渡辺:それ、K-1がわからないから全然ピンとこない(笑)。
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