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INTERVIEW

Japanese

ミミノコロック吉祥寺 × the irony × ウソツキ

2017年05月号掲載

ミミノコロック吉祥寺 × the irony × ウソツキ

小平 雄希
the irony:船津 陽史(Vo/Gt)
ウソツキ:竹田 昌和(Vo/Gt)
インタビュアー:秦 理絵  Photo by Aiste

-今回、ミミノコロックフェスには約40組のバンドが出演するそうですけど、the ironyとウソツキにはどういう理由で声を掛けたんですか?

小平:単純に、"耳に残るロック"っていうところで、他のバンドにも声を掛けてます。ウソツキに関しては、個人的には絡みがなかったので、人を介して誘わせていただいたんです。ココロオークションアンテナとのツアーのときかな。

竹田:"ハレソウ"のときですね(※2015年6~7月にかけて開催した3マン・ツアー)。

小平:新代田FEVERに観に行ったんです。そのときから一緒にやりたいなと思ってて、今回は真っ先に声を掛けさせてもらいましたね。

-the ironyの方はレーベル所属の期待のバンドというところもありますよね。

小平:そうですね。レーベルとしてリアルタイムで見ていると、どんどん成長して、伸びてきてるのはわかるので、間違いなくthe ironyは出さないとなと思いました。これはブッキングっていうブッキングじゃないもんね、別に。

船津:"やるから"、"はい"みたいな感じですね(笑)。

-ここからは各バンドの魅力について話せればと思いますけど。まずthe irony。本当に今後が楽しみな原石のバンドだと思いますが、小平さんから見て一番の良さは?

小平:僕は、陽史がステージの上で話すひとつひとつの言葉に、本当に気持ちが込められていて、いつも100パーセントでやろうとしてるところ。嘘をつけない、まっすぐなところですね。

船津:なんか......着飾ったりするのが嫌なんですよね。人に伝えるにはストレートなのが一番だと思うので。"まっすぐだね"ってよく言われるんですけど、僕はそれしかないと思って、音楽をやってるんです。

竹田:まっすぐっていうのは、僕も同じ印象を受けました。僕はフジファブリックとかBase Ball Bearが好きなんですけど、そういうバンドに近い感覚があるなと思ってて。ピュアっていうか、感情に一番近いところで歌ってる気がするんです。僕は結構斜に構えるというか、頭でっかちな部分があるので。僕の曲にはないものを感じましたね。

-ストレートな歌の中に船津さんの人間性が出てますよね。

船津:ありがとうございます。僕も(ウソツキとは)逆だなっていうのは思いましたね。僕はあんまり考えて言葉を書かなかったりはするんですけど。ウソツキの新しいアルバム(2017年4月リリースの『惑星TOKYO』)を聴かせてもらったら、曲の展開とか歌詞がthe ironyとは違う視点で書かれてて面白かったんです。周りにいないようなバンドですよね。

竹田:僕、勝手に言ってるんですけど、the ironyは球速い系バンドなんですよ。

小平:あぁ、スピードがね。肩が強い、みたいな(笑)。

-心に最短距離で訴え掛けてくる歌のパワーがありますよね。

竹田:そう。150キロで投げてるというか。僕らはカーブを投げたり――

小平:変化球バンド。

竹田:だから、うらやましいですね。

-小平さんはウソツキに関して、どう見てますか?

小平:王道のバンドだとは思うんですけど、言葉選びとかは特殊ですよね。僕もバンドのときは歌詞を書いたりしてたので、音楽は言葉から入る方なんです。

竹田:あ、珍しいですね。

小平:バンド・サウンドも大事なんだけど、言葉のセンスってごまかせないなと思うんですよね。そこらへんがウソツキは面白くて好きだなと思ってました。

-ウソツキの曲は、竹田さんが宇宙好きだから、そういう歌詞も多いですよね。

竹田:僕、将来は宇宙人になりたかったんです。

小平:あぁ! そういうのがあっての歌なんだ。

竹田:小学校のときですけどね。将来の夢は"宇宙人になりたい"って、意味わからないことを書いてて。とにかく宇宙人に会いたくて。宇宙人っていう存在を確かめたかったんです。だから自分が宇宙人と同じかたちになったら、向こうから会いに来てくれるんじゃないかっていう気持ちを込めて、"宇宙人になりたい"って書いたんですけど。2秒で先生に斜線を引かれて、宇宙飛行士に変えられました。

一同:あはははは(笑)!

小平:たしかに「惑星TOKYO」は宇宙と交信してるような曲だよね。

竹田:伝わってるんですね、嬉しいです(笑)。曲を聴くときに、歌詞を聴く人は女の人っぽいらしいですよ。そのメカニズムはわからないんですけど、理由があるらしくて。セックスをするときに、男の人は喘ぎ声だけでいいらしいんです。でも、女の人は言葉が欲しい。それに似て女の人は歌詞をたくさん聴くらしいんですよ。

小平:なるほど(笑)。

竹田:だから、小平さんは言葉が欲しいタイプなのかなって。

小平:俺は言葉が欲しいのか......。

船津:僕はその話は乗っからないでおきます(笑)。

小平:でもバンドマンって......あ、いや、この話は対談のあとで(笑)。

-気になりますね(笑)。ちなみに、ウソツキとthe ironyは"サーキット・イベント"というものに呼ばれるとき、バンドとしてどういう意識で臨みますか?

船津:あぁ、どうだろう......普段はライヴハウスっていう隔離された場所にお客さんと演者がいるじゃないですか。でも、サーキットはやっぱり主催者が街の良さも知ってほしいんだろうなっていうのはありますよね。思い入れがないと、その土地でやらないでしょうし。そういう感覚を、遠くから来てくれる人も含めて一緒に感じながら、お祭りみたいな感じになれたらいいのかなって、僕は思ってますね。

-まさに小平さんがやろうとしてることですよね。

小平:やっぱり街ぐるみで盛り上げたいのはありますからね。吉祥寺の駅前に交番があるんですけど、その前でもイベントをやりたいなとか思ってるんです。野外ステージだと、雨が降るとアウトなので、フードとかのエリアにできたらなっていう構想があって。まだ今年はできないかもしれないけど、ゆくゆくは陽史が言ったように、祭り的な感じで街を挙げてやってるっていうムードを出せたらなと思ってます。