Japanese
the irony
Skream! マガジン 2018年01月号掲載
2017.11.22 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 秦 理絵
"本当に心からバンドを続けてきて良かった"(船津陽史/Vo/Gt)。福岡、熊本、大分、佐賀――それぞれ九州の違う県の出身でありながら東京を拠点に活動してきたthe ironyにとって、『フリージアの花束を』ツアーのファイナルとなった渋谷CLUB QUATTROでの初ワンマンは、特別なふたつの意味を持っていた。ひとつは、ここからさらにバンドがステップアップするための大きな挑戦であること、そしてふたつ目は、不器用でもまっすぐに自分たちが信じる歌を届け続けてきた7年間が決して間違いではなかったという証明になるということだ。1年前、渋谷WWWでこの日のワンマンを発表してから、彼らのすべてを賭して臨んだライヴは"これからも変わらず自分たちが信じる音楽を届け続ける"というバンドの決意を強く刻みつけるものになった。
脇屋周平(Gt)が奏でるギターのフレーズに乗せて、船津がその場所にしっかりと染みわたるのを確認するように優しいメロディを紡ぐ「蒲公英」からライヴは幕を開けた。そこに工藤伊織(Dr)と川崎嘉久(Ba)の演奏が加わると、会場からは一斉にハンドクラップが湧き起こる。"あんたらの顔を見て渋谷クアトロ(CLUB QUATTRO)でワンマンをできることが光栄です!"。飾らない言葉でステージに立つ喜びを伝える船津のMCを挟み、ステージを真っ赤に染めたスリリングな歌謡ロック「アンダードッグ」、ダークに愛の喪失を叫ぶ「ERROR」など、彼らの楽曲の中でもソリッドなロック・ナンバーが立て続けに披露された。そして、会場が温まったところで、優しい水玉の光がフロアを埋め尽くしたウェディング・ソング「ラストダンス」から、遠く離れた誰かの背中を押すエール・ソング「幻影少女」へ。ステージの真ん中に立つピン・ヴォーカル船津の圧倒的な歌の存在感と、その"歌のちから"を強く信じるメンバーが一丸となって作り上げる渾身のバラードはthe ironyの真骨頂だ。
躍動感あふれるポップ・ソング「balloon」ではお客さんが左右に心地よく揺れた。思えば、8月に『フリージアの花束を』のリリース・イベントを下北沢MOSAiCで開催したときに川崎が何気なく始めたノリをお客さんが真似たことで始まった"横揺れ"だったが、それもツアーを経てすっかり定着した。工藤のドラム・ソロを挟み、コール&レスポンスと4つ打ちダンス・ロック「アンバランス」で会場を湧かせたところで、船津が静かに語り掛ける。"それぞれ夢を追って九州から出てきて、本当にゼロからのスタートやった。辞めそうにもなった。諦めそうになった。でも、聴いてくれる人がおる。「まだ辞めんなよ」って言ってくれる先輩がおる。「まだ帰って来んな」って言う親がいる。だから、まだ逃げるべきじゃないよな。いまもそう思って演奏してます"と。そして、その想いをそのまま楽曲へと込めたバラード曲「街に鐘を鳴らして」へ繋ぐ。"何度駄目でも馬鹿にされても/信じた道を行こう"。それはバンド自身の決意でもあり、その場にいるお客さんと交わす約束の歌でもある。そして、本編のラストはLILYの福島拓也をピアノに迎えたスペシャル編成の「Hallelujah」。こういう大切な場所で、自分たちと縁のある大切な人を招く粋な演出は、どんなときも人との絆を大切にするthe ironyらしかった。
アンコールでは再び福島を迎えた「月明り」と、少年のようなピュアなロック・ナンバー「my wonder world」を披露したあと、さらに会場からの鳴り止まない拍手に応えて、バンド結成初期から歌い続けてきた「ヒカリ」をお客さんと一緒に歌い上げ、the irony初の渋谷クアトロ公演は幕を閉じた。九州から東京へ。彼らが音楽に夢を求めて"10億ミリ"の距離を越えてから7年が経つ。この日の挑戦は今後の彼らの大きな自信になるだろう。
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