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INTERVIEW

Japanese

シンガロンパレード

2016年05月号掲載

シンガロンパレード

Member:みっちー(Vo/Gt)

Interviewer:岡本 貴之

-(笑)そういうことは歌詞に織り交ぜてることが多い?

結構そういう曲多いですね。直球の悪口だと聴いてる人は気分悪いと思うけど、でも僕は言ってスッキリしたいから、大きい声で遠回しに言える歌詞を書くことが多いですね。

-なるほど、それで曲調もサウンドも明るくてポップで面白いけど、ただのパーティー・バンドじゃない感じがあるというか。

個人的には全然、パーティー・ピーポーじゃないつもりなので。でも音楽を聴いてるときには楽しくノってもらいたいですしね。たぶん、言いたいことがそれくらいしかないんでしょうね。僕、いつも酒飲みながら腹立って、小さいことにグチグチ言ってるんですよ。最近だと某食品会社のCMが放送中止になったじゃないですか? あれに1番腹が立ってるんですよ。

-それはどっちの方向で腹が立っているんですか?

苦情を出した視聴者にも腹が立ってるし、そんな苦情があったくらいで放送を止めるなら最初からやるなよって企業側にも腹が立つし。負けないでほしかったんですよ、苦情に。でもいろいろあるんでしょうね、どうしても守らなきゃいけないものがあったりとか。とにかく肩透かしを食らった感じで腹立ってるんですよ。

-じゃあそれもいずれ歌になっているかもしれない?

すでに歌になっているかもしれないですね(笑)。

-創作のもとになっているのはだいたいそういうことなんですか?

はい、曲を書こうと思うときはだいたい腹が立ったときですからね。

-逆に言えば、日ごろの生活で満たされているから腹が立つことを見つけているんじゃないですか?

これはあくまで僕個人のことなんですけど、"満たされないようにする努力"はしているんですよ(笑)。あの時代の音楽、ファンクやブルースって、根源にある気持ちはどっちかというと悲しみだったりハングリーな気持ちだったりすると思うんですけど。その中で、ギターを弾いてケラケラ笑うから歌っている人を見て僕はカッコいいと思ったんやろなと感じていて。もちろん、めちゃくちゃ売れて金も欲しいですけど(笑)、できるだけどこかに貪欲な気持ちや渇望する気持ちがないと、たぶん"幸せな奴の幸せな歌"になっちゃうと思うので。それは僕の仕事じゃないと思っているんですよ。どっちかというと噛みついている方が性に合っているし。普段の生活でも、めっちゃ腹減っているのにわざとご飯を我慢してみたり。そうなると"飯食いたい"って思うじゃないですか? で、そのまま"飯食いたい"って歌詞が出てくるんですよ。そういうハングリーな気持ちが生まれるようにわざとしているというか。まあ、それはもちろん何もネタがないときですけどね。ありがたいことに、だいたい普段の生活の中で曲のネタになることが何かしら起こるので。これは本当に困ったときの策ですね。

-"人生はくだらない。それを笑え!"というキャッチ・フレーズがありますが、これはバンドとしてのテーマなんでしょうか。

そうですね。ライヴハウスやコンサートでたまに、"つらい日常を忘れる"みたいなスタンスでやっているバンドを見ると、どうしても"別に忘れんでもええんちゃう?"というふうに思ってしまって。それすら笑ってしまった方が、結局現実に戻ってからも楽しいんじゃないのって思うんですよ。幸せっていう結果を求めるよりも、しんどいこともその過程を楽しめる考え方を持っていた方が絶対いいと思って。それをひと言で言うと、"人生はくだらない。それを笑え!"ということだと思います。僕は人生って"死ぬまでの暇つぶし"だと感じていて、もちろん働きますし好きな人ができれば結婚するかもしれないですけど、それをせなアカンのかと言ったら別にそうじゃないと思うんです。生きている間、退屈だから音楽するし聴くし遊ぶし結婚するし働くし......って、とどのつまりそういうことだと思っていて。その暇つぶしがどれだけ楽しかったかで、死ぬときに"楽しかったな"って思えるんじゃないかなと。素晴らしい人生って何かを成し遂げたとかそういうことじゃなくて、その過程でどれだけ笑えたかだと思うので。だから、基本"くだらない"って思うようにしています、僕は。ポジティヴなネガティヴっていう感じなんですけど。

-バンドとしては、これからどんな活動をしていきたいですか?

僕が、シンガロンパレードのまんま60歳になれたら、とりあえず目標はクリアですね。この前計算してみたんですけど、今27歳なので、1年に100本ペースでライヴをして行ってもあと3,300回しかライヴができないんですよ。それで60歳のときに今と同じ曲を歌えていたら、それって素晴らしいと思うんですよ。曲を作るときに意識していることがもうひとつあるんですけど、60歳の自分が歌っていてもまだいけるやろっていう曲をできるだけ書いているつもりで。60歳までこのバンドをやることですね。

-ライヴハウスで盗難にあったことを記念したワンマン・ライヴが12月3日(土)下北沢CLUB Queで決まっているとのことですが、これはどういうことなんですか?

本当に下北沢CLUB Queで楽屋泥棒にあったんですよ。関係者のふりをして侵入していた男にちょっと前にやったワンマン・ライヴの収益を丸々持って行かれて。なので、下北沢CLUB Queでワンマン・ライヴをやって取り戻そうと思って(笑)。

-(笑)その前に、リリース後のツアーがありますね。

笑いたい方はぜひライヴに来てほしいですね。