Japanese
シンガロンパレード
2016年05月号掲載
Member:みっちー(Vo/Gt)
Interviewer:岡本 貴之
-じゃあ、みっちーさんがいろんな音楽を聴かせたりしたんですか?
ちょっとはそういうこともしたんですけど......。ルーツ・ミュージックをやろうとしてルーツ・ミュージックの域を出ないというか、懐古主義が良くない方向に向かっているバンドが多くいるように感じたんですよ、僕には。だからあんまりふたりをルーツに染めすぎると、そういうフレーズしか出てこなくなる気がして。だからあんまり聴かせなかったです。ふたりが考えてきたものと僕が良いと思うものを混ぜて、新しい方向に持って行きたい、ルーツの域を出たいと思っていたので。あんまり、自分色に染めようとはしなかったですね。
-その結果、今作はすごくオリジナリティのある楽曲が揃っていると思います。晨さんとジョンさんがJ-POP好きというのが、歌モノのロック・バンドとして活かされているところはあるのではないでしょうか。
そうですね。歌モノの心得はふたりともあると思うので、それはすごく助かっていますね。
-"歌モノのバンド"という意味ではやはり"シンガロンパレード"というバンド名は、みんなで一緒に歌えるようなバンドにしたいということで名づけたんですか?
最初、"パレード"だけ決まったんですよ。"語呂的に言ったら、あと5文字ぐらいじゃね?"って言ってて。1番しっくりきたのが"シンガロン"だったんですよ。言葉のリズム重視で決めました。
-コンテストでグランプリを獲得してラスベガスでのツアーを敢行したそうですね。
2014年ぐらいなんですけど、神戸のバンド・コンテストがあって。そこの優勝特典が、ラスベガスとロサンゼルスでライヴができるという副賞だったんですよ。ラスベガスに4日間いて、そのあとロサンゼルスのサンタモニカに3日間いたので、合計1週間アメリカにいました。ラスベガスでのライヴは、街の通りを使ったイベントで野外ステージが組まれていて、サーキット形式でバンドが演奏していくという感じのイベントに出させてもらいました。
-ライヴ自体はいかがでしたか?
アメリカの人ってみんな正直な反応なんですよ。つまらんかったら見向きもしないし、逆に良かったらその場で踊り出したり。そういう場でライヴができたのは大きな経験でしたね。
-海外でライヴをしたことが曲作りにも影響しましたか?
言葉の意味がわからなくても洋楽をカッコいいって思える感覚と一緒で、現地の人に意味がわからなくても、日本語がカッコいいって伝わる曲はあるはずだって思えるようになりました。だから日本語でも、トラックとして、音の羅列として気持ちいい曲を意識して作るようになりましたね。
-今作の中で、そういう意識で作られた曲ってありますか。
完全に「人事異動」ですね。これは、別に曲にメッセージはないんですよ。ホンマに、スタジオで遊んでて"人事異動"って言うのが楽しかっただけなんです(笑)。
-これはどなたかが経験したことを歌にしているのかなと思ったのですが、そうではない?
いや、大抵僕の想像ですね。結構フィクションなことが多いです。バラードは実体験が多いんですけど、特に「人事異動」のようなちょけた曲はフィクションのことが多いですね。この曲は"とにかく漢字4文字並んでいる言葉を並べてみようぜ"っていう感じで作りました。
-ヒップホップ的な要素も感じる曲ですが、そうした要素もみっちーさんの曲作りの中にはよくあるのでしょうか。
いろんなブラック・ミュージックを聴いてきたので、そこは影響受けていると思います。それに、中学生のころはEMINEMを聴いてましたし。でもあんなふうにはなれないって高校生くらいに悟りましたけど(笑)。
-"ベッドタイムガールズミュージック"というタイトルはどんな意味でつけたのでしょうか。
"僕が生きていくうえで何が必要ですか?"って質問されたとして、ベッドタイムと女の子と音楽かなって。その3つをそのまま羅列したら、良いタイトルっぽくなったのでこれに決めました。僕の人生に欠かせない3つという感じですね。
-"ベッドタイム"というのは、ひとりのベッドタイムであり、ふたりのベッドタイムでもある?
そのへんはそれぞれで都合のいいように捉えてもらえれば。エッチな意味もあります。
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