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INTERVIEW

Japanese

ミソッカス

2015年06月号掲載

ミソッカス

Member:デストロイはるきち(Vo/Gt)

Interviewer:荒金 良介

-「お願いGOD」にどんな可能性を見出したんですか?

1枚目(『三次元からの離脱』2011年リリース)はミソッカスもクソもなくて、これが俺らみたいな感じで。2枚目(『異次元からの来訪者』2012年リリース)も何も考えずに作ったんですけど......それ以降にミソッカスっぽさは何だろうと考えるようになって。わりと前作『統一された混沌(カオス)』は新しく挑戦したことが多くて、賛否両論あったんですよ。今回はミソッカスっぽさを模索する中で、「お願いGOD」のメロディには90年代のバブリー感があるし、各楽器のアレンジも主張が激しくて。あと、かっこよくなりすぎず......ダサいとかっこいいの絶妙な狭間で、なんか拳を上げちゃうみたいな。メタルでも急にピロピロしたら笑っちゃうけど、かっこいい!ってなるじゃないですか。あの感覚ですね。前作以降に成長できた部分もあるし、このアルバムはミソッカスっぽさと闘った作品ですね。

-話を聞くと、自分たちの武器や持ち味が見えたうえで曲作りに臨めたと?

そうですね。最初は小さい枠組みの中でやっていたけど、枠組みがどんどん広がって、その広がった枠組みの中でやれました。サウンド面のダサかっこよさに加えて、歌詞でもそういう部分も表現できたと思います。"歌詞はなぜここまで暑苦しいこと言うの?"と感じる人もいるかもしれないけど。歌詞だけを読むとこっ恥ずかしいことも、熱いサウンドやメロディに乗ると、妙に納得して聴けちゃう。それも僕らの強味だと思ってるんですよ。「愛しさと切なさと純情な感情」はノブリルが歌詞を書いた曲だけど、他の3曲も演奏と相まって、歌詞で熱くなれますからね。そこは自分を褒めてあげたい(笑)。

-今作ではより歌詞と演奏の融合を意識したと。

前作から歌詞にもちゃんと向き合おうと思ってたんですよ。最初はサウンドやメロディありきで、歌詞は二の次でしたね。でも歌詞にも意味がないと意味がないというか。昔はきれいごとやありきたりな言葉が嫌いだったけど、作品を出して、ツアーを回って、いろんな人たちの顔を見ると、素直に感謝の気持ちが出てきたんですよ。自然と自分の中からありきたりな言葉が出てきたから。それなら素直に言えるうちに歌詞にしようと。前作からそう思っていたけど、今回はさらに消化した形で歌詞を書けたと思います。

-歌詞にはメッセージも込もってますからね。

昔はメッセージを込めるのすらダサいと思ってましたからね。それから比べると、成長しました。当時こういう歌詞を書いたらウソ臭くなっていたかもしれないけど、今は説得力が増しているのかなと。最近はライヴでもテンション上がると、暑苦しいことを言っちゃうから(笑)。

-曲作りでも変わってきた部分はあります?

前作から僕以外の人が曲を書くようになったんですよ。以前はノブリルが書いた「アメリカと中国と静岡」という曲を素直に受け入れることができなくて。その曲は評判が良くて、"ミソッカスの中で1番いい曲だね!"と言われて。"今まで俺が書いてきた曲は何なんだ"って、悔しい思いもしたから。今回の「愛しさと切なさと純情な感情」はノブリルが歌詞も曲も書いて、それも評判がいいけど、悔しいと思わずに嬉しかったんですよ。あと、「Mr.D」はマイケルTHEドリーム(Key)がメロディを持って来た曲で、以前は他人が書いた曲に感情移入できなかったけど、それもすんなりできました。

-それは大きな心境の変化じゃないですか。

このアルバムを作る過程でミソッカスっぽさを何度も話し合ったんですよ。そのときに僕は歌謡曲のメロディで、派手なアレンジで、ダンス・ビートが入って、暑苦しい歌詞が好きという話をしたので、メンバーもそれを踏まえて曲を書いてくれたのかなと。今回は4曲中2曲が他のメンバーが作ったものだけど、全然悔しいとか思わなくなりましたね(笑)。そういう意味でも5人で作れた作品ですね。

-楽曲自体もポップでキャッチーな要素は高まってますね。

全体的にシンプルになりましたね。今回はそれほど大技を使ってないし、まっすぐなアレンジが増えました。ちょっとおかしいのは「ハートビートオーバードライブ」ぐらいですね。以前は面白いアレンジがミソッカスらしさだと思っていたけど、そこから解き放たれた感じはありますね。

-今はどこに曲の面白味を見出してます?

「愛しさと切なさと純情な感情」だったら、"ちょっと待ってくれないか"の掛け合いだったり、「ハートビートオーバードライブ」はリズムについて歌いながらもリズムをコロコロ変えてるし、「Mr.D」は......特に面白味はないです(笑)。

-えっ(笑)!?

普通にいい曲を作ろうと思い、お世話になった人に向けて書いた曲なんですよ。歌詞もちょっとおセンチですからね。最後の「Cut the LIVESCAPE」はミソッカスには王道の8ビートの曲がないよねという話になって、これはミソッカス流の王道ロックです。だけど、ミソッカスらしくなったので良かったですね。新たな可能性が見えました。