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INTERVIEW

Japanese

Manhole New World

Manhole New World

Member:関根米哉(Dr) オノシンサク(Gt) 有野拓洋(Gt) 細沼章吾(Per) 松田ナオト (Ba)

Interviewer:山元 翔一

-今作『S,M,L,XL(サイズ)』は前作と比べ、トロピカルなサウンドやトライバルなリズム・アプローチが目立ち、"喜び"に溢れた作品に仕上がっているように感じましたが、前作をリリースしてからバンドにとって転機となるような出来事や変化はありましたか?

松田:特に変化という変化はありませんでしたが、どこかのある種の半閉鎖的空間から脱し、思い切って飛び出してみたようなそういう感覚を落とし込んだものになっております。

-今作は、北欧産の音楽のような有機的な音像やノスタルジックなメロディとトライバルなリズムが絶妙に共存しているところが印象的でした。どういったヴィジョンやコンセプトで制作されましたか?

松田:何かこれと言って特別なものを意識してノスタルジックなものにしよう、だとかは思いませんでした。以前よりもより、溢れ出る感情をうまく落とし込めるようになってきたような気はしていますが、そういった芸術的要素はまだまだ伝えるのに時間がかかるものだなと思います。ヴィジョンとしては以前となんら変わりませんが、コンセプトとしては、"マンホールの中の地下世界から飛び出し、人間は先ず衣食住を考える。"と言うことをイメージの念頭には置いていました。今回は衣に焦点を当てたことにより、アルバム・タイトルが衣服に関するというところにも繋がってきます。

-サウンド・アプローチ的にはFOUR TETやCARIBOUといったようなフォークトロニカの影響もうかがえましたが実際のところいかがでしょうか?

松田:正直、2バンドとも名前しか聞いたことがないので、機会があれば聴いてみたいと思います。

-また、資料によると今作は坂本龍一、砂原良徳などが使用したドイツのスタジオ"Calyx Mastering"でマスタリングが行われ、エンジニアは、DAFT PUNKなどを手がけたConor Daltonが担当しているとのことですが、これはどういった経緯だったのでしょうか?

松田:ミックス・エンジニアの小林さんから存在をお聞きし、自分は英語ができるのでコンタクトを取らせていただきました。そこから発展し、マスタリング依頼を行った。という経緯になります。こちらから指名したわけでは決してありませんが、自然と彼(Conor Dalton氏)が担当になっていました。

-サウンドの感触はかなりオーガニックのものに仕上がっていますが、マスタリングにおいてどういったことをオーダーされましたか? マスタリングを依頼するにおいて参考にした作品や理想となった作品はありましたら併せてお答えください。

松田:もともとここの存在を知ったのが、小林さんいわくATOMS FOR PEACEというバンド・サウンドきっかけだったのでああいうふうになればいいなという漠然とした願いみたいなものはありました。その前のミックス段階で、すでにある程度自分たちの方向性は落とし込めていたので安心してマスターに出せました。なので、参考音源を送ったりすることはありませんでした。とにかく任せてみようというある意味賭けといいますか、挑戦的な感じでしたが、結果としてはこの上なしで、みんなで大喜びしました。

-Manhole New Worldの楽曲には様々な音楽的な要素が取り入れられていますが、みなさんは普段どのような音楽を聴いていらっしゃるのですか?

オノ:ゲームのサントラ大好きです! でも、David Fiuczynskiの影響は免れません。

関根:僕はゲーム音楽や、映画やドラマの劇伴ですね。これはメンバーみんな好きだと思います。かなりマニアックなゲーム音楽談議は今でも時々ありますね。

松田:自分はジャンルレスに幅広く聴きます。YellowjacketsやPaul Jackson Jr.等のフュージョン、イギリスのthis town needs gunsやEnemies等のポスト界隈必須バンド、邦楽歌モノだと椎名林檎、クラムボン、くるりは欠かせません。上原ひろみやPSP、H ZETT M(H ZETTRIOも含む)などの変拍子超絶ジャズもどツボで、アーティストとして1番尊敬しているのは冨田恵一さんですね。彼は、永遠に引き出しを増やし続ける天才だと思います。ファンクではLettuce、Baker Brothers等。LettuceのドラマーであるAdam Deitchは、1番好きなドラマーです。他にもサンボマスターやサザンオールスターズ、東京スカパラダイスオーケストラ等もよく聴きますね。それから、Tommy Emanuelが1番好きなギタリストです。超絶且つ繊細なんです。いつまでも聴いていられる。最近だと、大滝詠一や吉田美奈子、竹内まりや等のひとつの時代を牽引し、生きていたポップスにはまっています。引き続きサントラも部屋に増えて行く一方ですし......。たくさん聴いて、単純に良いなって思ってます毎回(笑)。

有野:もともとプログレッシヴ・ロックが大好きでした。近代的なプログレ・メタルやDjentなども聴いていて、変拍子やポリリズムを好んでいました。また、物心つくまえからTVゲームを触っていて、ゲーム音楽が生活の一部のようなものでもありました。

細沼:みんなバラバラなんですよね(笑)。さっきもちょっと言いましたがアカペラの影響が大きくてRAGFAIR が音楽始めたきっかけですね。あとは川嶋あいさん。

オノ:みんなが共感するのがサントラやケルト民族音楽だと思います。荘厳なものからカジュアルなケルト音楽、それぞれみんな良さがわかりあえていると思います。