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INTERVIEW

Japanese

コンテンポラリーな生活

2014年11月号掲載

コンテンポラリーな生活

コンテンポラリーな生活

Official Site

メンバー:朝日 廉 (Vo/Gt) 藤田 彩 (Ba)

インタビュアー:石角 友香

-そうですね。以前中尾さんとしていた対談を思い出したんですけど。"喉乾いたら自動販売機でお茶買えばいい"みたいな手軽さがある世代だと自覚していると。手軽なんだけどぬるいなと思ってる自分もいるんでしょうか。

朝日:はい(笑)。なんかそう、歯がゆいというか。ぬるいことに慣れてた自分が歯がゆいというか。でも話せば話すほどまだまだ得体の知れないアルバムですね、これ(笑)。

-(笑)世代感もあるし、モノを作りたい人の音楽だなという印象もあるし。

朝日:もし何らかの理由でバンドを断たれてたら漫画をやりたいと言い出すと思うんですよ(笑)。音楽と出会うまでは小中は"漫画家になりたい"って言ってて、今もジャケット描いてるのはその頃の名残で。恥ずかしい話なんですけど、中学のときもこっそり小説書いたりとか、とにかくなんか作らなきゃ気がすまない体質だったんで。小学生のとき、デジカメを設置してノートにキャラクターを描いて撮影して消して撮影して。それを繰り返して1分間ぐらいのアニメーションを作ったりしてて。すげえアニメ楽しいなと思ってて。"NARUTO"のオープニングを一時停止してコマ送りにして"あ、こうやって動かしてるんだ"みたいなことをずっとやってて。

-メイド・バイ朝日をどうしても形にしないと......?

朝日:気がすまなかったんでしょうね。だから音楽も聴いたときに"これは俺も作りたい!"って思ったんだと思います。

-コマ撮りの作業と同じモチベーションなんですね。

朝日:だからすごいレコーディング好きなんですよ。1から積み立てていって、完成したときの達成感みたいなのが。制作期間はあんなに長いのに、聴くと5分とかで終わってしまう。でもあの感じがたぶんすごい......好きなんですよ。

-なるほどね。ところで収録曲にもありますが、アルバム・タイトルが『ヘドが出る前に』っていうのもすごいですね。なんかロマンチックな言葉に置き換えれそうなところが怖い。

ふたり:ははは。

朝日:や、"すごい変なタイトル"ってよく言われるんですけど、そうですか(笑)?"ヘドが出る"って嫌なことがあったら言うじゃないですか。でも悪口を言う前に何かできるみたいな気持ちで付けたんですけど。簡単な話で言うと悔しさをバネに......例えば"曲がクソだな"って言われて、それに対して"なんやねん、ボケカス!"って言うんじゃなくて、もっとすげえ曲作って、その人に"今回は良かったよ"って言わせたら、ヘドが出る前に曲作ったら"勝ったぞ"っていうか。悔しさをバネにというとすごい陳腐な感じなんですけど、でもホントにそういう曲だと思います。

-出だしのこのフォーク・ソングというかメッセージの熱量にやられました。

朝日:自分の歌には自信がなくてどうなるかすごい不安やったんです。この曲自体すごい難産で、いい曲になるのかすごい不安になってたんですけど、その出だしを録ってみたら――レコーディングは最後の最後だったんですけど、その出だしの歌だけはほぼ1発目に録ったんですよ。そしたらなんか"泣けるな。いいかもしれない"と思って。そしたらすごい"このアルバムいいな""絶対いいアルバムになるな"っていうモチベーションが上がったので、その冒頭の歌はやって良かったなっていうのはありますね。

-すごいラインがあって。"悲しいことも要らない嘘も、死にたい明日も、嫌いな人も、全部が今も僕のすべてを作るのならば"という。

朝日:いや、自分が10代のころに嫌なことが......中学校、すーごい嫌いだったんですけど。なんかやっぱりすごい閉鎖された学校ってコミュニティの中で、そんな狭い空間の中で権力のカーストみたいのがあるじゃないですか? それのすごい下層に属していたので学校が嫌いだったんですけど。今になって振り返ると変な形でぶつけないで、今、曲にして吐き出して......やっと自分の中のドロドロしたものを清算できていくような気がするので、嫌なことすげえいっぱいあったけど、今どうにかこうにか転んできてやっと人として、なんとか前を向けてきたなっていうのもあるので。もしあれがなかったらなかったで、なんか......自分がそのヒエラルキーの上の方にいて下の方を圧迫する人間になってたのもそれはすごく嫌だなあと思ったんですよ。

藤田:きっとこの曲を聴いて"なんだクソ野郎"って思う人もいるんです。きっとそれは今のヒエラルキーの下層にいる人間。私も中学のとき、ヒエラルキーの下層にいた人間なので、その時にこれを聴くとそれでも動けない自分がいたりするのですごい悔しいと思うんです。でも、それでも......なんかそうやってのたうちまわってたヤツが、大人になって意外とこうやって音楽しながら生きていけてたりするんだよってところを知って欲しいと思います。