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INTERVIEW

Japanese

つしまみれ

2014年02月号掲載

つしまみれ

Member:まり (Vo/Gt) やよい (Ba/Cho) みずえ (Dr/Cho)

Interviewer:石角 友香

パンク、ガレージ、グランジ、ポップ、ポスト・ロックにマス・ロック......。結成当初から自分たちなりのカッコいいバンド・サウンドを表現し続けてきたつしまみれが今年、結成15周年にあたり初のベスト・アルバムをリリース。海外での評価も高いガールズ・バンドと言うととかくぶっ飛んだ部分ばかりがクローズ・アップされるが、彼女たちの魅力は女子としての赤裸々な部分を決して隠さないところ。きれいごとと美しいものの違いがわかる信頼度。この機会につしまみれのバンド像や飾らない3人のキャラクターに迫ってみた。

-まず、15年も長続きしてきた理由って何だと思いますか?

まり:えーと、いつまでも夢があり続けて、あっという間に15年経って。さらに本気になってきてるからじゃないかと思います。

-さらに本気になった時期はあるんですか?

やよい:自分たちで会社を設立してから、だいぶ変わった気はします。

まり:面白くて最高なのがいちばんいいから、それを追求してみんなハッピーになればいいなって言って、でも"くっそー、儲かんねぇな"って、酒を飲みます。ハハハ!誰かに言われて無理やり......例えば1分以内にサビがくる曲とか、作る必要ねぇし、とか言って、どんどんカッコよくなってきたなぁって言ってるんですけど、もう誰もいない......いや、いつも頼れる人は誰かいるんです。変な人がいないっていうか、心からあたしたちを面倒みたい人だけが、録音してくれて、ライヴのブッキングしてくれてって感じなので、だからどんどん良くなってるし、ストイックになってきたような気はするけど。

みずえ:今までやってきた音楽面の感性みたいなのが、ちょっと変わってきたなぁとは思ってて。それはレコーディングを重ねた経験値にもよると思うんですけど、アレンジのシンプルさとかこだわりを詰めるとことか。今また昔の曲をリアレンジしたりしてるので、より一層"変わったな"と思うね?この5年は特に。

-音楽的なレンジが広がったんじゃないですか?

まり:はい。中村宗一郎さんのところにいったのもすごく大きくて。中村さんがあたしたちのいい部分を引き出してくれた気はする。新しいことをしようと思って詰め込みまくってパンパンになってたところに。震災のあとに出した『SHOCKING』ってアルバムから中村さんとやり始めて、今の自分たちの作品を見てもらって、その後に作った『つしまみれ』ってオリジナル・アルバムから、中村さんがもっと首を突っ込んできてくれて、あたしたちの気持ちも汲んでくれて"ホントはこうした方がカッコいいんじゃない?"っていうのを教えてくれて。それは素直に入ってきたから、心から信頼できて。実際できたものが良くなってきたから、大きな変化があった。けど、昔のも並べて聴いてみたら意外といいなっていう感じなんだよね(笑)。

-(笑)ちなみになぜ今回がベストのタイミングだったんですか?

まり:"出したら?"って周りの人に言われたから(笑)。っていうのもあるけど、早くつしまみれのステージを大きくしたいんですよ。その弾みになればいいなと思って。

みずえ:15周年で出すっていうのはしっくりきましたし。

まり:ここで一丁"ビクターのときのつしまみれは聴いたことある"って人とか"まだやってんだ?"とか、逆に最近好きになったって人もいるんだから、全部まとめてもう1回つしまみれを見てもらえたらと思って、入門編で買ってもらえたらいいですね。

-なるほどね。今回、20曲収録されていますが各々"この曲は転機だったな"と思う曲を教えてください。

やよい:......「ストロボ」(笑)。

みずえ:ビクターから出すシングルの曲を作ろうっていうので。

やよい:今までと違う、"売るにはこうしたらいいんだ"っていう、わからないけどモデルみたいな曲をやったら面白いのかな?って感じで作ったなぁ。で、"違うな"って思って「Sex on the Beach」で開き直った気がするな(笑)。

まり:「ストロボ」は、つしまみれの中じゃ、いちばんキャッチーなラヴ・ソングを作ろうみたいなテーマはあって。それは音楽的な話じゃなくて、経済的な話だなと思うから、そのときの自分たちの考え方は、ちょっとどうかなと思うんですけど、歌ってる内容自体はすごく正直な歌ではあるんだよね。だから包み隠さず、恋だ愛だをつしまみれが歌ってみようっていう挑戦であって、そういう意味では気に入ってるけど、変に狙わなきゃみたいな圧迫感があったから、アレンジし直そうか?って、今言ってて。やっぱこの曲からつしまみれを好きになってくれた人がけっこういて、今のあたしたちが、変に世の中の人に合わせようとしてた部分を取り除いて「ストロボ」を歌ったらどうなるのか?をまさに先週から挑戦してるところで。