Japanese
The Cheserasera
2014年01月号掲載
Member:宍戸 翼 (Vo/Gt) 西田 裕作 (Ba) 美代 一貴 (Dr)
Interviewer:奥村 小雪
-宍戸さんの歌詞は結構文学的なフレーズが多いように感じたのですが、本を読んだりするのもお好きなんですか?
宍戸:いや、僕は学も教養もないタイプなんです。けど、そういう言葉とか表現とかに凄くこだわる人ってプライドが高いとかナルシストだとか、そういう噂を耳にしたことがあって。そういうところからきてるんじゃないかなって思うんですけど(笑)。
-持ち前の性格からにじみ出ていると(笑)。アルバムにアクセントを与えているTrack.6「カナリア」は、韻を踏みつつも"そうこうしてるうちに しっかりと汚されて僕ら 大人の顔つきに なっちまったな"とか、"考える程 正しい事なんてないからね"など、心にぐさりと刺さる言葉たちが詰め込まれていてすごく作り込まれた歌詞だなあと感じたのですが、この曲はどのようにして生まれたのでしょうか?
宍戸:僕は停滞感みたいなのを常に感じていて。世間的には"それを打破したい"みたいな歌詞がすごい多いと思うんです。"成果が出た"とか、"頑張ってここまでたどり着けた"みたいな。でも、そういうのじゃなくて、何も進まない状態でも色々葛藤とかがあるじゃないですか。そこをフィーチャーしてもいいじゃないかと思って。"今はただこうやって待っているだけ"みたいなことを言い切ってみたいというか、イライラを全部出し切ってみてもいいかなと思って作った歌ですね。
-そういう考え方はバンドの結成当初から持っているものなんですか?
宍戸:バンドというか完全に僕自身のエゴなんですけど(笑)、本当歌詞に関しては特に、音楽をつくるっていう感じよりは僕の生活としてさせてもらっているというか、人生としてっていうか。
-作曲はメンバーの皆さんで一緒に考えてらっしゃるんですか?それともどなたかが主軸となるものを作って、それを3人でアレンジしていく?
西田:大元を宍戸君が、持ってきてくれて、それを皆でスタジオで練っていく感じですね。歌詞があったりなかったり、メロディが全部できてたりできてなかったり、時によるんですけど。
-曲作りにおいて皆さんがそれぞれこだわった部分をお訊きしてもいいですか?
宍戸:西田と美代は2人とも、俺が"こうしてくれ"って言ってもやんないときは絶対やんないんで(笑)。
西田:というか3人ともそうですね(笑)。譲れないところはあるし。
宍戸:そうそう。だから結局"ここが聴きどころだぜ"っていうよりは、"ここは俺これしかやらないぜ"みたいなところがあって。それが僕たちの聴きどころというか癖というか。全編を通して全力だったというのが1つあって、客観的な視点をあまり持ててないんですけど。歌詞は、あまり大それた話じゃないんですが、それでこそ"そういう歌詞"と思って聴いてほしいなと思ってますね。
美代:ドラムでパッと浮かぶのは「カナリア」と「涙あふれてた」のイントロとかのリフの部分で、ドラムが結構動いたりして。そこは結構ドカスカやってる感じなんですけど、意外とフレーズをちょこちょこ変えてて。尚かつ直感的に自然な部分を味わってもらえたらっていうイメージで、ちょっと考え込むんだけどあんまりそういうのが出ないようなっていう。
宍戸:たしかに、2人は結構野性味溢れるプレイがもともと持ち味だったんですけど、今回そこにさらにクレヴァーな部分が加わって"冷血と情熱の間"みたいなプレイになってるのかもしれないですね。
美代:うん。色んな人の力を借りて、ちゃんと3人のバランスを見ながらっていうか。噛み合わせとかフレーズとかを考えながら"ここで一発叩く叩かない"とか"一音弾く弾かない"みたいなのを時間かけてつくったり。スタジオで曲をパッて作ってちょっとセッションみたいな感じで。もちろん今までの曲も細かく作り込んでる部分はあるんですけど。
宍戸:録って聴いてやって、録って聴いて......っていうのを、たぶん今までで1番多くやってるんですよね。
美代:そうだね。プリプロとかでProToolsみたいなのを使って音符として打ち込んでみて、音外してみたりとか出してみたりとか。そういうことは今回初めてやりましたね。
西田:これまでは記録の元を持ってきて、スタジオで練って録るみたいなのを、ずっとやってきたんですけど、今回はスタジオで練って録る間にそのProToolsなんかを使って、あーでもないこーでもないと楽曲をいじって。そういった作業が完全に新しいものだったので、その部分で時間はやっぱり増えましたね。そういう意味でも色んな視点を持つことができたし。
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