Japanese
The Cheserasera
2019年05月号掲載
メンバー:宍戸 翼(Vo/Gt)
インタビュアー:沖 さやこ
2017年に自主レーベルを設立し、その第1弾作品として3rdフル・アルバム『dry blues』をリリース、2018年春には会場/通販限定盤『最後の恋 e.p.』を完成させたThe Cheserasera。彼らが今、精力的なライヴ活動と地道な広報活動で、リスナーの心を強く掴んでいる。4thフル・アルバム『幻』は、もともと豊かだった彼らの感受性が、より音楽的に生々しく響く作品となった。2018年の活動を振り返りながら、今作に込めた想い、現在のモードをフロントマンの宍戸 翼に訊く。
-宍戸さんが去年の春に「最後の恋」(2018年リリースの会場/通販限定EP『最後の恋 e.p.』収録曲)のMVを告知していたツイートが、すごく印象に残っていたんです。とても切実で、音楽に懸ける本気がとても生々しく伝わってきました。
メンバー全員でずっと自分たちは何をするべきなのか、どうやって自分たちの音楽を届けていくのかを話し合っていたし、"ここで自分の想いをちゃんと示さないと"と思っていたんです。「最後の恋」のMVを撮り終えたあと、このMVがひとつの答えになるかなと感じて――それでMV公開のタイミングであのツイートをしました。でも事務所に確認を取らずにツイートしたので、後日話し合いの場も設けられまして(笑)。
-(笑)たしかに際どい内容と言えばそうですが、The Cheseraseraにとっては結果的にいいアクションになりましたよね。
マイナスな印象を持たれてもおかしくないですもんね。でも自分たちでも思ってもみないくらい大きな反響があって、首の皮一枚繋がったと言っても過言ではないくらい達成感があった瞬間でもありました。自分はずっと赤裸々にパーソナルなことを歌ってきた人間なので、活動においても隠す必要はないし、むしろ出していった方が説得力があるんだなと。だから『最後の恋 e.p.』を作って、自信になりました。
-それまでは自信を持っていなかったんですか?
長くやっているのに売れないなとずっと思ってたんですよね。でもいろんなバンドやライヴハウスの人に"「最後の恋」すごく良かったですよ!"と言ってもらえたことによって、詰まってた息が少し吐き出せたんです。そしたらやっている音楽は変わらなくてもMCでみんなの目を見られるようになったり(笑)、思っていることを思っている熱量のまま届けられるようになったり、自分やバンドの佇まいも変わってきて。自分たちのこれまでの活動が、曲の説得力の裏づけにもなってきているなと感じます。いろんなものが相まって、自分の表現においての枷みたいなものはだいぶなくなってきましたね。
-キャリアを重ねていると、伏線回収のように、自分のやってきたことが報われる出来事が次々に訪れる時期があるなと思います。
そうですね、まさにその時期に入ったのが2018年だったと思います。「最後の恋」をきっかけにいろんなバンドから"ずっと聴いてました!"とツアーに呼んでもらえることも一気に増えて。3ピースなぶん音についてもすごく研究してきたし、そこから一度も逃げたことはなかったから、今こそその力を発揮できるようになった気がしますね。『幻』も自分たちのスタイルに迷いがない状態で作れたアルバムです。
-宍戸さんは今作について公式コメントで"リズムとメロディにこだわり、シンプルに、いい音で録りました"とおっしゃっていましたね。
もちろんそれ以外にもいろんな想いが詰まっているんですけど、それを語りすぎるのもな......と思って。というのも、これまでずっと心情を吐き出す歌詞が多かったし、くどい曲も多くて(笑)。でも『幻』はそういう衝動的な感情を持ちつつも、それをきれいに作品としてまとめられました。視野が狭くない状態で曲作りができたのは、精神的に余裕があったからだと思います。時間をかけて制作したこともあって、"この曲が一番良く響くにはどうまとめたらいいだろう?"という視点も持てましたね。
-音楽との向き合い方がだいぶ変わったと。
リズムに凝るとメロディの詰めが甘くなることもあったので、メロディの良さにとらわれていた部分もあったんですけど、今回のアルバムの楽曲はライヴでどうパフォーマンスをするか、ライヴでの映え方をすごく考えました。だから8ビート以外にもいろんなリズム・パターンを持ってきて、アンサンブルがうまくグルーヴするように、聴いてて"わっ!"と思う瞬間があるかどうか、ライヴでお客さんにどうアプローチしていくか、どういうMCをしてこの曲に繋げるか――そういうことを考えながら作れたんです。よりバリエーション豊かで、音楽的にウィットに富んだ部分を出していけたらいいなと思いました。
-音楽的な観点でユーモアが感じられる作品でした。どこからどう切り取ってもバンドマンだったThe Cheseraseraに、音楽家としての要素が加わったのかもしれませんね。
音楽の良さは熱いだけじゃないなと思ったんです。もちろん熱い部分は消えてないんだけど、"必死で熱いもの"がそれほど好きじゃない人がショーとして見られるもの、そういう人をあっと言わせられることをちゃんと考えていかなきゃなとはずっと思っていて。
-元来持っていた熱量の、アウトプットの方法論が増えたということでしょうね。もともとコード・ワークで感情表現をすることに長けてるバンドだとは思っていましたが、今作はその旨味が引き出されている。歌詞でそこまで想いを吐き出さなくても、音でそれが語れるものになっているのではないかと。
あぁ、嬉しいですね。例えば"楽しい"という言葉も、キャッキャしながら言う"楽しい~!"と、なんとなく暗い雰囲気でつぶやく"楽しい"は全然違うから、そういう雰囲気作りがコードでできたらいいなと思っているんです。会話でも、言葉にしなくても空気感や表情で伝わるものがあるので、コード・ワークでその空気感や現場の景色を伝えられたらなって。3人の音だけで作ってるので、弱く叩いたり、強く弾いたりとかで音の違いを表現してますね。
-やはり3ピース・バンドは、メンバーひとりひとりの表現力が要になってきますよね。
特にドラムの美代(一貴)君は生音をすごく大事にしていて。俺もオルタナが大好きで、昔はドラムの音が聴こえないくらいのギターを出す爆音男だったんですけど(笑)、歌だって囁きたい瞬間があるし、そのときにその囁きが聴こえなくなる音が鳴ってたら伝わるものも伝わらない。3人しかいない音の表現は突き詰められたなと感じます。「Random Killer」みたいに爆音を鳴らす曲、「幻」みたいなジャジーな感じ......音楽にはいろんな良さがあると思うんです。それを3人でどれだけ表現するかということは、高い水準でやれている気がしますね。
-そんなアルバムをなぜ"幻"と名付けたのでしょう?
単純に3人全員「幻」という曲をすごく好きだったんですよね。一番音数が少なくて、ベースはこんなに音量を上げてもいいの? と思うくらいだけど、すごく音色の良さを出せている。それと12曲の中で、一番俯瞰で見ているというか、冷めた感じがするというか――言葉にするのが難しいんですけど、深いのか深くないのかわからない感覚で歌えている曲なんです。今までこういう横ノリでグルーヴィな曲は歌ってこなかったんですけど。
-そうですよね。サビのコーラスも、ちょっとゴスペル感があるというか。
まずコードから出てきて、そこにメロディがハマったからシンプルに歌い上げる曲にしたくて。フレーズや歌詞もすべてが歯車のように合致していきました。サビの"息が止まるまで続けよう/僕はあなたの味方"という部分は、すごく大きなものを歌っているんです。みんな誰しも悩む毎日があって、誰かを想う瞬間があるから、みんなで歌うような気持ちで聴いてもらえたらなと思ったんですよね。「幻」聴いてほしさにアルバム・タイトルを"幻"にしたところもありますし、そういう曲をタイトル曲にすることで、他の熱い曲や切ない曲に別の深みを持たせられたらいいなと。
-こういうフラットというか、ニュートラルなテンションの曲と歌だからこそ、"息が止まるまで続けよう/僕はあなたの味方"という言葉が映えると思います。
田舎のおじいちゃんとか、日常生活でふと出会ったお年を召した方とか、そういう人の言葉がすごく優しく響いてきたりしますよね。例えば銭湯の番台のおばちゃんに"お疲れ様"と言ってもらえたりする瞬間って、染みわたるものがある。語気が強くなくても心に入ってくる歌を歌える人間になりたいなとは昔から思っていたので、「幻」でそういうものを体現できたらすごく理想的ですね。
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