Japanese
sora tob sakana
2019年07月号掲載
Writer 宮﨑 大樹
ポスト・ロックやエレクトロニカをベースに、様々なジャンルを取り入れた上質な音楽と、どこか神秘的ですらある透明度の高い歌声で、シーンに唯一無二の存在感を放ち続けているアイドル・グループ、sora tob sakana。2019年5月6日をもって風間玲マライカがグループを卒業し、神﨑風花、寺口夏花、山崎 愛の3人組となった彼女たちが、新体制で2ndシングル『ささやかな祝祭』をリリースする。
このシングルをご紹介する前に、sora tob sakanaのメジャー1stフル・アルバム『World Fragment Tour』(2019年3月リリース)について音楽プロデューサーの照井順政(ハイスイノナサ/siraph)に話を訊いた本誌のインタビューに触れておきたい。インタビューで照井氏は、『World Fragment Tour』のテーマを"自分の目と足で改めて世界と出会い直していく"ことだと語っていた。その言葉通りに、同作は、アラビックなスケールを取り入れたり、シンガー・ソングライターの君島大空、siraphの蓮尾理之(Key)、JYOCHOのだいじろー(Gt/Cho/中川大二朗)が制作した曲を収録したりと、彼女たちの音世界に新たな扉を開いた傑作だったことは間違いない。しかしながら照井氏は、インタビューで今後のsora tob sakanaの方向性について訊かれた際に、"このアルバムを経たうえで、今までの方向をより一段階上で出すのがいいのかなって今は思います"とも語っていた。そんな経緯もあって、新体制のsora tob sakanaがどんな世界を見せてくれるのかと期待せずにはいられなかったわけだが、今回、ギフト・ボックスのラッピングを開封するかのようなドキドキとワクワクを抱きつつ聴き始めた2ndシングルに、大いに驚かされることとなった。
オープニング・トラックである表題曲「ささやかな祝祭」は、ピアノやトランペット、トロンボーン、コントラバスを始めとした楽器のアンサンブルでウキウキと心躍る1曲。この曲は"宴"をテーマとしており、2019年7月より放送開始予定のTVアニメ"ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ"のエンディング・テーマに起用されている。賑やかで、明るくて、気持ちが華やぐこの曲の音像に包まれていると、大森藤ノ原作"ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか"、通称"ダンまち"を知っている人であれば、冒険者たちがダンジョンから戻り、馴染みの酒場で宴を開いている光景がありありと浮かぶのではないだろうか。"宴"や"楽しさ"を聴覚的にここまではっきりと表現しきった照井氏の手腕には思わず舌を巻くし、曲の持つ明るさや楽しさをまっすぐに歌い上げるsora tob sakanaの歌声には、これまでの彼女たちの大きな武器だったノスタルジーとはまた違った魅力を見いだすことができた。こうした表現者としての幅の広がりを感じさせる背景には、先ほど触れた『World Fragment Tour』を制作するうえでの経験や、新体制で新たなスタートを切るまでの心の成長もあるのかもしれない。
カップリングではグループの深化や、新たな試みでも魅せる
表題曲で"宴"のテーマに沿ったsora tob sakanaの明るい表情を見せたとするならば、続く「乱反射の季節」で見せたのはグループの深化だろう。まず、sora tob sakanaがこれまでに魅せてきたポスト・ロックを基盤とした疾走感のあるサウンドと、随所に散りばめられたスティールパンの音色との融合がたまらなく気持ちいい。そして、そんな極上の音楽の上で、奇跡の産物と言っても過言ではない彼女たちの美しいユニゾンが展開し、自由に飛び回っていく様には思わずうっとりとさせられてしまう。メンバー個々の歌唱力と表現力にも磨きが掛かっているようで、このことも彼女たちの世界観を深化させた要因のひとつだと感じさせられた。あえてもう一度引用するが、照井氏が語った"今までの方向をより一段階上で出す"を体現した曲が、この「乱反射の季節」だと言えるのではないだろうか。これがsora tob sakanaのネクスト・ステージなのだとしたら、まだまだ彼女たちの飛躍は続いていくだろうという確信に近い予感がする1曲だった。
そして本作を締めくくるのは、冒頭のポエトリー・リーディングから夜空を思わせる幻想的な音世界が広がっていく「ブルー、イエロー、オレンジ、グリーン」。ポエトリー・リーディングを大胆に取り入れた曲は、sora tob sakanaにとってのチャレンジとも受け取れるが、スロー・テンポの音楽に乗せて純真な声で紡ぎだされる言葉は、心にじわっと染み渡っていくような感覚がするし、サビで聴かせる、どこまでも遠くへ届いていきそうな伸びやかな歌声もまた心地よい。夏の夜空を見上げながら歩く散歩道で聴くも良し、または就寝時にまどろみながら聴くのもいい。そんなシチュエーションにピッタリのチルアウトなナンバーに仕上がった。
こうして、宴の楽しさ、グループの深化、ポエトリー・リーディングと、3曲入りシングルの中で様々な表情を見せてくれたsora tob sakana。彼女たちの今後の作品がさらに楽しみになる1枚が完成したわけだが、そうなってくると新体制でのライヴ活動も気になってくるところ。今後のライヴ予定として、彼女たちは7月6日より全国ツアー"sora tob sakana LIVE TOUR 2019「天球の地図」"をスタートさせることが決定している。7月に結成5周年を迎える彼女たちは、意外にも今回が初の単独ライヴ・ツアーだというから驚きだ。そんな記念すべきツアーでは、7月6日に東京 代官山UNIT、7月21日に大阪 246ライブハウスGABU、8月12日に名古屋 JAMMIN'と東名阪を回り、ラストとなる9月22日に東京へ戻ってのヒューリックホール東京公演を控えている。回遊魚の如く、各地を巡って成長していく過程も楽しみであるし、ニュー・シングル『ささやかな祝祭』の収録曲が披露されるかどうかにも注目したいところだ。
さらに楽しみな情報として、sora tob sakanaは、彼女たちが躍進するきっかけのひとつとなったTVアニメ"ハイスコアガール"主題歌「New Stranger」に続いて、同アニメの続編となる"ハイスコアガールⅡ"のオープニング・テーマを担当することが明らかになっている。「New Stranger」ではsora tob sakanaのノスタルジックな魅力と、漫画家 押切蓮介による同名漫画を原作とするアニメが相性抜群のコラボレーションをしていたこともあり、こちらも期待せずにはいられない。2019年10月の放送開始(予定)までに、今後詳細が明らかになってくるのか、こちらも期待しつつ続報を待とう。
VIDEO MESSAGE
▼リリース情報
sora tob sakana
2ndシングル
『ささやかな祝祭』
[Warner Bros. Home Entertainment]
2019.07.24 ON SALE
【アーティスト盤】(CD+DVD)
1000746064/¥2,037(税別)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
[CD]
1. ささやかな祝祭 ※アニメ"ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ"エンディング・テーマ
2. 乱反射の季節
3. ブルー、イエロー、オレンジ、グリーン
[DVD]
「ささやかな祝祭」ミュージック・ビデオ
■ジャケット仕様
16Pブックレット
イラストレーター"津田"、"ぽち"によるイラスト
ライナーノーツ収録
(C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち2製作委員会
【通常盤】CD
1000746065/¥1,111(税別)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
1. ささやかな祝祭
2. ささやかな祝祭-TV Size-
3. ささやかな祝祭-パソコン音楽クラブRemix-
■ジャケット仕様
アニメ"ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ"描き下ろしイラスト差し替えジャケット
8Pブックレット
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