Japanese
暴動クラブ
2025年10月号掲載
Member:釘屋 玄(Vo)
Interviewer:吉羽 さおり
2023年の『暴動クラブのテーマ』でのインディーズ・デビューで、この令和という時代に、ケバケバしい毒っ気たっぷりのロックンロールをポップに響かせた20代の4ピース、暴動クラブ。時代を超えた存在感とライヴ・パフォーマンスとでその名を轟かせてきた彼等が、本日10月8日、アルバム『暴動遊戯』でメジャー・デビューを果たした。メジャー・シーンを道場破りする気概で磨き上げてきたという今作には、ロックンロールの持つ、純粋にしてはちゃめちゃなエネルギーや華美でいかがわしい香り、甘美なロマン、あるいはジャンルを横断する大胆さや、いろんなものに舌を出す茶目っ気のある遊び心も詰まっている。バンドの魅力を全方位で叫ぶようなアルバムだ。改めて暴動クラブとは何者なのか、フロントマン、釘屋 玄に話を訊いた。
-メジャー・デビューでこうしたインタビュー等も増えている状況で、実感も湧いてきているところだとは思います。このアルバムのリリース前にも今年は、釘屋さんが初の"FUJI ROCK FESTIVAL"で、池畑潤二(Dr)さんをはじめ、錚々たるロック・ミュージシャンによるROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAにゲスト出演するという大舞台の経験もありましたが、反響、反応はどうでしたか。
すごく良かったですね。朝から早起きして、自然の中でライヴをするということはあまりないので。お客さんも多いし、景色もいいし音も遠くに飛んでいくしで、気持ち良かったですね。"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)"は結局3日間いたんですけど、ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAの後に、苗場食堂で池畑さん(苗場音楽突撃隊)のステージにも出させてもらって、お客さんと喋れたりもしたので、良かったんじゃないのかなって思います。
-メジャー・デビューで多くの人にも知ってもらえる機会なので、アルバムの話の前にまずは釘屋さんのルーツ的なところ、今の釘屋さんを作っている音楽や映画、カルチャーについて改めて聞かせてください。
そうですね、カルチャーで言うとモッズカルチャーは好きでしたね。それは音楽もだしファッションも一時期はそういう感じでした。映画"さらば青春の光"とかが最初だったと思うんですけど。
-釘屋さんのような若い世代で、その映画はなんで知ることになるんですか。
音楽、ロックンロールとかを聴き出した頃だったんですけど、地元広島にミニシアターみたいなのがあって。そこで"さらば青春の光"をやるっていうので、行ってみようかなって観に行ったらすごく面白くて。音楽もTHE WHOとかがやってるからいいし、格好もみんなビシッと決めてて、こんなかっこいいものがあるんだって。ちょっとスマートなヤンキー文化みたいな(笑)。それでハマって。モッズはブラック・ミュージックを聴いているというので、そんな音楽も聴いたりして幅が広がっていきましたね。それまで80年代の音楽はほとんど聴いてなかったんですけど、THE WHOの流れでTHE JAMを聴いたらすごく分かりやすかったし、こういうのもあるんだって一気に広がった感じはありました。
-そのバンドのルーツであるとか、関連のあるバンドという感じでどんどん自分で音楽を掘っていくようにもなったと。
あとはレコード屋という場所も大きかったですね。それも広島なんですが、当時は高校生でお金がないから3,000円のレコードとかはそんなに買えないですけど、その店は安いレコード棚が下に置いてあって、そこはよく見てました。そのラインナップが結構良くて。ストーンズ(THE ROLLING STONES)を入れておいてくれたり、ジャケ買いをしたり、あまり興味ないけど安かったから買ってみたりして、それを好きになるとかがあって、今持ってるレコードの半分くらいはあの店で買ったものだと思いますね。
-それくらい釘屋さんを育ててくれた感じがあったんですね。そういうなかで自分はこんな音楽が好きだなって分かってきたんですか。
そうですね。最初にロックンロールとされる音楽を聴いたときに、簡単そうじゃんみたいな感じで好きになったんですけど、そこはずっと変わってないかな。当時から主流のものというか、流行っているものは耳には入ってくるけどハマらなくて。たまたま映画で観たCCR(CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL)の曲を聴いて、下手くそだなぁって思ったんです(笑)。変だし、音も汚いし、こんなのあるんだって。でもそこからハマったというか、これが60年代、70年代の音なんだって。50年くらい前のものなのにこんなにかっこいいものがあるんだなって思いました。
-暴動クラブのメンバーとは、ルーツ的なところで近いものはあるんですか。
大枠で見たら方向は一緒だと思うんですけど、それぞれ全然違うんですよね。マツシマ(ライズ/Gt)は、THE BEATLESは「Help!」くらいしか知らないんじゃないかなってくらい、ずっとツェッペリン(LED ZEPPELIN)とかロカビリーばっかで。リズム隊2人(城戸"ROSIE" ヒナコ(Ba)&鈴木壱歩(Dr))は80年代のハード・ロックが好きなんですけど、みんなTHE ROOSTERSとかSONHOUSEとか、めんたいロックのその辺は好きです。
-そのあたりが暴動クラブの持つ歌心的なところにも通じているんですかね。
THE MODSやARBは歌がちゃんとある感じだけど、THE ROOSTERSやSONHOUSEはしっかり楽器もやかましくて、でも歌心もちゃんとあって、なんか分からない良さがあるみたいな。そういうところはみんな好きなんじゃないかな。曲を作るときも、"これがTHE BEATLESのなんとかで"って言っても通じないし、"WHITESNAKEのなんちゃらで"と言われても俺は分からないしってなるんですけど、THE ROOSTERSとかはバンドの共通言語として結構通じる感じはありますね。
-今回のアルバム『暴動遊戯』は、リフが印象的だとか、キャッチーなフレーズやワード感が随所に出てくる感じがあるなと思いますが、曲をアレンジするときは、そんなふうに具体的なバンド名や、あの曲のあの感じでっていうのは言葉として飛び交うんですか。
今まで出したものについて、そういえば意外とリフっぽいのはなかったよねっていう話はした記憶がありますね。そういうところはわりと軽いノリでやってます。
-改めてこのメジャー・デビュー・アルバムは、"暴動遊戯"という青春映画のような作品だなと感じています。「ドライヴ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」で勢い良く始まって、最後の曲「ハニー」でエンドロールが流れてくるような充実感があって。荒々しいけど、美しく、洗練もされているアルバムだと思いますが、作品としてはどういう感じで進めていったんですか。何かイメージがあった感じですか。
できあがるまでは特に作品のイメージというのはなくて。メジャーだからなのかは分からないですけど、曲の解像度、音質とか音楽的な面でブラッシュ・アップしましょうというのはありましたね。逆に言えば、そこくらいしかなくて。あとは各々が曲をポンポンと出して、プリプロで合わせてみて、ちょっと違うかな? って今回のアルバムからは外れた曲もあるし、適当にやってみて意外といいから入れましょうという曲もあるし。そうやってどんどんできていった曲を録っていって、最終的にこのジャケとタイトル、曲順を決めた感じだったので、このアルバムに関してはこれをやろうみたいなものは特に決めずにやったつもりなんです。今一番かっこいいことをできるだけやろうみたいなノリでした。
-昨年リリースしたセルフタイトルのアルバムは、THE NEATBEATSのMR.PAN(Takashi "MR.PAN" Manabe/Gt/Vo)さんプロデュース、アナログ機材が揃ったMR.PANさんのスタジオ GRAND-FROG STUDIOでのレコーディングで、バンドのリアルな音、バンド感を詰め込んだ作品でしたが、今回はまた違う形でのレコーディングだったんですね。
今回は逆に、テクノロジーを駆使した曲もありますね(笑)。でも、4曲くらいはスタジオにただマイクを立てて一発でやってみましょうってやったら、歌も込みでそのテイクが良くてそのまま収録された曲もあって、今までのどちらの面もあるのかなという。
-ちなみに今回のレコーディングで、思わぬ感じでいい化学反応が起きたレコーディングマジック的なものはありましたか。
これはレコーディングの化学反応というより俺の話になるんですけど、「FEEL SO GOOD?」、「LIFE FUCK」、「ハニー」は一発録りで、この曲ではクリックを聴かずにとりあえずバンド全体で合わせてみましょうとなって。クリックを聴かないってことは俺が毎回歌わないといけないんですよね。喉のコンディションが良くなかったんです。だから"3テイクくらいが限界かな"ってやったら、それがすごく良くてそのまま採用されたという。レコーディングマジックというか、俺の喉マジックの話ですけど(笑)。あとは、たまたまミスったのが良かったところも随所にあるし、そういうのも残しています。
-整ったきれいなものよりも、バンドのノリやグルーヴが活きているもの、勢いのほうを大事にしたということですね。
あまりいじってしまうと無味になるっていうことがやっぱりあると思うんです。有名なバンドでもコーラスの歌詞全然違うじゃんとか、1番と2番逆になってるのもそのまま出してたり、THE BEATLESでも、ソロめっちゃ間違えてるのにそのまま出しちゃったりもあるみたいだし。
-それもまたそのときならではの記録としての面白さですね。それぞれの曲についても聞いていきたいのですが、まず1曲目の「ドライヴ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」は作曲がマツシマさんで、作詞が釘屋さんです。マツシマさんからはどういう感じで来た曲だったんですか。アルバムの1曲目に相応しい曲だなと思いますが、作りながらその目星も付いていたんですか。
リフが結構細かい感じだし、イントロがばーっと広がる感じもあったので、スタジアムっぽい感じというか、広がる感じみたいなのは意識してやってたかな。録ってるときにこれは最初でいいんじゃないっていうのはあって。曲順決めでも、他のところはメンバーそれぞれ思うところがあってどうしようってなりましたけど、これは満場一致で1曲目でいいんじゃないと決まってましたね。
-"ドライヴ・ミー・トゥ・ザ・ムーン"というタイトルは、歌詞にもFrank Sinatraの名が出てきますし、ジャズのスタンダード曲「Fly Me To The Moon」から来ていると思うんです。こんなふうに、ジャズやポップスの曲名をもじるとか、キャッチーに使ってみようというのは結構意識的にやっている感じですか。
ジャズを好きだって言ったらジャズを好きな人に殴られちゃいそうだけど(笑)。昔、ジャズ研に入っていたんですよ。SinatraとかElla Fitzgeraldとかあの辺の人、歌があるジャズが好きで、普通にポップスとして聴いているところがあるので。でも、意外とロックの人がジャズもじりみたいなものをやることはあまりないのかな?
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