Japanese
宇宙団
2025年08月号掲載
Member:もちづき(Vo/Gt) コンノ(Gt/Vo) 高のしま(Ba) ツチ丸(Dr) 関口マドレーヌ(Key)
Interviewer:山口 哲生
-特にそういった東洋感に気を付けながらやった曲はあります?
関口:「カンフー指南」は、最初のシンセリフの音を3パターンぐらい用意して、どれにしようかめちゃくちゃ悩んだ末に今の音にしたんですけど、あれも本当はもうちょっと本場っぽさのある音も候補に入れてはいたんですよ。あと、宇宙団っぽいちょっとアングラな感じの音も候補にしてたんですけど、やっぱり一番直球で分かりやすく、且つなんちゃって感が一番あるなっていうことで、最終的に今のものに落ち着いた思い出があります。
-旅をテーマにするにあたって、中国はマストというか、やりたいものの1つだったと。
もちづき:そうですね。いろいろな音楽を作るにあたって、中国サウンドはやっぱり一番王道なので触れておきたいなと思ったんですけど、王道だからこそみんなやっているし、テンプレ化しているから難しいんですよね。宇宙団というバンドで、バンド・サウンドで、中国サウンドを誰もやってない形でやる難しさを痛感しながら進めていた曲でした。バランスがすごく難しかったですね。
-あと、アジアに寄っているというお話がありましたけど、自然とアジアが多くなったんですか?
もちづき:そうなんですよねぇ。オリエンタルなフレーズが好きなので、それが自分の中で自然だったこともありますし、今の宇宙団の音楽に組み込みやすいというか。狙いすぎてない感じで取り入れやすいのはアジア圏の音楽なのかなと思って、そっちをチョイスするようにしてました。
-ヨーデルとか難しそうですもんね。
もちづき:そもそも歌うのが難しいです(笑)。例えばいろんな他の楽器を入れるとか、そういうことができるのであればもっと広がるのかなと思ったんですけど、バンド・サウンドにこだわりたいなっていうのもあったので。
-バンド・サウンドにこだわりたかった理由というと?
もちづき:いろいろな曲を作っていくなかで、"この曲をこの5人でやる意味はなんなのか"の理由を一曲一曲にきちんと意味付けするのが、5人になってからの私のテーマなんです。私はソロで弾き語りもやっているんですけど、これはソロの曲に回したほうがいいなとか、これはこの5人でやることではないなとか、そこが曲を選ぶ基準の1つとしてあるし、その上で今は曲作りをしているような形です。
-では、コンノさん、いかがでしょうか。ご自身が思う"私のここを聴け!"というポイントというと。
コンノ:僕だけ聴いてほしいとこがあるの恥ずかしいんですけど(苦笑)。千夜のAメロの僕の歌と、ギター・ソロですね。歌については、歌詞に憂いを帯びたような雰囲気があるので、思いっきり泣きそうなことを考えながら歌ってみたところ、上手く録れた実感がありました。ギター・ソロに関しては、逆に泣かせてやろうと考えていて、アルバムの中で一番感情を込めて弾いている箇所ですね。ソロを作るにあたってフレーズをいろいろ考えたのですが、全部1人で弾くと忙しくなってしまうので、そうはしたくないと思い。ツイン・ギターにすることで(ギター1本あたりの)忙しさを軽減させつつ、ボリュームはたんまりあるようなソロを作りました。
-忙しいから楽したいなという気持ちもありつつ(笑)。
コンノ:アルバムも佳境の位置にあるので上手くハマってくれているかなと思っています。
-メンバーの中でも「千夜」のギター・ソロはどうですか?
ツチ丸:私、「千夜」のギター・ソロは、ギター・ソロ界の中で一番好きです。
-たしかにグッときますよね。それこそツインになっているところがいいなと思って聴いてました。
ツチ丸:忙しさを軽減して(笑)。
-効率良くいいものを弾くっていう(笑)。大事なことですね。アルバムの佳境というお話がありましたけど、前半は楽しくてハッピーな曲が続くんですが、後半の「カッシーニ」、「千夜」からトーンを落として、また別のモードになっていく構成になっていますね。
もちづき:もともと、「ぼくらは幸い、いまも旅の途中」を、アルバムの最後に持ってきたいなという気持ちがあったんです。様々な旅をテーマに曲を作っていますが、これは私のことというか、私たち5人のことというか。すごく距離感の近い曲で終わりたいなと思っていたので。それと、「千夜」は後半のほうにできた曲なんですけど、いろんな曲が集まってくる中でも、この曲はすごくストレートだから軸になるんじゃないかなと思ったときに、最後のほうに持っていきたいなっていうところから、この曲順になりました。
-「千夜」は唱歌やNHKの「みんなのうた」みたいな空気感というか。優しくて、温かくて、みんなで歌えるメロディなのが素敵だなと思いました。
もちづき:宇宙団って結構「みんなのうた」感があって。「わっしょいダンシング」とか「銭湯」とかも、子どもたちがいる商業モールでライヴしたときなんかにすごく盛り上がるんですよ。サビの歌詞も繰り返しが多いから覚えやすいみたいで。「千夜」に関してはとにかくシンプルに、余計なものを付けないことを意識していたので、きれいなメロディときれいな歌詞が口ずさみやすい歌に繋がってるといいな。
-もちづきさんはいかがです? "私のここを聴け!"もそうですし、自分の中でこれは会心の曲が書けたと思うものでいうと。
もちづき:正直、全部の曲に思い出がたくさんあるんですけど、強いて言うなら「Voyager」ですね。私もこんなポップで明るい曲はめったに書かないというか、久々に書いた感じだったんですよ。個人的には挑戦の一曲でした。アニソン寄りやポップなメロディの中に、RPG風のイントロだったり、ハモリが多重になったり。そういう細かいアレンジは宇宙団らしい小ネタが効いているなと。ただのJ-POPではなく、この5人でやる意味をたくさん詰め込むことができたと思うので、そこも聴いてほしいなって感じます。
-たしかに、イントロはおっしゃっていたRPG感がありますね。
もちづき:みんなが手を振ってるみたいな。"未知との遭遇"の宇宙人がやってきて旅立つシーンを何回も観て、これが自分たちだったらどうなるだろうってのをちょっと想像しながら作ってました。
-あと、冒頭で少しお話しされていましたが、3部作にしようという構想があるとのことでしたけど。
もちづき:3部作というものにすごく憧れがありまして。1枚目の『円盤ヒッチハイク』が飛び立ちの一枚だとすると、2枚目の『銀河トリップ』は飛び立った宇宙船が旅をしているところ。3枚目はここから作っていくなかで、どんなふうにしたら今の宇宙団に合うか、まさに手探り中というか、日々考えていて。今作は、挑戦したいとか遊びたいとか面白いことをやってみたいって今の宇宙団のモードと、テーマの"旅"がすごくマッチしているなと思うので、このタイミングで出せたことがすごくいいことだなと感じています。
-たしかに、3部作目がどんなふうになるかは、この曲たちをライヴでやっていくことでまた見えるものがあるでしょうし、自分たちがここからどうなっていくんだろうかということでもあるので、それは手探りにもなりますよね。
もちづき:そうなんですよね。『円盤ヒッチハイク』から幅をグイーン! と広げましたが、この広げた幅をさらに広げていくのか、それとも改めて宇宙団はどういうバンドなのかを絞って考えていくのか。そういったところは正直本当に手探りですけど、幅が広がったからこそ悩める状況にいることはすごくありがたいと思っているので、ここからどんなふうに描いていくのかは、またみんなで話し合いながら、方向性を決めていきたいなと思っています。
-次作も楽しみにしてます。そして、8月27日に下北沢シャングリラでリリース・パーティー([宇宙団pre. "満天 vol.3"?4th album『銀河トリップ』release oneman live?])も開催されます。最後にもちづきさんから意気込みをいただければと。
もちづき:過去最大のキャパシティで行うワンマン・ライヴです。この5人でできる喜びを十分に感じながら、今できる全ての力を振り絞って絶対成功させたいと思ってます。皆さんぜひ遊びに来てくれたら嬉しいです。
RELEASE INFORMATION
宇宙団
4th Album
『銀河トリップ』

WBSB-0114
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