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INTERVIEW

Japanese

マッシュとアネモネ

2023年04月号掲載

マッシュとアネモネ

Member:もちこ(Vo/Gt) 間下 隆太(Gt/Cho) 田尾 実悠(Ba/Cho)

Interviewer:山田 いつき

2022年4月より新曲を毎月連続でリリースしてきたマッシュとアネモネが、そのラストを飾る第12弾「ジェニー」を発表した。門出をテーマに制作された同曲は、誰かの踏み出す新たな1歩を後押しする前向きなメッセージと、3月という今の季節感を内包したフィナーレに相応しいエモーショナルなナンバーに仕上がっている。昨年8月には自身初のワンマン・ライヴを成功裏に収め、12ヶ月連続リリースという過去最大の試練を乗り越えたメンバーに、新曲「ジェニー」について、そしてバンドの今とこれからを訊いた。

Skream!でのインタビューは、初の全国流通ミニ・アルバムとなった『羊の飼い方』(2019年リリース)ぶりになります。それから現在に至るまで、メンバー・チェンジや"BAYCAMP2020"などの大型フェス、"IMAIKE GO NOW 2022"といった関東以外のイベントへの出演でバンドの状況はかなり変わったと思うのですが、いかがお過ごしでしたでしょうか。

もちこ:この数年間でメンバーの入れ替えやコロナ禍が重なり、ライヴが必然的に減ったことが音源を作るいい機会になりました。その間に作った楽曲たちが連続リリースに繋がって、結果的に意味のある活動を続けられていると思います。

-昨年8月には渋谷B.Y.Gで初めてのワンマン("SLOW BOAT")も行われましたが、感想としてはいかがでしたか。今後の課題ややってみたいことが出てきたりもしましたか。

もちこ:B.Y.Gは普通のライヴハウスと雰囲気がまったく違うので、演者としてもかなり気持ちが作られるイベントでした。普通のライヴ・イベントだけではなくて、面白いコンセプトで固めた企画などもやっていきたいと思えたワンマンでした。今後の課題としては、長時間のステージで立ち振る舞い含め、もっとうまくなりたいなとも感じました。ワンマンのあと、B.Y.Gをホール・レンタルさせていただき、楽曲作成も行って「134」(2022年12月配信リリース)を作ったことも印象に残っています。

-では、昨年4月より12ヶ月間にわたって新曲を連続リリースされてきましたが、この企画がどういった経緯でスタートしたのか教えていただけますでしょうか。

もちこ:コロナで思うように活動ができておらず、もどかしさもあったことから思い切って動き出しました。先ほども言った通り、楽曲もある程度できていて発表の機会として、企画をスタートしました。

-第1弾となった楽曲「テレビ」(2022年4月配信リリース)の紙資料に"過去最大の試練"と書いてあったのが印象的でした。12ヶ月連続で楽曲を発表し続ける大変さは想像に難くないですが、実際にやられてみていかがでしたか。

もちこ:想像以上に大変でした。私の場合は、メロディを作ることよりも作詞をすることのほうが遥かに大変でした。単純に1ヶ月に1曲作ると考えても、毎月自分の中で歌詞に取り上げるべき大きな変化や出来事があるわけではなかったので、曲のテーマに頭を悩ませるばかりでした。

-そもそも今回の企画は楽曲が出揃った状態で始まったのか、それとも企画と並行しながらレコーディングが進んでいったのでしょうか。例えばひとつの作品としてパッケージ化することもできたと思うのですが、なぜ12ヶ月連続リリースという形にしたのか理由をお聞きしたいです。

もちこ:半分くらいまでは曲ができている状態で、後半は制作と並行して企画が進みました。短いスパンで曲をリリースするという経験がなかったので、試してみたいと思いました。実際12ヶ月連続で出し続けないと、思いもしなかったようなアイディアがあったと感じます。TOKYO FMの12ヶ月連続のパーソナリティ("FESTIVAL OUT"番組内コーナー"RADIO BLAST powered by Fanpla Kit")も決まったタイミングで、発表の機会も与えていただけたので、毎月リリースという形を取らせていただきました。

-"円"をイメージした第4弾楽曲「サークル」(2022年7月配信リリース)、自身が夢の中で体験した出来事をもとにした第6弾楽曲「ライトハウス」(2022年9月配信リリース)、漫画に出てくるキャラクターをイメージした第8弾楽曲「ナリ」(2022年11月配信リリース)、国道134号線から着想を得た第9弾楽曲「134」など、インスピレーション源の多様さに驚かれます。もちこさんは普段から意識して様々なことにアンテナを張られているのでしょうか。

もちこ:毎月リリースがあるなかで、短いスパンで曲作りをしていると作詞の面で息詰まることが多く、どんなことでもコンセプトとして拾えるようにしようと意識していた部分はあります。日々のインプットも心掛けました。たくさん本を読んだり、「ナリ」を作る際には、モデルにした漫画"Black!"の気に入ったところに付箋を貼りながら読んだりしました。

-2023年2月に発表された第11弾楽曲「ムーンショット」は野球がテーマとなってますが、期せずしてWBC日本優勝で、リリース時よりも歌詞で描かれている心情のリアリティが増したような気がします。この曲に対しての心境の変化などはありましたでしょうか。

もちこ:曲を作ったときやラジオで話した解説では、周りに左右されず、自分らしくいたいという内容でしたが、WBCを観てその考えは変わったと思います。周りに左右される必要はないけれど、その世界のトップにいる人たちの活躍ぶりを見ていると、やはり他人から刺激をされる部分はあると思うんです。「ムーンショット」の中では、自分だけの魅力みたいなものを肯定するつもりでいましたが、それができるのは、やはりそれなりの努力をして、力を発揮できるようになってからだなと気づかされました。