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INTERVIEW

Japanese

私立恵比寿中学

私立恵比寿中学

メンバー:真山 りか 安本 彩花 星名 美怜 柏木 ひなた
小林 歌穂 中山 莉子 桜木 心菜 小久保 柚乃 風見 和香
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 濱谷 幸江

-それぞれの自己紹介の歌詞について聞いていきたいんですけど、今みたいな風見さんの真面目な回答の感じが、真面目キャラの歌詞になっていったんですね。

一同:(笑)

風見:真面目ってよく言われるけど、そんなに真面目じゃないんですよ、私。

桜木:真面目じゃなくて、バカ真面目なんです(笑)。

-小久保さんは、相変わらず赤ちゃん扱いをされていますよね。

小久保:え、最近もされてますか?

安本:うん。赤ん坊だよ。ばぶちゃん。

中山:インスタで柚乃のこと載せるときは、必ず絵文字がばぶちゃんだもん。

小久保:されていました(笑)。みんなは歌詞があるじゃないですか? だけど私だけ歌詞がなくて、"自由に決めて話したいことを話して"と言ってくださって、自分の自由な時間になりました。

-まさに"マイペース"ですね(笑)。桜木さんは?

桜木:私は、自分のキャラをどう伝えたらいいんだろうってすごく悩んだんですけど、"マインドヤンキー"としてやらせていただきました(笑)。あとは"ラップが好きです"と伝えたら、ラップのパートを作ってくださったのが嬉しかったです。

-"マインドヤンキー"について詳しく聞いてもいいですか?

星名:喧嘩を売るとかそういうことではなくて、ヤンキーの人たちってマインドが強いじゃないですか? そういうところがあります。

安本:"仲間命。夜露死苦"みたいな(笑)、そういうマインドを持っているよね。

星名:嬉しかったのが、"茨城 生牡蠣 悪ガキ"って、私が言ったことがそのまま使われているんです。

桜木:"韻っぽい"ってなったよね。

-中山さんは"その2"だと子供扱いされていましたけど、お姉さんキャラになりましたね。

中山:3人が入って、ちょっとお姉さんになりました。あと"エビ中のエンジン"というのは、去年の"大学芸会"に歌穂ちゃんの友達が来てくれて、そのときの感想だったんですよ。

小林:友達が"莉子ちゃんはエビ中のエンジンで、莉子ちゃんがいるから熱量が上がっているよね"って。

中山:それが本当に嬉しくて。まさか歌詞になるとは思っていなかったし、そうなれるようにもっと頑張ろうと思えた歌詞でした。

-たしかに、中山さんのライヴ中の役割は加入当初からずいぶん変わりましたよね。

安本:そうですね。小鹿ちゃんだったのにライオンさんに。

柏木:種類違うじゃん(笑)。

-小林さんは、歌詞によると羽毛布団になりたいんですか?

小林:そうです。いろんな方から"温かい"と言ってもらうことが多くて。歌声でも性格面でもそう言ってくださるので、羽毛布団になりたいなと(笑)。そういう部分におばあちゃんを思い出すのか、自分でもおばあちゃんみがあると思うので、縁側系アイドルです(笑)。

-続いて、柏木さんは"転校いたします"と歌っていますけど、このタイミングで収録できて良かったですね。

柏木:そうですよね。転校については、校長(藤井ユーイチ)と前山田さんで入れたほうがいいよねと話してくださいました。私は自分の意見をあんまり言ってなくて、メンバーからの意見で完成されているんです。

安本:そうだね、"声量最強"とか。

柏木:野球についても、前山田さんの意見で書いていただいて。みんなの意見が詰まった歌詞になったのが、私にとっては嬉しかったなと思いました。

-星名さんは"その2"の"キャピキャピ歌う"から"切り込み隊長"へと振れ幅が出ましたね。

星名:そうなんです。"最近キャピキャピ歌ってる?"と聞かれて、そんなにキャピキャピ歌ってないなって(笑)。"切り込み隊長"はみんなからの意見を入れてもらいました。"キラキラ"から"ギラギラ"になったのもみんなの意見です。

安本:キラキラ度がマシマシになってるからギラギラで(笑)。

中山:"激辛"とか言葉のひとつひとつが強い(笑)。

柏木:"ギラギラ光る 無敵の"って、今見るとすごいね。これは美怜ちゃんじゃないと無理だよ。

-安本さんは"その1"、"その2"で続いていたお父さんネタがなくなりましたね。

安本:20歳を超えたので、彩花は巣立っていきました(笑)。私はとにかく自分が得意なことを単語でバァーっと前山田さんに送って。そうしたら、もうそのまま入れようと。"人生めちゃたのしいわー!"は"ぜひ安本にそれを言わせたい"と言って、作る前から考えてくれていたみたいでした。

-そして真山さんパートは、"その2"に引き続きアニメ方向の内容を入れつつ、アニソンへの夢から、より現実的な想いへと移り変わったような印象でした。

真山:前山田先生との打ち合わせで"アニメを残したい"というお願いをしたら、この形になりました。メジャー・デビューからの10年間で、ヘアスタイルもポニーテールにしているので、変化しないことが個性の見せ方のひとつなのかなと感じていますし、今後も好きなものを貫いて生きていこうと思います。

-安本さんでいう「エビ中出席番号の歌 その3」のように、再録できて良かった曲をそれぞれ聞かせていただけますか?

真山:「パクチー」です。メンバーの転入転校により、歌割が激むずになった曲が今回ようやく整いました! ようやく涼しい顔して披露ができます!

星名:私は「Family Complex」が再録できて良かったなと思って。この曲が入っている『MUSiC』(2019年リリース)というアルバムのレコーディングは、結構な大怪我をしたあとに録ったんです。聴き返してみると全然元気のない声で、そういうつらかった思い出がこのアルバムにはあって。自分にとっては悔いが残るアルバムだったので、ここで再録できたのはすごく嬉しかったです。3人(桜木、小久保、風見)の名前(が入った歌詞)も体育(岡崎体育)さんが作ってくれて、同じ曲だけど9人の私立恵比寿中学を表現できている1曲なので、今の9人の期間はあと少しですけど、みんなの心に残る1曲になるんじゃないかなと思います。

柏木:私は「スターダストライト」かなぁ。すごく好きな曲ですし、10年前の楽曲なので当時はすごく子供な声で、大人になった自分たちで歌うのがすごく好きです。当時ディレクションしてくださっていた方は、高いところをとにかく地声でいけというタイプの方で。「スターダストライト」は、年齢を重ねていくと地声でも出るけど、裏声のほうがきれいに聴こえるというか、無理に張り上げていない歌ができるんです。でも"あのときあの人に言われた言葉を思い出して、地声でいってみるか!"みたいになりました。そのときに、当時のレコーディングを思い出してひとりでエモい感じになりましたね。ハモりも録り直せて良かったなと思いました。

-小林さんと中山さんはどうですか?

小林:再録して良かったというより、再録してみて面白かったのは「パクチー」です。歌割が細かく分かれているから、"どう録るんだろう?"ってすごく不思議だったんですけど、自分のパートが通り過ぎないようにみんなで1個ずつ歌っていくんですよ。でも"あ! 通り過ぎました!"みたいなことが結構あって(笑)。普段は踊りの位置とかも全部含めて覚えていたから、歌だけとなるとよくわからなくなっちゃって。それが新鮮ですごく楽しかったです。

安本:当時はこんなに細かい歌割になる予定ではなくて、全部つるっと録ったんです。だから、うちらはライヴするときに苦戦したんだよね。あんな破天荒な録り方は普通しないよ(笑)。

星名:やっと9人に戻れて良かったよね。穴が開いていたので、ライヴで歌うときに3回に1回くらい自分が出てきたりするから、マイクを離せないんです(笑)。

中山:私は「ハイタテキ!」です。なんで私が"惚れたっ!"のパートを貰えたのかを今回の再録で知ることができたんですよ。ライヴでの"惚れたっ!"は、テンション高くやっているんですけど、当時のものを1回聴き返して、その通りにやってみようと思って聴いたら、情けない"惚れたっ!"になっていて(笑)。当時の私の、"惚れた"という言葉の意味を知らない感じでやったテイクがスタッフさん的に面白くて、私になったというのを初めて知りました(笑)。

-では、ここゆののかの3人はどうでしょうか?

桜木:私は「YELL」ですね。「YELL」は人を元気にさせられる曲というか、私も聴いていて明るくなれる曲だなと思っていて。私のパートが2番の"Joyfull♪"というところなんですけど、そこを印象に残せるように言いたくて、どうやったらかわいかったり元気だったり、テンションの高い"Joyfull♪"が出せるかなと思って、レコーディングのときにいろんな"Joyfull♪"をやってみました。なかなか納得いかなかったんですけど、美怜さんのパートを聴かせていただいて、張り切って歌ったら良くできました。

風見:私は「全力☆ランナー」です。9人での最初で最後の春ツアー("私立恵比寿中学10th Anniversary Tour 2022~drawer~")の1曲目で、しかも私が歌い出しを担当させてもらったからすごく印象に残っています。この曲は、顔を上げた瞬間のサイリウムの光景とか、9人で春ツアーができたことが思い浮かびますね。

小久保:私は「仮契約のシンデレラ」です。他の曲もみんなそうだけど、新メンバーが入ったら歌割はたぶん変わると思うんですね。今の「仮契約のシンデレラ」の最初のパートを3人で歌えるのは、この9人のときだけなのかなと思うので、3人のものを残せて良かったです。

-「仮契約のシンデレラ」の冒頭を新メンバーがやるのは、伝統みたいなものなんですかね?

安本:あぁ、たしかに。

星名:なんか伝統になってるね。

小林:私たちは年齢的にも大人になったからというので3人になりました。

小久保:じゃあ、この先はまだわからないんだ。守り抜きたい!

星名:そんな気持ちがあったんだ(笑)。