Japanese
STEREO DIVE FOUNDATION
2022年05月号掲載
Member:R・O・N
Interviewer:山口 哲生
STEREO DIVE FOUNDATIONが、2ndアルバム『STEREO DIVE 02』を完成させた。収録曲の大半にタイアップがつくという状況が、前アルバムから2年2ヶ月の間の充実ぶりを物語っているが、それらを縫うようにして制作された様々なアルバム曲からは、プロジェクトが目指す"SDF(STEREO DIVE FOUNDATION)のポップス"を感じ取れる1枚に仕上がっている。今回は新規曲を中心に、R・O・Nにオンライン・インタビューを実施。アルバムの制作エピソードについて話を訊いた。
-2年2ヶ月ぶりとなるアルバム『STEREO DIVE 02』を完成させた、今の心境からお聞きできればと思うのですが、いかがでしょうか。
R・O・N:無事に発売できて良かったです。シングルでリリースしていた楽曲も多く収録しているので、書き下ろし自体は歌モノで4曲と少なめな印象もあるとは思うのですが。ただ、その合間を新規曲でうまく繋げて、いいバランスで1枚作れたのではないかなと思っているんですけどいかがでしょうか、といったところですかね。
-まさにその印象でした。"無事に"ということは、大変なところもあったんですか?
R・O・N:今回はそこまで大変な思いをせずに制作できたという意味での"無事に"ですね。前回のアルバム(2020年リリースの1stアルバム『STEREO DIVE』)は、マスタリング当日までギリギリで"すみません! やっぱりこっちのデータでお願いします"みたいなやりとりをしたりして、最後までバタバタしながら完成させたので。今回に関しては、音源自体はわりと余裕を持って作れたところも良かったです。
-この2年2ヶ月の間で、特に印象的だったトピックはありました? コロナ禍直前には初ライヴ("STEREO DIVE FOUNDATION 1st LIVE「STEREO DIVE」")があって、『TRISTAR』(2021年11月リリースのシングル)のタイミングでは、チームのみなさんとよく話をするようになって、短期/長期目的を決めたというお話もされていました(※2021年11月号掲載)けど。
R・O・N:『TRISTAR』以降のことで言うと......カレンダー見たほうがいいかな。すみません。すぐに出てこなくて。あの、スタッフの誰か、ヒントなり助けなりをください(笑)。
スタッフ:前回からのことで言うと、海外も引き続き意識しているので、デジタル・プロモーションの強化はしています。また、今回のアルバムでは、R・O・Nさんと所縁のある声優さんやタレントさん、アーティストの方々などからレコメンド・コメントをいただく中に、ひとりだけ韓国のライターの方からもいただいて。これまでとは違うチャレンジやアプローチをしていくということも意識しながら、チームとしては活動をしています。
-国外へ向けてというのは、継続してやっていこうと。
R・O・N:今のお話の流れでもわかっていただけたと思うんですが、周りからの見え方や、どういう動きをしていくのかというのは、スタッフのみんなのほうが見えているんじゃないかなと思いますね。やっぱりチームで動いているぶん、僕は曲作り担当のような意識が強いので、見せ方や持っていき方は、考えていただいていることも多いというか。もちろんその時々で相談していただいたりもするんですけど。
-チームとして、アルバムというパッケージを意識されたのはいつ頃だったんですか?
R・O・N:いつでしたっけ?
スタッフ:実はかなり前なんです。アルバムを出すタイミングをずっと探っていたんですが、ありがたいことに去年は本当にタイアップに恵まれていたので、(アニメ)"フットサルボーイズ!!!!!"がタイミング的にいいんじゃないか、と。それで(エンディング主題歌の)「Pianissimo」は、シングルCDとして切らずにアルバムに入れようということになったので、『OMEGA』(2021年6月のシングル)を出す頃ぐらいには決まっていたかもしれないです。
R・O・N:うんうん。
-となると、去年の5~6月ぐらいには。
スタッフ:そうですね。当時はコロナの影響でアニメの放送時期が確定していない作品もあったので、全体のバランスを見ながら、早めに予定は組んでいました。R・O・Nさんには、1ヶ月に1曲ずつ新曲を作っていけば、結構優良なスケジュールでやれますね、みたいな話をしていて。
R・O・N:うん、覚えてる。
スタッフ:で、やれなかったという(苦笑)。
-ははははは(笑)。
スタッフ:アルバム曲の発注をしようと思っていたときに、新たなタイアップが決まってそっちの新曲を急いで作ったり......という感じでしたね。
-R・O・Nさんとしては、タイアップ曲を制作される際には、作品に合うものを作ることが第一で、アルバムのことはそこまで考えてはいなかったですか?
R・O・N:もちろんそうですね。アルバムを見据えてタイアップ曲でどんなものを作ろうかというのは、さすがに思わないです。アルバム用に1曲目っぽいものを作っておこうみたいなことは......いや、嘘だな。
-どうされました(苦笑)?
R・O・N:"絆体感TV 機動戦士ガンダム 第07板倉小隊"のテーマ曲(「#02」)を作る際には、"ライヴのSEとしても使えそうな曲を"というオーダーがチームからあったんですよ。アーケード・ゲームの番組とはいえども"ガンダム"であるということで、ある程度ストリングスやブラス・セクションみたいなものを組み込みつつ、SDFっぽいようなアレンジを施して、番組に合いそうなテイストのものにしよう、と。アルバムとしても、タイトルをどうするかとなったときに、"#02"にするしかないのは確定してしまっていたので、番組にも合うしライヴSEとしても使えるし、アルバムにも入れられるものという、そのすべてが成立するような形で作りました。というか、そういうオーダーでしたね。
-オーダーの数は多めですが、むしろ手が動かしやすかったですか? その条件を満たすとなると、もうこれだなという。
R・O・N:そうですね。僕の中ではこういう感じかなと思って作ったんですけれども、スタッフ的にはSDFっぽくない印象を持っていたようで。"お、そうかい? 珍しいね。でも、こういうふうに作っているから、ここがSDFっぽい感じなんだよ"という話をしたところ、"たしかにそうですね"って。その時期はわりと忙しくて、打ち合わせをする機会も少なかったんですよ。なので、しゃべることってわりと大事だなというのに気づいた場面でもありましたね。結果的には、"番組の方にも喜んでいただいたようです"というお話もいただけたので、良かったなと思います。
-『TRISTAR』のリリース・インタビューで、"これからのSDFは「Genesis」(2016年リリースのシングル表題曲)みたいな激しい音楽ではなく、ポップスをやっていくのがいいんじゃないか"というお話をされていましたよね。ただ、今回のタームにはハードなサウンドの楽曲も発表されているのもあって、新規曲でどうバランスをとっていくのか、かなりさじ加減が難しいんじゃないかなというのを、アルバムを聴く前に思っていたんです。その状態で「#02」を聴いたときに、たしかに"ガンダム"とは合うけれども、ここからどう持っていくんだろうと思って。
R・O・N:結構、激しめにしてますからね。でも、そうすることで「ALPHA」に繋げられるんですよ。アルバムの中にはバンド・サウンド系の楽曲もあって、それがまったく毛色が違うものになってしまうのは嫌だったから、次の曲のエッセンスをちょっと感じられる楽曲を数珠繋ぎにしていこうと思って。それで、今回のアルバムはまず曲順を決めたんです。
-なるほど。
R・O・N:1曲目に「#02」が来て、次に「ALPHA」が来る、と。そこから知っている曲が来ても面白くないから新曲を入れつつ、「ALPHA」があるから「OMEGA」を入れよう。で、「ALPHA」や「OMEGA」みたいな激しめなニュアンスから、「TRISTAR」のポップさに繋げられる曲を作る。その「TRISTAR」から、シンセ・ベースが激しく鳴っている曲を入れて「STORYSEEKER」に繋げて、そこから「Chronos」に繋げられるようにするには、ここは「Session」がいいかな、みたいな。そこから"新曲1"、"新曲2"、"新曲3"って書いて、それぞれの曲に"BPM120ぐらい"とか"ハチロク"とか"スロー・テンポ"みたいにメモ書きして、じゃあどういうのを作ろうかなって、机に向かった感じでしたね。
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